キャンピングカーの情報サイト


Home > 5.3mのバスコン〜セブンシーズはライバルを凌駕したか?

シチュエーション別キャンピングカー選び 第20回
温水シャワー装備のライトキャブコンとバンコン


温水シャワーは、日本のキャンピングカーでは装備されている方が稀である。
欧米と異なり、キャンピングカーマーケットの多くを占めるバンコンやライトキャブコンでは、温水シャワーを装備する絶対的スペースが厳しいことが理由のひとつではある。

ただ、国産のキャンピングカーでも、スタンダードキャブコンクラスになると、オプションで温水シャワーが用意されているモデルは多数存在する。
しかし、実際に装着しているケースは、実はかなり少ない。

即ち、国内でのキャンピングカーの使い方において、温水シャワーはあまりプライオリティーは高くないと言える。
その理由は、温泉施設や入浴施設が各地にあり、手軽に日帰り入浴ができるからと考えられる。

また、シャワー設備の搭載をビルダーに相談すると、「ほとんど使わないから、付けない方がいいですよ」とアドバイスされることも多い。
温水システムを扱っていない、あるいは扱っていてもあまり積極的ではないビルダーも多いのである。

実際、設置費用で温泉に何回入れるか、というような試算をすると、間違いなく費用対効果は小さい。
従って、スタンダードキャブコンやバスコンクラスでさえ、温水シャワー設備を付けないユーザーが多い。

しかし、今回は、あえて温水シャワーについて考えてみたい。
まず、温水シャワーがあると何が良いのか。
それは、温泉や入浴施設を探さなくても良いことである。

温泉めぐりが旅の目的のユーザーなら、毎日温泉を検索し、入浴することは問題ないだろうが、そうでない場合は、これは結構面倒な作業である。
今日の目的地が道の駅だとしても、その前に温泉や入浴施設を探してそこまでいかなければならない。
道の駅に併設されていたり、近くにあるならまだ良いが、結構離れている場合は、入浴してからまた道の駅まで運転しなくてはならず、やはり面倒なのである。

ならば、入浴は無しにしようか、というのもイヤなものである。
一日の締めくくりは、やはりさっぱりしてから食事したいし、入浴してからだとビールもうまいのである。

旅の最初なら、温泉に行くのも新鮮で、少しくらい離れていても運転していくのだが、毎日となると徐々に面倒になってくるし、入浴代もばかにならなくなってくる。
こんな時、温水シャワーが装備されていると、ものすごくありがたい。
直接目的地の道の駅に行って、シャワーを使って、すぐにビールが飲める。
この便利さは、一度使ったら手放せない。

それともう一つ、食器を洗うとき、温水が出るとたまらなく幸せである。
寒い朝や、夕食の後など、暖かいお湯が出ると、片付けもはかどるし、油汚れも落ちやすい。

さて、温水シャワーのありがたさが分かったところで、実際に何が必要か考えてみよう。
温水シャワーを実現するためには、まず温水ヒーターが必要である。
湯の沸かし方については、いくつか方法があるが、これらについては、こちらに書いたので参考にして欲しい。

次に必要なのが、40〜100リッター程度の給水タンクである。
シャワーを使う場合、一人当り20リッター程度の湯が必要と言われている。
節約すれば10リッター程度で済むかも知れないが、やはり20リッター程度を見ておいた方が良いだろう。
女性の場合は、更に消費量が多くなる。
従って、カップルなら30〜50リッター、4名のファミリーなら80〜100リッターが必要となる。

100リッターと言えば、100Kg、即ち、大人2名程度の重量になり、この重量と大きさのタンクを搭載する必要がある。
60リッターでも、大人一人程度の重量がある。
更に、その容量の湯を沸かす必要がある。
即ち、温水システムを搭載するためには、それなりに考えられたキャンピングカーでないと、実現できないのである。

それでは、温水シャワーを搭載するキャンピングカーをリストアップするが、スタンダードキャブコンではかなりのモデルが搭載できるので、ここではライトキャブコンとバンコンモデルに絞って紹介する。

