キャンピングカーの用語解説

【あ行】【か行】【さ行】【た行】【な行】【は行】【ま行】【や行】【らわ行】



【あ行】


RVパーク(アールブイ パーク)
全国の道の駅をはじめ、日帰り温泉施設、オートキャンプ場や湯YOUパークと連携して設置している、キャンピングカーや車中泊車用の施設。
道の駅やパーキングエリアは、基本的に休憩用の場所であり、宿泊用の場所ではない。
多くのキャンピングカーや車中泊車が道の駅やパーキングエリアで停泊しているが、あくまで休憩や仮眠といったスタンスで扱われている。
これに対し、RVパークは有料ながら車内での宿泊を想定したもので、長期間の滞在も可能。
駐車スペースも広く取ってあり、場所によってはサイドオーニングを出したり、キャンプチェアを出して寛ぐこともできる。
また、外部電源、ごみ処理、入浴施設、24時間使用可能なトイレなどの施設が完備されているところもある。
RVパーク一覧はこちら


RUV(アール・ユー・ブイ)
Recreational Utility Vehicleのこと。従来のRVに対し、更に活動的な要素を持たし、またSUV(Sport Utility Vehicle)に対し、更に快適性を持たした、新しいジャンルのモーターホームのカテゴリーとして、米国のThor(ソアー)社が提案した。同社はVegas(ベガス)とAXIS(アクシス)の2車を2014年にRUVとして発表した。これら2車は、フルコンながら今までの米国のモーターホームに比較してコンパクトにまとめられており、機動性が向上している。同時に燃費も改善されており、省エネを意識した今後のモーターホームの方向性も示唆している。(写真はVegas)



アイソレーター
走行充電器のこと →走行充電


アクリル2重窓
キャンピングカーの断熱を考えるとき、ガラス窓からの冷気の侵入は大きな問題となる。これを防ぐため、キャブコンなどでは一般的にアクリルの2重窓を採用する。アクリル2重窓の効用は結露対策にもなる。弱点としてはガラスよりも傷が付きやすいこと。

ハイエースなどのバンコンでも、エクステンションウインドウを装着する場合は、アクリル2重窓が装備されている。ただしバンコンの場合は他のウインドウがベース車のままでは、十分な断熱効果は得られない。このため、一部のバンコンでは、左側後部やリアゲートのウインドウもアクリル化できるモデルもある。

 キャブコンに装備されたアクリル2重窓(ZIL:バンテック)


AL-KOシャシー(アルコ シャシー)
独AL-KO社が製造するシャシー。キャラバン(キャンピングトレーラー)やセミインテグレーテッドキャブコン)のシャシーとして使用されている。軽量かつ剛性を持つ同社のシャシーは、オプションでグレードアップ設定される場合もありハイグレードとして認識されている。主に欧州車に使用されるが、セミインテグレーテッドの場合は、フィアットのデュカトが使用されるケースが多く、これはFFのため、後部のシャシーのメーカー、長さ等を自由に選択できる。


アルコベン
アルコーブンなどとも記されることがある。
欧州のモーターホームの分類名で、バンクを持つ架装形態のものを言う。
Alcovenの元の意味は、奥まった小部屋で、バンク部がそのような形態をしていることに由来する。
欧州ではキャブを残したシャシーに架装するもののうち、バンクを持たないものはセミインテグレーテッドと呼び、アルコベンと区別しているが、日本ではキャブコンで統一されている。
米国ではクラスCに相当する。
セミインテグレーテッドはバンクを持たないため、主にカップル向けとされ、アルコベンはファミリー向けとされる場合が多い。
下はアドリアモービルのリドアルコベン。



EXパック
NV350キャラバン標準ボディ標準ルーフのDXグレードの装着するオプション。ハイエースのGLパッケージに相当する。DXグレードは最下位のグレードで黒い樹脂バンパーやこれ意識ミラー等、いかにも商用車に見えるため、外観のみをグレードアップさせるパーツをパッケージにしている。
内容については、基礎知識のバンコンのベース車NV350キャラバンの項を参照。


イーコンフォート(e-confort)
東和モータース販売とキャンピングワークス他が共同開発した、国産家庭用エアコンをベースにした車載用エアコンシステム。
家庭用エアコンがキャンピングカーに普及しつつあるが、室外機の収納スペースが問題になっていた。
イーコンフォートは、室外機を横置きにして、ルーフに設置できるようにしたエアコンで、これにより、収納スペースを犠牲にしなくてもエアコンが装備できるようになった。
ルーフに取り付けるが、従来のルーフエアコンのようにルーフに大きな穴を開ける必要がなく、雨漏りを回避することもできる。
室内機は、家庭用エアコンのものをそのまま使用する。


インテグレーテッド
主に欧州のモーターホームのカテゴリーで使用される呼び名。
フルインテグレーテッドと呼ばれる場合もある。
日本ではフルコン(フルコンバージョン)にあたる。
また、米国ではクラスAに相当する。
これに対し、キャブを残したシャシーに架装したものをセミインテグレーテッドと呼ぶ。
車両メーカーから供給されるエンジン付きのシャシーに上物を架装する方法で、ボディ形状の自由度が高く、またスペース効率が良いため、多くのモデルが生産されている。
欧州でも大型のものが主流であったが、近年では6mを切る比較的小型のものも存在しており、日本へも輸入されている。
下の写真下はアドリア ソニック。
フィアットデュカトをベースにしている。


インバーター
バッテリーの12VDC電源を家庭用の100V AC電源に変換する装置。キャンピングカーで家庭用の電気製品を使用する場合は、100ボルトの電源が必要となる。しかし、キャンピングカーのサブバッテリーは多くが12V DC電源であり、そのままでは使用できない。そのため、12V DC電源を100ボルトのAC電源に変換する必要がある。

電子レンジや家庭用エアコンが標準装備されていても、インバーターがオプションの場合、これらの家電品は、外部100V電源が取れるところでのみ使用できる。外部電源が無いところでこれらの家電品をサブバッテリーで使用したい場合は、インバーターを忘れず搭載しておく必要がある。

インバーターは使用する電気製品によって必要となる容量が異なり、電子レンジなど大容量の電気製品を使用する場合は、1500Wや2000Wなど大容量のインバーターが使用される。


 インバーターの例


上開き式冷蔵庫
キャンピングカーのビルトイン型冷蔵庫では主に横開き式と上開き式の冷蔵庫がある。上開き式の冷蔵庫はコンパクトなため狭いスペースにもビルトインできるほか、蓋を開けた場合冷気が逃げにくいというメリットがある。
一方、上開き式冷蔵庫の多くは、冷蔵と冷凍を同時に行うことができないため、冷蔵で使っている場合は製氷ができないといったデメリットがある。多くの場合冷蔵で使っているので、氷は作れないため夜水割りを飲めないということにもなる。
この点、横開き式冷蔵庫の多くは独立した製氷室があり、冷蔵と冷凍を同時に行うことができる。

 バーデンの上開き式冷蔵庫


A.C.S(エーシーエス)
RVビックフットのキャンピングカーに搭載される機能名。AC Systemの意味で、冷蔵庫や家庭用エアコン、IHコンロ、電子レンジなどの家電品をACで動作させることからきている。大容量のソーラーパネルで発電し、大容量のバッテリーに蓄電することにより、地球環境にやさしい電源システムという意味合いの方が前に出ている。また災害時の電力確保手段としても注目されている。
同社のバスコンクラスでは最大700~800Wものソーラーパネルを搭載し、発電機はもちろん、外部からの電源による充電も最小限で長期旅が続けられるとしている。ただし、バンコンクラスになると300W程度なので、太陽光発電だけで電力を賄うのは厳しい場合がある。

 ACSオアシスLLに搭載されたソーラーシステム

AGMバッテリー
Absorbent Glass Mat(吸収ガラスマット)の略で、電解液をガラスマットに吸着させたタイプのディープサイクルバッテリー。電極面積が大きく、高出力が出せるのが特長。従って、エアコンや電子レンジを搭載するキャンピングカーに向いている。また、通常のディープサイクルバッテリーに比べ寿命が長いメリットもある。
従ってAGMバッテリーは高性能バッテリーに位置付けられており、価格も通常のディープサイクルバッテリーより高価なことが多い。ただし、鉛蓄電池の一種であることには変わらず、リチウムイオンバッテリーとは異なる。一般的に、リチウムイオンバッテリーは更に高出力高寿命とされており、価格もAGMバッテリーより高価なことが多い。

エアコン
キャンピングカーで使用されるエアコンは、従来ルーフエアコン、ウインドウエアコンが一般的であったが、最近ではキャブコンやバスコンなどスペース的に余裕のあるタイプを中心に家庭用エアコンを搭載するキャンピングカーが増えてきた。
ルーフエアコンは機材を天井につけるため重心が上になり、クルマの安定感が損なわれるという考えもあったが、最近ではエアコンの小型化も進んでいる。
一方安価であること、消費電力が小さいことから、室外機を取り付けるスペースがある場合は家庭用エアコンを搭載するモデルが増えている。
バンコンに家庭用エアコンを取り付けるケースも増えつつある。
エアコンの電源は、外部100V電源か発電機を使用するのが一般的だが、外部電源は供給できる場所が限られること、発電機は騒音の問題があり、近年ではソーラーシステムを搭載することによりエアコンを駆動するモデルも出てきている。

家庭用エアコンを搭載したRVトラストのボレロV-Max

エクステンションウインドウ
エクステンションボックスとも言われている。ワイド幅のハイエースなどのバンコンで、車幅方向に就寝できるようにするため、窓を取り外し、ここにエクステンションウインドウをはめ込む。これにより、ベッドを車幅方向に設置することができ、効率の良いレイアウトが実現できる。
エクステンションウインドウが設置されるのは主に右後部の窓で、これを設置し、後部にハイマウントベッドを配置したレイアウトを取るモデルが多い。
エクステンションウインドウで、右側中央部と後部の窓を全てカバーしたモデルも登場しており、この場合は中央に配置されたダイネットの窓が出窓になり広さを演出すると同時に断熱効果の向上にも効果がある。

 エクステンションウインドウの例 トイファクトリーのアルコーバ

NV200バネット
2009に登場した日産の商用車/乗用車で、バンとワゴンがラインアップされる。三菱自動車にデリカD:3としてOEM供給されていたが、現在は廃止されている。

エンジンは1.6Lガソリンのみで、109PS/6000rpm。ミッションは4ATと5MTが選べる。駆動方式は当初2WDのみだったが、2018年にバンに4WDが追加された。

キャンピングカーには、主にバンコンとして使用され、軽以上ハイエース未満の、取り回しが良く、そこそこ広い室内を持つコンパクトバンコンとして多くのモデルが作られている。

ボディカットによるキャブコンも製作されているが、2022年現在ではAtoZのアルファシリーズのみ。ボンネットがありミニバン感覚で運転できるのと、低重心による安定した走行性能を特長としている。

ただしこのクラスのキャブコンはタウンエーストラックが多く使われている。

詳しくは基礎知識のNV200バネットの項を参照


キャラバン
2012年に登場した日産のワンボックス商用車で、キャンピングカーにはバンコンのベース車として使われることが多い。トヨタハイエースのライバル車に位置付けられ、サイズや機能的にも近い位置にあるが、キャンピングカーのベース車としては、ハイエースの方が圧倒的なシェアを持っている。

しかしキャラバンのナロースーパーロングボディはハイエースに無く、5ナンバーミニバンと同程度の車幅のため、広い室内を持ちながら家庭のパーキングに駐車しやすいというメリットがある。

なお、2022年のマイナーチェンジから車名はNV350が削除され単に「キャラバン」となった。

詳しくは、基礎知識のNV350キャラバンの項を参照。



FFヒーター(エフエフヒーター)
キャンピングカーの暖房に使用する室外排気のヒーターのこと。狭い室内で暖房を取る場合は、一酸化炭素中毒などの事故を避けるため、排気は車外にすることが重要。
FFとは、Forced draught balanced Flue typeの略で、日本語にすると密閉式・強制給排気型となる。
FFヒーターは車内に燃焼した排気を入れることなく、車外に排気することが可能。
FFヒーターが付いているとエンジンを切っていてもヒーターを動作させることができるので、アイドリングでクルマのヒーターを動作させるよりも効率的、環境的に優れている。
冬場の車中泊をするユーザーには必需品と言っても良い装備。キャンピングカーのFFヒーターは軽油やガソリンを燃焼するものが多く、バンコンではコンパクトな独ベバスト社のエアトップヒーターなどがよく使用される。
輸入モデルのようにLPガスボンベを装備するキャンピングカーでは、トルマ社のCombiのような、ボイラーとヒーターの機能を持つ機器が良く使用される。

 独ベバスト社のエアトップヒーター

EVOLITE(エボライト)システム
EVOLUTION(エボリューション)システム



EVOLUTION(エボリューション)システム
ナッツRVが同社のボーダーやクレア/スティングに搭載している、同社独自の電装システム。メインの機能は、走行充電やアイドリングでサブバッテリーを満充電でき、またアイドリングで家庭用エアコンを無制限に運転できること。

意外かもしれないが、一般的には走行充電やアイドリングでサブバッテリーを満充電することはできない。エボリューションシステムにより、外部100V電源が取れない環境でも電気の心配がなく、エアコンも制限なく使えるとしている。

また2021年にはリチウムイオンバッテリーに対応した「HYPER EVOLUTION (ハイパーエボリューション)」システムが導入された。100Ahのリチウムイオンバッテリー4個(=400Ah)を約4時間の走行で満充電できる他、バッテリーにやさしい80%充電モードが用意されている。

なお2021年にモデルチェンジされた新型カムロードに対応したハイパーエボリューションシステムを「ハイパーエボリューションNeo」とネーミングしている。

 ハイパーエボリューション

更に、エボリューションシステムの下位機能として、同社の普及モデル(主にクレソンジャーニー)に搭載されているEVOLITE(エボライト)システムもある。エボリューションシステムとの大きな違いは、アイドリングでの満充電までの時間と、アイドリングで運転できる家庭用エアコンの運転時間。

エボリューションでは、空の3本の105Ahディープサイクルバッテリーを4~6時間で満充電にすることができるが、エボライトシステムではCTEKの昇圧システムを使用しており、8.5~10時間で満充電できるとしている。

また、エボリューションではアイドリングで家庭用エアコンを無制限に使い続けることができるが、エボライトでは制限がある場合がある。(外気温による)

エボライトもまたリチウムイオンバッテリーに対応し、「EVOLITE Li(エボライトエルアイ)」と名付けられている。


MPPT方式
ソーラーシステムの制御装置でMPPTはMaximum power point tracking:最大電力点追従制御の意味。同様のコントローラーでPWM方式(Pulse Width Modulationの略でパルス制御方式ともいう)もあるが、MPPT方式の方がはるかに効率が良い。ただし、MPPT方式はPWM方式に対してかなり高額となる。

MPPT方式は様々な気象条件で最適な充電制御を行うことができることから、キャンピングカーでは、MPPT方式を採用するモデルがほとんど。カタログのソーラーシステムの項目にMPPT方式と書かれていたら、高価で高効率の制御システムを使ってますよ、という意味。


LPガス
多くの輸入モデルでは、コンロやヒーターの熱源としてLPガスを使用している。小型ガスボンベを搭載し、使い切ると、ガス屋さんで再充填してもらう。
しかし、2008年頃から、安全性の懸念からキャンピングカーへのガス充填を拒否する販売店が増加し、国産キャンピングカーではほぼ使われていない。
現在では国産車はカセットガスが一般的に使用されている。
しかし、輸入車ではトレーラーを含め、多くのモデルでLPガスが使用されており、輸入車を購入する場合は注意が必要。
輸入車を扱う販売店では、国内仕様としてカセットガスにシステム変更している場合もある。



エレベーションルーフ
ベース車のルーフに架装し、ルーフを水平に昇降させる装備。室内高が均一に高くなるほか、ルーフベッドとしても使用できる。以前からオートショップアズマの軽キャブコン「ケーアイ」やバンショップミカミのライトキャブコン「Dテントむし」で採用されていたが、2020年にケイワークス、バンテック新潟(バンレボ)、ワークヴォックスの3社の共同開発で、ハイエース用が共同開発された。

ポップアップルーフに比べエレベーションルーフのメリットは、ルーフ全体が均一に昇降すること。これにより、全体的に高い天井高が得られる。また、駐車スペースの傾きに応じて、ルーフベッドでの就寝方向を前後で変えられるのも隠れたメリットだ。

一方、エレベーションルーフのデメリットは、ルーフベッドで座れないこと。ポップアップルーフでは高さが十分あるのでルーフベッドで座って寛ぐことができるが、エレベーションルーフではこれができない。