・ジュニア・リボーン キャンピングワークス
・マンボウシリーズ ロータスRV販売
・スーパーエース テッツRV
・イースピリット ロータスRV販売

ジュニア・リボーン キャンピングワークス
既に詳細記事があるので、こちらを参考にして欲しい。
温水システムは、20リッターの電気温水器で湯を沸かし、水と混合して適温にする。
清水タンクは実に100リッターの容量を持ち、ファミリーで使っても問題ない容量。
ただし、ファミリーで使う場合、水の水温によっては湯量が足りない場合も考えられ、湯が沸くのに多少の時間がかかる。

また、温水ヒーターの消費電力から考えると、発電機の使用が望ましく、発電機が使用できる環境が求められる。
しかし、温水シャワーを前面にプロモートしているモデルだけあって、シャワールームの広さをはじめ快適に使用できるレベルである。



マンボウシリーズ ロータスRV販売

こちらも詳細の紹介記事があるので、参考にして欲しい。
温水システムはオプションで、ガスボイラー、大容量給水タンク、シャワーヘッドの組み合わせ。
ガスボイラーはカセットガスボンベを使用し、高温の湯を水と混合して適温にする。
給水タンクの容量は使用状況によって選択できるので相談すると良いだろう。


スーパーエース テッツRV
ハイエースワイドロングを使用し、ハイルーフを架装したモデルだが、こちらも詳細の記事があるので、参考にして欲しい。
このモデルはラジエーターの熱交換を使用して湯を沸かすシステムを採用しており、ボイラーの高温の湯と水を混合するのではなく、タンクの水全体を温める。

この方式のメリットは、混合して適温にする手間が不要なこと。
また、エンジンの排熱を使用するので、ガスや電気を使用することなく、走行しているうちに湯になっている。
タンク内の水を全て湯にするため、あらかじめ使用する湯量と走行距離を考えて給水すると効率的な温水シャワーシステムになる。

一方、デメリットは走行しないと湯にならない点で、この場合は電気温水器(熱帯魚用のヒーターのようなもの)で加熱する。
スーパーエースは発電機も搭載しているので、これが可能である。

給水タンクは60リッター程度が搭載可能であるが、そのあたりは相談できる。
給水タンクは固定タンクなので、給水はボディサイドに設けられた給水口から行う。


イースピリット ロータスRV販売
これもハイエース ワイドロングを使用し、ジャンボルーフと呼ぶハイルーフを架装したバンコンモデル。

このモデルは、「クローゼット仕様」を選択すると、最後部がFRPの完全防水処理された広いシャワールームとなっている。
「クローゼット仕様」では、各20リッターの給排水タンクの他、44リッターの給水タンクが標準装備されるのが特徴。
例えば海水浴の後など、温水でなくてもシャワーを使いたいユーザーへの対応である。
更にオプションでボイラーが設置できるので、温水シャワーが可能となる。

ボイラーは、ガス、電気とラジエーターの熱交換が可能な万能タイプ。
状況に応じて、適切な加熱方式が選択できる。
ただし、発電機は搭載していないので、電気で加熱する場合は外部100V入力が得られる場合である。


まとめ
温水システムと温水シャワーの便利さは分かったが、しかしコストはかなり高価になるのではとお考えかもしれない。
温水シャワーシステムが今だ少数派であることからか、温水シャワー設置コストが公開されていない場合が多いが、キャンピングワークスのジュニア・リボーンとテッツRVのスーパーエースの価格が公表されている。

ジュニア・リボーンは温水システムと家庭用エアコン、2.8KW専用発電機装備で498万円(税別)。
スーパーエースは、ベーシックパッケージとフルパッケージがあり、フルパッケージにすると、温水システムに加え、カセットトイレ、発電機、家庭用エアコン、電子レンジなど、豪華装備が標準装備され499.8万円(税別)である。
(ちなみに上記の装備が付かないベーシックパッケージは359.8万円)

これらを高いと見るか安いと見るかは個人の見解であるが、温水シャワー(やエアコンも)が付いてこれらの価格なら、思っていたほど高価ではないと思う。
お湯が出る幸せを、是非手に入れていただきたい。










2015.10.24




ホームデータベース関連書籍キャンピングカー用品基礎知識
用語集ニューモデル記事シチュエーション別記事過去の展示会レポートお問い合わせ







Copy Right キャンピングカーファン Since 2009