 ディアリオ ポップEL Type2のエレベーションルーフ



エントランス
キャンピングカー車内への入口のこと。キャンピングカーのエントランスは居住部への入口が運転席、助手席のドアと独立している場合がほとんどで、入口の位置により、フロントエントランスやリアエントランスといった呼び方をする。
ハイエースなどのバンコンではボディーをそのまま使用することがほとんどのため、エントランスは左中央にある。
キャブコンでは、レイアウトによって、シェルのフロントにあったり、リアにあったりする。
一般的にフロントエントランスでは後部に2段ベッドなど、リアエントランスでは前部に広いダイネットを取るレイアウトに向く。
輸入車では多くが右エントランスとなるため、左側通行の日本の環境には好ましくない。
しかし左エントランスを持つ輸入車も選べるようにたった他、ジャパンキャンピングカーショー2017では左エントランスのフィアット デュカトが展示された。

 左エントランスを持つ輸入車Escape Compact404(Swift)


オーバーヘッド収納
オーバーヘッドキャビネットとも言う。「オーバーヘッド」すなわち頭上にある収納庫のこと。
ハイルーフや天井の高いキャンピングカーでは、頭上にも余裕があるため収納庫のスペースを取ることができる。
ハイエースなどバンコン系ではルーフが丸みを帯びているため、オーバーヘッド収納庫が付いていても意外に奥行きが無く、見掛け倒しの場合がある。
収納庫の扉は、開けた状態でロックできるもののほうが両手を使って収納物を出し入れできるため、使いやすい。

ズー(カトーモーター)のオーバーヘッド収納

オルタネーター
クルマのエンジンで発電する発電機。一般のクルマに搭載されており、これでメインバッテリーを充電する。キャンピングカーでは、サブバッテリーも充電するが、これが走行充電と言われるもの。
しかし、オルタネーターはメインバッテリーを充電するのが第一目的で、サブバッテリーには副次的に供給される。そのため、走行充電でサブバッテリーを満充電するのは難しい。
これを解決するため、最近ではCTEKの充電器を使用するモデルも増えている。


外部100ボルト入力(外部電源)
自宅の駐車場やオートキャンプサイトなどで100ボルト電源が確保できる場合、これをキャンピングカーの電源、あるいはサブバッテリーの充電として取り入れる機能。
キャンピングカーのボディー外部に100ボルト電源取り入れコネクターがあり、ここに100ボルト電源を接続することにより、キャンピングカー内の電気製品が使用できる。外部電源を使用しているので当然サブバッテリーは減らないし、外部電源からの充電装置がある場合は、外部電源によりサブバッテリーを充電することもできる。



外部入力電源による充電
外部から入力された100V電源によりサブバッテリーを充電する機能。サブバッテリーは走行充電でも充電されるが、走行充電だけで満充電するのは難しい。RVパークやオートキャンプ場に電源が備わっていれば、外部100V入力充電機能で充電すると停泊中に満充電することができる。キャンピングカーの仕様では、外部100V入力は標準装備されていても、充電機能はオプションになっている場合がある。これが明確に記述されていない場合があるので、使用を見る場合は注意が必要。



カトラリー(cutlery)
スプーンやナイフ、フォークなどの総称。欧州車では、ギャレーコンソールにカトラリー収納引き出し(cutlery tray)が用意されている場合がほとんどだが、国産車ではキャブコンでも見かけることは少ない。カトラリーに箸は含まれないが、カトラリー収納があるとこれら小物の食器の収納に便利だ。国産車にカトラリー収納が装備されない理由は、車内で食事する需要が少ないからと思われるが、このあたりにもキャンピングカーの使い方の差がみられる。


カセットガス
国産キャンピングカーの熱源として、カセットガスは広く使用されている。国産車では、主にコンロ用に使用される。ガスを使う器具として、コンロのほかにはヒーターや冷蔵庫があるが、国産車ではほとんどがFFヒーターや電気冷蔵庫を使用しているため、ガスはコンロ用に使用される場合が多い。ガスボンベは250グラムのものが一般的で、ホームセンターなどで容易に入手できる。一方、輸入車や年式の古いモデルではLPガスを使用している場合がある。しかし、キャンピングカーのLPガス充填は、販売店で拒否される場合があるため、カセットガスに変更して販売している販売店もある。



カセットトイレ
トイレ

 ボーダーバンクス(ナッツRV)のカセットトイレ


過放電防止装置
サブバッテリーは完全に放電させてしまうと、もとの充電量まで充電できなくなる特性がある。過放電によってサブバッテリーの能力が低下するのを防止するため、一定量以下の充電量になると自動的に放電を停止させる装置のことを言う。


カムロード
トヨタの6代目トヨエースをベースに、キャンピングカー専用のベースシャシーとして1997年に開発された。一般には市販されていない。
現在のカムロードは7代目トヨエースをベースに開発され、国産キャブコンのベース車としてスタンダードな地位を得ている。
カムロード専用装備として、キャンピングカー専用サスペンションやリアワイドトレッドが与えられており、乗り心地の向上が計られている。
エンジンは3Lディーゼルターボと2Lガソリンがあり、それぞれ144ps/3,400rpm、133ps/5,600rpmのパワーを発揮する。
駆動方式は2WDがディーゼルとガソリン、4WDはディーゼルのみに用意される。
ミッションは4ATのみ。
なお、いすゞからビーカムと名付けられたキャンピングカー専用シャシーが開発され、カムロード一色だったスタンダードキャブコンのベース車の選択肢が増えた。
基礎知識のカムロードの項も参照。
写真下はカムロードのベースシャシー。


キャブオーバー
ハイエースやNV350キャラバン、カムロードや軽トラックのように、運転席の下にエンジンを配置する自動車のレイアウト形式。ボンネットが省略できるので全長のうち荷室に割ける割合が大きくなる。半面、前面衝突時の衝撃をボンネットで緩和することができなため、乗員の安全性は劣る。このため欧米向けにはボンネットを有する新型のハイエースが2019年より輸出される。また日本でも新型ハイエースはボンネットを持つスタイルになる予定。
更に、キャブオーバー型ではエンジンの熱が車内に入って来やすいため、夏場はエンジン停止後、車内がいつまでも暑いというデメリットがある。アイドリングでクルマのエアコンを使えばよいという考えもあるが、環境に悪いうえ、止めた後かえって暑くなる。


キャブコン
基礎知識のキャブコンの項参照


キャプテンシート
一人掛けのシートのこと。これに対し、2~3人着座できるものをベンチシートと読んでいる。
キャンピングカーでのキャプテンシートは豪華さを演出する場合が多く、肘掛けやリクライニング機構がつき、革張りの場合もある。
キャプテンシートは一人着座の場合は快適であるが、ベンチシートのようにフルフラットにしたり、ベッドにしたりするする自由度では劣るため、室内に余裕のあるレイアウトで採用される場合が多い。

キャプテンシートの例 カトーモーター オークサイドロイヤル

キャラバン
トラベルトレーラーの欧州での呼び方。
米国ではトラベルトレーラーと呼ぶことが多い。
基礎知識のトラベルトレーラーの項参照。



ギャレー
キャンピングカーに備え付けられるキッチンのこと。一般的には飛行機や船舶の厨房設備を指すことが多く、旅客機で食事を用意するスペースがこれにあたる。キャンピングカーはヨットやレジャーボートと似た居住空間を持つことから、同様の呼び方となっている。
ギャレーは主にシンク(流し台)とコンロから構成されるが、冷蔵庫、電子レンジなどもギャレーキャビネットに組み込まれていることがある。
国産のキャンピングカーでは、車内で調理する需要が少ないせいか、ギャレーがあってもコンロはビルトインせず、卓上式のカセットコンロをその都度セットする方式が多くなっている。一方欧州車を中心とする輸入車では最低でも2口コンロがビルトインされているのが一般的。

 デスレフPULSET6811EBのギャレー



キャンパー特設
「キャンピング車架装用セット特設」の略。ハイエース標準ボディ標準ルーフあるいは標準ボディハイルーフに対して、キャンピングカーとして架装することを目的に用意されている仕様。

ベースグレードはDXで、これはバンパーやドアミラーが黒く、またフロントシートも3人掛けで、いかにも商用車然とした作りになっている。そこでキャンピングカー用には、見た目を良くし、しゃうよう車臭さを取り除こうとしたのが「キャンパー特設車」だ。

ただし、スパーロングに設定されている「キャンパー特装」とは多少異なる。最も大きな違いは特装にあるオプティトロンメーターとオートエアコンが付かないこと。

なお、特装と同様に特設には自動ブレーキ(Toyota Safety Sense)が装着できない。

DX、GLパッケージ、キャンパー特設などの比較は基礎知識のベース車解説を参照。


キャンパー特装
キャンピングカーに架装されることを前提に、自動車メーカーがキャンピングカービルダーに販売するキャンピングカーのベース車。ハイエーススーパーロング、NV350キャラバンスーパーロングおよびワイドスーパーロングが対象で、一般に販売されるモデルから内装や一部シートなどを工場で取り付けないでビルダーに出荷する。当然一般には販売されない。

「キャンパー特装」は主にハイエーススーパーロングに対して使われる呼び名で、標準ボディ標準ルーフ、あるいは標準ボディハイルーフでは「キャンパー特設」が使われる。

なお、ハイエースキャンパー特装車は、トヨタの方針で自動ブレーキ(トヨタセイフティセンス)が装備されない。これは大きな問題点だ。トヨタには早急に対応してもらいたい。NV350キャラバンの特装車には搭載されている。

DX、GLパッケージ、キャンパー特装などの比較は基礎知識のベース車ハイエースを参照。またNV350キャラバンのDX、EXパック、キャンピングカー特装の比較は基礎知識のベース車NV350キャラバンを参照。

 ビルダーにはこのような状態で自動車メーカーから納入される


キャンピングカー
基礎知識の「キャンピングカーとは」の項参照


給排水タンク
給水タンクと排水タンクの意味。多くの場合ギャレー近辺に収納されており、シンクで使用する前の水を貯めておくのが給水タンク(清水タンクとも言う)、使用した水をためておくのが排水タンク。

給水タンクからは電動ポンプで水を吸い上げるのが一般的。給排水タンクはハイエースバンコンレベルではそれぞれ10リッターか20リッターを使用するものが多いが、シャワールームを持つようなキャブコンなどの場合は40リッターから80リッター、輸入キャンピングカーの場合は100リッターを越すモデルもある。

国内では温泉などの施設が充実しているため、シャワールームを持つキャンピングカーが少ないこともあり、給排水タンクは小さい。また、水は重量があるため、多く積んでいると燃費や動力性能、あるいは車体のバランスに影響が出ることも知っておく必要がある。なお、衛生の面から飲料水はボトルで購入することをお勧めする。

キャンピングカーの使い勝手を調べる場合、20L(=20Kg)の給排水タンクの出し入れのし易さは重要で、車外から直接取り出せると理想的。

なお、給排水タンクの水の処理は、道の駅やSA/PAで行うのはマナー違反。キャンプ場の指定された場所やガソリンスタンドで断って給排水すると良い。

 トム200(セキソーボディ)の給排水タンク


COOLSTAR(クールスター)
ホワイトハウスが販売する、車載用に開発された12Vセパレートクーラー。家庭用エアコンに匹敵する冷却性能を持ち、小型化されている。室外機は床下やルーフに取り付ける。

12Vで動作するので、サブバッテリーで動作させる場合、インバーターが不要で、インバーターによるロスが発生しないのが特徴。

ただし、外部100V電源が取れる場合は、コンバーターで100Vから12Vに変換する必要があり、またこれを専用に持たないと、サブバッテリーを充電しながら放電することになり、クーラー用の放電が充電を上回った場合は一定時間で使えなくなる。

また暖房はできないため、家庭の駐車場で、キャンピングカーを仕事場や書斎などとして使う場合、外部電源で長時間エアコンを動作させるような使い方には適さない。

 COOLSTARの室内機(上)とルーフ用室外機(下)

グレータンク
洗顔や食器を洗った後など使用した水をためておくタンク。これに対し、カセットトイレの汚物をためておくタンクをブラックタンクという。日本のキャンピングカー、特にバンコンでは、10~20リッターのポリタンクに排水するモデルが多い。

輸入モデルでは、グレータンクは床下に固定されており、レバーで排水する場合が一般的。国産モデルでもそのような機能を持つモデルもある。


クラスA
米国におけるモーターホームのカテゴリー名。
クラスAからCまであり、クラスAは日本でいうフルコン、欧州ではフルインテグレーテッドに相当する。即ち、エンジン付きのシャシーの上物全てを架装する形態である。
この手法は、設計の自由度が高く、またスペース効率に優れる。
大きさも、価格もモーターホームの頂点にあるが、広い米国ではマーケットも大きく、多くのコーチビルダーが手掛けている。
大きなものは車体内部に小型車やスポーツカーを格納できる構造を持ち、滞在先での足を確保している。
日本では大きさの制約もあり、現在のところほとんど輸入されていない。


クラスB
米国におけるモーターホームのカテゴリー名で、日本ではバンコンに相当するが、キャブコンのうちバンクを持たないものもクラスBに分類する場合がある。
キャンパーバンと呼ぶ場合もある。
一般的にはバンの内装を中心に架装するため、製作費が安価に抑えられ、価格がクラスAやクラスCほど高価でないのがメリット。
また、サイズも6m程度のものが中心で、取り回しも良く、機動性に優れる。
国産のバンコンは、サニタリールームや温水シャワーを持たないものがほとんどだが、クラスBでは、多くのモデルがこれらの装備を持つ。
下はロードトレックの210Popular。



クラスC
米国におけるモーターホームのカテゴリー名で、日本ではキャブコンに相当する。
即ち、キャブを持つシャシーにシェルを架装するタイプで、米国ではクラスAとともに大型モデルが量産されている。
国内ではサイズ的に取り扱いにくい面があるが、一部輸入されているモデルもある。



KULOS(クロス)
キャンパー鹿児島とベネテックスが共同で開発したリチウムバッテリーシステムの商品名。5100Whの大容量のリチウムバッテリーとそれをコントロールする電子回路がパッケージングされたシステムユニットで、100Ahのディープサイクルバッテリー約8個分の実質容量を持つ。走行充電、太陽光充電、外部100V充電にも対応している。

2014年にモデルチェンジした同社のインプラス(動画)に標準搭載されたのをはじめ、レムセカンドアクト クロスバージョンにも搭載された。しかし2021年に再登場した新型インプラスでは搭載されず、新しい電源システムに置き換わっている。

 レムセカンドアクトKULOSバージョンに搭載されているKULOS

軽キャンピングカー
基礎知識の軽キャンピングカーの項参照



剛製スペースフレーム
キャブコンのシェルと内張りの間に金属製のフレームを入れ強度と安全性を確保するシェル構造。ボレロV.Maxなど旧ファーストカスタムのキャブコンに採用されていたが、現在では事業を引き継いだRVトラストのTR500 C-LHやバンテックのアストラーレCC1などのモデルに採用されている。

上はファンルーチェのパタゴニアに使用されている例。



サイドオーニング
「オーニング:awning」とは日除け、あるいは雨どいのこと。ヨーロッパの街角で見かける、レストランの屋外テーブル用の日除けがそれ。キャンピングカーでは、サイドに取り付け、キャンプ場などで展開して使用する。
多くの場合がオプション設定されているが、シェルに一体になったものもあり、この場合は収納時に出っ張りがなく、見栄えが良い。
パーキングや道の駅では展開できないので、キャンプ場などに行く機会が少ないユーザーなら使う機会は少ない。


サブバッテリー
クルマのエンジンを始動させるメインバッテリーに対し、室内灯や換気扇など車内の電気機器を作動させるバッテリーをサブバッテリーと呼んでいる。
通常のクルマにはメインバッテリーしか積んでおらず、バッテリーが上がってしまうとエンジンの始動が出来なくなるが、サブバッテリーを積載したキャンピングカーではサブバッテリーが上がってもエンジンの始動はメインバッテリーにより可能。
メインバッテリーはエンジンを始動するため、一気に大電力を供給できるタイプのものが使用されるが、サブバッテリーにはデープサイクルバッテリーという安定して電気を供給できるタイプのものが使用される。
サブバッテリーの充電は通常走行充電と外部100V入力により行う。
走行充電は、走行中に車に搭載されているジェネレーターによって発電された電気でサブバッテリーを充電するものである。
また、外部ACによる充電は、家庭用の100V電源から充電するものである。
更に、ルーフにソーラーパネルを取り付け、太陽光により発電し、サブバッテリーを充電するものもある。
サブバッテリーが搭載されている場合、走行充電システムは一般的に装備されている場合が多いが、外部AC入力はオプションの場合もある。
サブバッテリーはメインバッテリーのバッテリー上がりを気にすることなく家電品を使用することができるため、快適なキャンピングカー生活には欠かせないものであるが、電子レンジや家庭用エアコンなど大容量の家電品を動作させるためサブバッテリーを2個以上搭載している例もある。
サブバッテリーに使用されるのは、主にディープサイクルバッテリーと呼ばれる種類のバッテリーだが、重量や経年劣化の弱点があり、通常2~3年で交換が必要となる。
これを解決するリチウムイオンバッテリーが発売され始め、将来は一般的になると考えられる。



GLパッケージ
ハイエースDXグレードに装着して外観の見栄えを良くするオプション。カラードバンパー、メッキフロントグリル、リモコンドアミラー、プライバシーガラス、リアコンビネーションランプ、メッキバックドアガーニッシュ、フルホイールキャップ、リアホイールハウスカバーなどが含まれる。

DX、GLパッケージ等の比較は基礎知識のベース車のページを参照。

 GLパッケージを装着したハイエース



CTEK(シーテック)
スウェーデンの電装パーツメーカー。キャンピングカーでは走行充電の充電制御システムとして知られている。メインバッテリーの走行充電はクルマのオルタネーターによる発電で行われるが、これを使用してサブバッテリーの充電を行う場合、そのままでは十分な電圧が得られない。そのためサブバッテリーをフル充電するためには、外部100Vによる充電が必要だった。CTEKによる充電は、昇圧してサブバッテリーを充電することにより、サブバッテリーをより効率よく充電することができる。

なお、CTEK D250SE単独では充電電流が20Aまでだが、CTEK SMARTPASS 120Sを併用すると、140Aまで対応できるようになる。詳しくはCTEKのサイトを参照。

 CTEKの走行充電システム


シェル
キャブコンで、居住部として作成された独立したスペース。あるいは、ピックアップキャビンで居住部として積載する部分。貝の殻のようにシャシーに載せて使用するためシェルと言われる。従来はFRPで作られているものが多かったが、最近では軽量化、ペイントのしやすさでアルミ製のものが増えつつある。

 FRPコンポジットパネルのシェルを架装したクレソンジャーニーType-X(ナッツRV)


自立型キャンピングカー
キャンピングカーの電気を、外部電源に頼らないで、自己完結しようとする電装システムを搭載したキャンピングカー。最も一般的な方法は発電機を搭載することが考えられる。

ただ、現在は大容量のリチウムイオンバッテリーが可能になり、大出力のソーラーシステムや高効率の走行充電システムが可能になったため、発電機の需要は減少している。

しかしそれでも、家庭用エアコンの普及などで消費電力も増えているため、天候に左右されるソーラーシステムやアイドリングや走行が必要な充電では電気不足に陥る可能性もあるため、発電機の搭載が想定されたモデルもある。

 発電機を搭載したキャンパーアシストの「リチ


車中泊
クルマの中で寝ること。単に仕事の合間の仮眠ではなく、一夜の睡眠をとる場合を指す。キャンピングカーのようにフラットなベッドが無く、運転席や助手席を目いっぱいリクライニングして寝る場合も車中泊となる。広い意味ではキャンピングカーのベッドで就寝する場合も車中泊となるが、上記のように一般の乗用車やミニバンで就寝する場合に限定する場合もある。

キャンピングカーでは、「車中泊車」と銘打ってアピールする場合があるが、多くの場合、ベッドを中心にした簡単な装備のバンコンが多く、ギャレーが付いたバンコンやキャブコンを車中泊車と呼ぶことはない。

車中泊は安価に旅行する目的で始まったが、災害で一時的に自家用車に寝泊まりする場合や諸所の事情で車内で寝る場合もそう呼ばれる。


常設ベッド
ダイネットなどをベッド展開することにより、作り出されるベッドに対し、常に就寝専用のスペースとしているベッド。ダイネットなどを展開するベッドの場合は、スペースを有効に使用できるメリットがあるが、就寝前にベッド展開しなければならず面倒だ。
常設ベッドの場合は、ダイネットをそのままにしてすぐに就寝することが可能で、布団などの寝具も常設しておくことができる。また、マットレスも就寝専用に考えることができるので、寝心地の向上も期待できる。
常設ベッドの形態としては、後部に設置されるハイマウントベッドや、2段ベッドがある。バンクベッドはベッドボードを移動して延長する必要があるが、常にベッドスペースとして確保されていることから、準常設ベッドと言える。
なお、ダイネットを常にベッド状態にして使用している場合は、常設ベッドとは言わない。当サイトでは、ベッド状態にするために特別な作業が不要で、ベッド状態にした時他の機能が失われないものを常設ベッドとしている。

 レム フォレスト(キャンパー鹿児島)の常設ハイマウントダブルベッド


シンク
流しのこと。ギャレーコンソールが設置されているキャンピングカーでは、その一部としてシンクが付いており、水を使いことができる。大型のギャレーコンソールの場合はシンクも大型のものが設置でき、本格的な調理ができる。多くの場合、ギャレーコンソールの下には給水タンクと排水タンクが置かれており、給水タンクからポンプで吸い上げられた水は蛇口から出てシンクに落ち、排水タンクに流れる。

シンクと下に収納された給排水タンク


シャワー
キャンピングカーでのシャワー設備は、欧米のキャンピングカー(モーターホーム)では、長期滞在を前提としているので、付いているのがあたりまえだが、日本ではどちらかというと少数派。これは日本では各地に温泉や日帰り入浴施設があり、キャンピングカー内にスペースを犠牲にして設置する必要性が薄いためと思われる。
また、温水ボイラーや防水ルームなどコスト面でも高価になってしまうことも大きな理由だ。
国産キャンピングカーで温水シャワー設備を求めると、どうしても一定の大きさ以上のキャブコン以上になってしまうが、防水加工されたユニットを積載し、温水シャワーが使えるバンコンも数少ないが存在する。
なお、ギャレーのシャワーフォーセットを車外に引き出せるようにしたモデルは多くあり、海水浴後のシャワーやペットの足を洗うなどの用途として使われている。

 温水シャワールームがついたキャラバンイゾラ(レクビィ)


乗用車ベースキャンピングカー
基礎知識の乗用車ベースキャンピングカーの項参照


スーパーGL
ハイエース標準ボディ等準ルーフに設定された最上級グレード。ハイエースをミニバンのように使用するユーザーに向けて外観や装備面で上級化を図っている。スーパーGLでしか選択できないボディカラーの設置などはその一環。

スーパーGLとその他のグレードの詳しい比較は基礎知識のキャンピングカーのベース車ハイエースの項を参照。

スイベルシート
フロントシート(運転席、助手席のシート)で、回転して後ろ向きに固定できる機構を持つシート。多くは後ろ向きになったシートと2列目の前向きシートで対座ダイネットを形成する。これにより、通常、停泊時はデッドスペースとなるフロントシート部を有効活用でき、そのため後部のスペースを広くとることができる。

フィアットのデュカトベースの輸入キャンピングカーでは、ベース車自体にこの機構が装備されているため、ほとんどのモデルで標準装備されている。日本車では多くの場合オプションとなっている。

スイベルシートは先のようなメリットがあるが、回転する場合、作業するスペースが必要となり、車外で作業する方がやりやすい。しかし雨が降っていたりすると車内で作業することになり、コンパクトなモデルでは労力を必要とする場合がある。

 ホワイトハウスのエスコートのスイベルシート

スタンダードキャブコン
ボンゴやタウンエース/ライトエース、あるいはNV200をベースにしたキャブコンはライトキャブコンと言われているが、カムロードやビーカム、あるいはハイエースを使用したキャブコンをこれらライトキャブコンと区別する意味で、当サイトではスタンダードキャブコンとしている。

なお、軽トラックをベースにしたものは軽キャブコンと分類している。
また、海外ではセミコンバージョンとかクラスCと呼ばれることが多いが、本書ではこれらを輸入キャブコンとしている。
基礎知識のキャブコンの項参照。

 バンテックのジル520クルーズ


スライドアウト
キャンピングカーの停泊時の室内を広くするため、壁面の一部が外側へ張り出す機構のこと。欧米モデルに多く、特に大型車では装備している割合が多い。しかし最近では比較的小型車でも装備するモデルが発売されつつある。国産モデルではコイズミの「かるキャン」が軽キャンパーでスライドアウトを採用し、注目を集めた。

 スライドアウトを持つコンパクトキャブコン かーいんてりあ高橋のネオユーロスライドアウト

成形シート
主にマルチモードシートで、座面を窪ませ、座り心地とホールド性を持たせたシートを言う。窪んだ面の裏側はフラットな面になっているので、ベッドモードに展開する場合はフラットなベッドになる。

 オーエムシーのツアーズワイドSGLに搭載されたREVO成形シート



セミインテグレーテッド
欧州モーターホームの分類名。
エンジンの付いたシャシーに架装する形態をインテグレーテッド、あるいはフルインテグレーテッドと呼ぶのに対し、キャブ部を残したシャシーに架装する形態を言う。
ただし、その中でもバンクを持たないロープロファイルのボディを持ったものに限っている場合が多く、バンクを持つ形態はアルコベンと呼んでいる。
日本ではキャブコンに相当する。
米国では、アルコベンがクラスCに相当し、セミインテグレーテッドはクラスBに分類される場合がある。
セミインテグレーテッドの特徴は、キャブ部は車両メーカーのベース車をそのまま使うため製作する必要がなく、コスト的に有利なこと。
ウイークポイントはフルインテグレーテッドよりもスペース効率が良くないので、同じ車長なら多少車内が狭いこと。
そのため、セミインテグレーテッドはカップル向きのレイアウトが多く、ファミリー向けはフルインテグレーテッドの場合が多い。
下は左がデスレフのグローブバス、右がバーストナーのクルーザーコンフォートライン。
どちらもフィアットデュカトとベース車に使用している。

 デスレフのグローブバスアクティブT2


セミフルコン
キャンピングカーのカテゴリーで、マイクロバスをボディカットし、後部にシェルを搭載したものを総称した分類名で、国産モデルでのみ使用されている。
従来はバスコンに分類されていたが、マイクロバスをそのまま、あるいは窓埋めして使用する架装方法と区別するため、この名称を使うことになった。
国産のキャンピングカーとしてはフラグシップにあたる架装形態で、価格も高価なため、需要の関係からあまり多くのモデルは発売されていない。
しかし、その広い室内と豪華な装備は、輸入車にも対抗できるものである。
写真下左はリエッセⅡをベース車にしたRVビックフットのACSオアシス、右はシビリアンをベースにしたフィールドライフのルーツ。
基礎知識のセミフルコンの項参照。

 RVビックフットのACSオアシス5.9


セワホース
「sewer hose」だが、「sewer」とは下水管の意味。キャンピングカーのトイレの汚物や洗顔などに使用した水はそれぞれブラックタンクやグレータンクに溜まるが、これらをダンプステーションに流すためのホース。オートキャンプ場にダンプステーションがある場合や、自宅の下水溝に流し時に使用する。


ソーラーシステム
太陽光発電でキャンピングカーの電力を賄うシステム。
多くはソーラー発電パネルをキャンピングカーのルーフに取り付け、発電された電力をサブバッテリーに蓄電するシステムのことを言う。
一般的にキャンピングカーのルーフはフラットで比較的広いため、効率の良い発電ができる。
ハイエースクラスで100W~200W、スタンダードキャブコンクラスで200W~300W程度のソーラーパネルを装着しているモデルが多い。
取り付けはDIYでもできるが、モデルによってはソーラーパネルの取り付けを前提にデザインされたモデルも有り、パネルが直接見えないスマートな外観を持つ。
また、パネルの底面の温度が上がると発電効果が低下するため、専用にデザインされた場合は、通風を考えたデザインとされている場合が多い


走行充電
走行中に自動車のオルタネーターで作られた電気をサブバッテリーに充電するシステムのこと。リレー式など原始的な方法もあるが、通常は走行充電器(アイソレーターとも言う)がこの役割を担っている。サブバッテリーの充電量が減っていると走行時にオルタネーターから自動的に充電される。ただし、メインバッテリーへの充電が優先され、メインバッテリーの充電が終了すると自動的にサブバッテリーへの充電が開始されるので、常にサブバッテリーが充電されているわけではない。また、最近のクルマのオルタネーターの電圧は、低めに抑えられているため、サブバッテリーを満充電することができない場合がある。従って、走行充電だけでサブバッテリーを満充電することは一般的には難しい。そのため最近では、オルタネーターの電圧を昇圧してサブバッテリーを充電するCTEKシステムや、ナッツRVの「EVOLUTIONシステム」のように、独自の電装系により、4~5時間の走行(あるいはアイドリング)で、3〜4個のバッテリーをほぼ満充電にできるシステムが開発されている。




ダイネット
主に食事をしたり寛いだりするダイニングスペース。レイアウトにより異なるが、テーブルを中心に対座できるようにシートが配置されている場合が多い。シートの配置により、二の字型、コの字型、L字型などと呼ぶ場合がある。また、デザイン性を重視したラウンジ形状を持つものもある。スペース効率を高めるため、2列目シートを、走行時は前方方向に、ダイネット構成時は後ろ向きにセットできるようにFASPシートを採用しているケースも一般的である。また、ダイネットはシートをフラットにセットすることでベッドに展開できるよう考えられているケースがほとんどである。

 Alen Type1(エートゥーゼット)のダイネット

タウンエース
トヨタの商用車で、トラックとバンがラインアップされる。
ライトエースは販売ルートの違いによる姉妹車。
エンジンは1.5Lで97ps/6,000rpmの出力。
ミッションは5MTと4AT、駆動方式は2WDと4WDを選択できる。
キャンピングカーにはトラックを使用したライトキャブコンとバンを使用したバンコンが各社から発売されている。
基礎知識のタウンエース/ライトエースの項参照


縦置き2段ベッド
キャンピングカーで2段ベッドが設置される場合、最後部に横置きにするケースが多いが、車両の室内幅の制限でベッド長を十分に取れない場合がある。
そのため、縦置きに設置する場合があるが、ベッド長を十分に取れる反面、前部のダイネットなどに制限が出る場合もある。


 カントリークラブ(レクビィ)の縦置き2段ベッド


多目的ルーム
トイレルームや収納庫として使用するための隔離された小部屋。マルチルームやフリールームと呼ばれることもあるが、当サイトでは多目的ルーム、またはユーティリティールームとしている。
キャブコンや比較的空間に余裕のあるバンコンに装備されるが、日本ではトイレが各所にあるため、あえてユーティリティルームを持たないレイアウトも多く存在する。人が入れる程度の大きさを持ち、クローゼットとは分けて考えられる。
シャワールームが付いたキャンピングカーでは、防水処理のためFRPで作られている場合もある。
キャブコンや一部のバンコンでは最初からカセットトイレを設置してトイレルームとしている場合があり、また輸入モーターホームや一部の高級キャブコンでは、カセットトイレの他に温水シャワー設備や専用手洗いを装備している場合もある。
ただし下の写真のように、国産モデルでは多目的ルームを自由に使えるよう、スペースだけ用意しているモデルも多数存在する。

 ヴォーンエクスクルーシブR2Bの多目的ルーム



ダンプステーション
キャンピングカーのカセットトイレなどに溜まった汚物を捨てる場所、あるいは設備。欧米のキャンプ場では通常設置されており、手間なく汚物処理できるが、国内ではオートキャンプ場でも設置しているところは極めて限られる。
海外のダンプステーションでは、ホースを接続すると、モーターホームのトイレと直結できるダンプステーションも一般的。

 北米の一般的なダンプステーション

 

ちゃぶ台スタイル
フラットフロア上で、日本古来の四本脚の食事用座卓を使うダイネットのスタイル、あるいはダイネットでの寛ぐスタイル。テーブルは一般的に脚が折り畳みができるものが多い。
キャンピングカーではシートに着座してテーブルを囲むダイネットが多いが、結局はベッド展開が面倒で、ベッド展開したままダイネットとして寛ぐユーザーが多い。また軽キャンパーでは、最初からフラットフロア上で寛ぐことが想定されている。
この場合、ホームセンターなどで売っている折りたたみテーブルを使うと、テーブルの場所も自由に設定でき、折りたたんでしまえば邪魔にならない。
なお、「お座敷スタイル」と称される場合もあるが、キャンピングカーでのそれはお座敷にはほど遠いため、当サイトでは「ちゃぶ台スタイル」としている。



DXグレード
ハイエースやNV350キャラバンのベースグレード。DXはデラックスの略。これらのクルマは商用車カテゴリーで、ビジネスで使用する場合は外装や内装をできるだけシンプルにしたり、汚れることを前提にした使い方が想定される。

そのため、バンパーは黒い樹脂素材のままであったり、ミラーやグリルはメッキを施されていなかったり、あるいはフロントシートは3人掛けであったりする。

しかし個人で使用するキャンピングカーでは、少なくとも外観は見栄えを良くするため、カラードバンパーやメッキミラーなどをパッケージしたGLパッケージ、キャラバンではEXパッケージが用意されており、DXグレードを選ぶ場合は多くの場合これを選択する。

なお、キャンピングカーではキャンパー特装車や特設車がメーカーによって用意されており、この場合は最初からこれらの装備が付いている。ただしハイエースの場合は特装車に自動ブレーキが付かないため、ビルダーによってはDXグレードが用意されている場合がある。

DXグレード、GLパッケージ、キャンパー特装などの比較は、基礎知識のバンコンのベース車ハイエースの項を参照。

 ハイエースのDXグレード


ディープサイクルバッテリー
現在キャンピングカーのサブバッテリーとして使用されている、最も一般的なバッテリー。
キャンピングカーのサブバッテリーは主に室内に置かれるため、ガスが発生する一般的なエンジン始動用のメインバッテリーは使用できない。
そのため、完全にシールドされ、メンテナンスフリーのディープサイクルバッテリーが、主にサブバッテリーとして使用されている。
また、ディープサイクルバッテリーは過放電に対し強く、居住用として電気を使い切ってしまうような使い方をされるサブバッテリーに適している。
しかし、ディープサイクルバッテリーは重量が重い点、充放電回数により劣化する点、経年劣化により数年で交換する必要がある点などにより、将来はリチウムイオンバッテリーにとって代わられると考えられている。


電子レンジ
その手軽さから電子レンジを搭載できるキャンピングカーが増えているが、大電力を必要とするため、サブバッテリーはある程度大きいものや、1500W程度の大容量インバーターが必要になる。

もちろん外部100ボルト電源が使用できる場合は、そのブレーカー容量内なら電気容量の心配なく使える。なお、軽キャンパーには12V仕様の電子レンジが使われることが多いが、100Vのものより時間がかかる。

電子レンジが標準装備されていてもインバーターがオプションでこれを装備しない場合、その電子レンジは外部100V電源があるところしか使えないので注意が必要。

 ミニチュアクルーズ(岡モータース)に搭載された12V仕様の電子レンジ


トイレ
キャンピングカーで用いるトイレはカセットトイレ、ポータブルトイレそしてマリントイレがある。カセットトイレは便器が床に固定されており、汚物タンクは車外から取り出せるようになっている。キャブコンなどタンクを車外から取り出す扉を設置しやすい場合は、カセットトイレが扱いやすい。

ポータブルトイレは便器とタンクが一体になっており、タンクのみ引き出して処理することができる。小型であり、設置工事も不要なので普及している。キャブコンではカセットトイレが比較的普及しており、ハイエースなどのバンコンではポータブルトイレが多いといえる。マリントイレは、ヨットや小型船舶に使用されているもので、本来は海水で流す。キャンピングカーで使用する場合は、タンクに溜める。

トイレの必要性は各論あるが、寒い夜や雨の日に車外のトイレに行くのは費用に億劫なものだ。また不衛生なトイレやキャンプ場での遠いトイレも同様。特に年配のユーザーや女性の場合は車内のトイレは必需品と言っても過言ではない。

 リバティ52DBのトイレ

トルマコンビ(Truma Combi)
ドイツのトルマ社の製品で、ヒーターとボイラーが一体になった自動車用パーツ。コンビシリーズは多くのキャンピングカーに使用されており、スタンダードな存在となっている。プロパンガスやブタンガスを燃料とする。シリーズにはコンビ4、コンビ6等があるが、違いはヒーターの能力。コンビ4は2000/4000Wだが、コンビ6はこれらに加え6000Wモードが追加されている。
ボイラー能力は同じで10Lの貯湯ができる。15℃から60℃まで加熱するのに約20分かかるが、ヒーター兼用時は80分かかる。
プロパンガスボンベを前提にしたシステムだが、出先での充填が難しい日本の環境では使い難い面もあるため、軽油を燃料とするコンビD6を選択するケースが多くなっている。

BOOSTモードでは連続して給湯できるが、このモードではヒーターを同時に使うことができない。

日本ではレクビィのシャングリラなどのようにラジエーターの排熱を使う熱交換式や、最近ではダイレクトカーズのトリップやアネックスのリバティ52シリーズのように、瞬間湯沸かしができるボイラーを搭載するモデルも出てきている。


トラベルトレーラー
キャンピングトレーラー、あるいはキャンピングカーの話題と分かっている場合は単にトレーラーという場合もある。
欧州ではキャラバン、北米ではトラベルトレーラーと呼ぶ場合が多い。
基礎知識のトラベルトレーラーの項参照


トランポ
トランスポーター(Transporter)の略で、バイクを積載できるクルマのこと。
キャンピングカーとは別に、バイク運搬専用に製作された車両もあるが、当サイトでは、キャンピングカーのカテゴリー(ベッドやダイネットが装備されているクルマ)で、かつバイクを積載することを想定しているモデルをトランポと呼んでいる。
なお、バイクではなく、自転車を車内に積載することを想定しているモデルも「トランポ的に使える」と表現している。




二段ベッド
常設ベッドとして据え付けられているもの、普段は収納されているが就寝時に跳ね上げてセットするもの、ベッド床板を渡して就寝時だけセットする簡易的なものの2種類がある。常設ベッドとして据え付けられている二段ベッドでは、車両長さ方向に就寝する場合と、車両幅方向に就寝する場合がある。一般的に車両長さ方向に据え付ける場合は長さに余裕があるため、本格的な二段ベッドが多い。

車両幅方向に据付けられる場合は車両の最後部に設置されるケースが多い。車両長さ方向に据え付けられている場合は、多くの場合上段は展開して下段の背もたれにできるので、ロングソファとしても使用できる。車両後部に設置される車幅方向の二段ベッドでは、子供用に割り切っている場合もある。

二段ベッドは車内の高さ方向を有効利用できるため、家族が多い場合などには便利であるが、カップルで利用する場合でも常設ベッドとして設置して置くことにより、ダイネットを展開してベッドにする手間が省ける。一方跳ね上げ式二段ベッドは就寝時にベッドをセットする必要があるが、多くの場合ベッドボードのロックをはずして設置するだけなので、手間は少ない。ただし、収納する関係上、ベッドサイズは比較的小さい場合が多い。就寝時だけセットする簡易的な二段ベッドは、ベッドを設置していない場合、空間が広く使えるが、就寝前にベッドを設置する手間がいる。車幅方向にベッド板を渡す方式が多いが、プルダウンするものもある。

  クレア5.3X Evolutionの2段ベッド




ハイエース
トヨタが生産するワンボックスカー。バンコン、あるいはキャブコンのベース車として多く使われている。ハイエースには全長、前幅、全高によって大きく4種類のボディサイズがラインアップされているが、中でも最大のサイズであるスーパーロングはキャブコンに迫る広さを誇る。現在のハイエースは200系と呼ばれ第2世代のものである。更に詳しくは、基礎知識のハイエースの項を参照。



Hyper Evolution(ハイパーエボリューション)システム
Evolutionシステム


ハイマウントベッド
キャンピングカーで言うハイマウントベッドは、ダイネットを展開したベッドなどフロアレベルのベッドに対して、高い位置にあるベッドのことを指す場合が多い。
ハイエースバンコンでは、後部に設置するレイアウトが多く、ハイマウントベッドの下は広い収納庫として使用できる。また、ベッドを取り外すと大きい荷物を載せることも可能というメリットもある。
多くの場合常設ベッドとして使用されるが二段ベッドのように上下に就寝するのではなく、並んで就寝するので広い床面積を占有する。カップル仕様のバンコンに多く見られる。簡易的に設置できるハイマウントベッドを持つキャンピングカーもあり、この場合は設置時にギャレーなどの設備が使用できなくなる場合もある。

 バーデン(トイファクトリー)のハイマウントダブルベッド

バスコン
基礎知識のバスコンの項参照

バタフライシート
キャンピングカーによく使われているマルチモードシートと異なり、座面と背面が合わさって真上に立つようにできるシート。これによりコンパクトに折りたたむことができる。一般的にレールとともに設置され、前部にスライドさせると、後部に広い荷室スペースが生まれる。主にバイクや自転車を積載するため、トランポ的な使い方を想定しているモデルに使用される。
もちろん、前向き、後ろ向き、フラットにもなり、ダイネットシートやベッドとしても使用できる。ただし、シートの座面とベッド面が同じ面になるため、シートとしてのホールド性とベッド時のフラット性が両立できない欠点がある。

 ディアリオ(バンテック新潟)に使用されているバタフライシート


発電機
キャンピングカーで発電機を搭載する場合は、ホンダEU18iヤマハEF1600iSといったポータブル発電機が使用される。ガソリンで作動するものが一般的だが、最近ではガスボンベで作動するものや燃料電池式のものも発売されている。
発電機があるとサブバッテリーの電気切れを心配する必要がなくなるが、動作音が周りに対して騒音となる場合があるため、静かな環境では使用を控える必要がある。消音ボックスなどである程度低騒音にできる。

 テッツRVのスーパーエースに装備されたホンダ16i発電機

バンク
キャンピングカーで運転席の前に張り出した部分。内部がベッドになっているものをバンクベッドと言う。
最近では見た目がスマートなバンクレスキャブコンが増えている。海外では、既にバンクレスの方が主流となっている。

 アンセイエ(MYSミスティック)のバンクベッド


バンコン
基礎知識のバンコンの項参照


バンライフ
文字通りバンで生活するライフスタイル。好きな時に好きな場所に行き、生活の時間や場所を縛られたくないという考え方を実践したもの。車中泊という言葉もあるが、バンライフは更に本格的に車内で生活し、また期間も長いイメージがある。もちろん明確な定義は無いが、一般的には車内で仕事もし、収入を得ることまで含まれている。

このようなライフスタイルはもちろんキャブコンやモーターホームのような大型車でも可能だが、イメージ的にはコンパクトなバンでベッドや簡単な調理設備が付いた、いわゆるバンコンが主流となっている。
ただし、特に日本では長期間停泊したり、安価に駐車できる場所は限られている。バンライファ―(バンライフをする人)が増えることによって、道の駅などでの新たなトラブルも心配される。


PVC家具
PVCとはPolyvinyl chloride (ポリビニールクロライド:塩化ビニル)のこと。合板に木目模様などのPVCシートを貼って疑似的な木材感を表現する。軽量化、耐久性、撥水性、低コスト化が図れるため、キャンピングカーの家具によく使われる。
一方でより高級感を追及して、無垢の木の感触を前面に出す場合もある。どちらが良いというものではないが、キャンピングカーの軽量化は動力性能や燃費、あるいは積載重量にも関連する重要な要素のため、有用な手段ではある。

 PVC家具を使用したクレソンジャーニー5.0W(ナッツRV)のインテリア


ビーカム
いすゞエルフをベースに、キャンピングカー専用に開発されたキャブコン用シャシー。
カムロード一色と言われた日本のスタンダードキャブコンのベース車に新たな選択肢を提供した。
スムーサーEXと名付けられたミッションは、マニュアルながらオートマチックミッションのような運転ができる。
また、後輪はダブルタイヤになっているほか、後輪のリーフスプリングを1枚にして乗り心地を向上させている。
更に、フルオートエアコンやイモビライザー、助手席エアバッグの追加など、快適、安全装備も追加している。
ビルダーではエートゥゼットがアラモとアルビオンシリーズに採用していた。現在は日本特殊ボディ(NTB)がSAKURA他で採用している。



冷え蔵
stage21が開発した簡易クーラーシステム。送風部と保温ケースの冷却部で構成され、冷却部には氷を入れ、ここに空気を循環させて送風部のファンから排出する。家庭用エアコンのように昼間でも強力に冷却できるわけではないが、夜間就寝前に車内の温度を下げることができる。同社では、「軽サイズの室内を-3度~-5度、3時間冷やすことができる」としている。消費電力が少ないので、小型のサブバッテリーでも使用でき、軽キャンパーやコンパクトバンコンに適している。



ピックアップキャビン
基礎知識のトラックキャンパー(ピックアップキャビン)の項参照


FASP(ファスプ)シート
イタリアのFASP社製のマルチモードシートのこと。前向き、後ろ向き、フラットに形状を変えることができる。更には横方向のスライドも可能で、自由度が高い。
キャンピングカーのシートは座り心地と寝心地を両立する必要があり、これはしばしば相反する。FASPシートはこれをうまく両立させているうえ、自由度の高い形状によって日本のキャンピングカーシートの定番になっている。ただし、最近では国産のREVOシートを採用するビルダーも増えつつある。

 ラミータ(キャンピングカーオーゼット)のダイネットに採用されているFASPシート


フィフスホイールトレーラー(Fifth Wheel Trailler)
小型のトレーラーのようにヒッチメンバーによる連結ではなく、貨物用トレーラーのようなカプラーによる連結をするトレーラーのこと。
動力車側にあるカプラーに、トレーラー側のピン(キングピンと呼ばれる)をロックすることで連結する。
トラベルトレーラーでは、一般的に超大型トレーラーに使用される。
フィフスホイールの語源は馬車時代からある用語がそのまま使用されており、国内では、この連結装置を「第五輪」と称している。
国内では大きさの問題で登録台数は非常に少ないが、北米ではフルタイムRVer、即ち多くの時間をモーターホームで過ごす人々を中心にそれなりのマーケットがある。
なお、欧州では一般的ではない。
写真下はウィネベーゴ社のハーモニー。(ニートRVのHPより)


フォーセット
蛇口のこと。ギャレーで使用する蛇口でシャワーフォーセットと書いてある場合は、先端がシャワーヘッドになっていることを意味しており、多くの場合引き出して車外で使用できるようになっている。海水浴などで車内に入る前にシャワーを使いたいときは重宝する。

 二口コンロとシンク、フォーセットが一体になったコンビネーションシンク



二人旅仕様
二人旅仕様という仕様が定義されているわけではないが、キャンピングカービルダーがあえて二人旅を念頭に製作したレイアウト、または明らかに二人旅に向いているレイアウトを二人旅仕様という場合がある。

具体的には、ベッドが二人分しかない場合や、前向き着座するシートが運転席、助手席以外に無い場合がそれにあたる。もちろん横向き着座のシートでもドライブできるが、長距離ドライブにはお勧めできない。ただし、ベッドが二人分しかなくても前向き着座できるシートがあり、二人分のベッドしかなくても小さい子供なら両親と一緒に就寝することができる場合もある。

同じようなレイアウトでもビルダーによって二人旅向けと言うところもあれば、ファミリー向けと言うところもある。当サイトでは「二人旅に適したレイアウト」と表現している。

二人旅向けのレイアウトで良く使用されるベンチシートやソファの場合、前後の移動を妨げるマルチモードシートではないため前後の移動がスムースになり、ベッド展開も比較的楽になる。
二人旅がメインなら二人旅仕様車が理想だが、汎用性を重視する理由から二人旅仕様と銘打っているモデルはあまり多くない。

 ロングソファダイネットを持つRVビックフットのスイングN4.7


ふとん派
布団でないと寝た気がしない、というキャンピングカーユーザーのこと。車中泊での就寝時は、携帯性などから一般的にシュラフが良く使用されるが、特に年配ユーザーでは、こんなもので寝られるかというユーザーが多い。(と思われる)
これらのユーザーは布団や毛布を寝具とするが、ベッドをダイネットに戻したり、ルーフベッドを収納した場合、これらの寝具の置き場所が問題になる。そのため多くのユーザーはダイネットに戻さず、常設ベッド状態にして使っている。ふとん派のユーザーは常設ベッドやバンクベッドを持つモデルがお勧め。


フルインテグレーテッド
インテグレーテッド


フルコン
基礎知識のフルコンの項参照


フロアベッド
バンク部分に設置するバンクベッドや主に後部に設置し、ベッド下を収納部とするハイマウントベッドに対し、フロア部に設置するベッド形態。主にダイネットをベッド展開することによって、フロアベッドにする場合が多い。

 ビーチクルーザー(CRS)のフロアベッド


ブラックタンク
ポータブルトイレの汚物をためておくためのタンク。これに対し、洗顔などに使用した水をためておくところをグレータンクという。ブラックタンクにはあらかじめアクアケムグリーンなどの消臭剤を入れておくことにより、汚物を分解、消臭する。また、洗浄水にアクアリンスなどの洗浄剤を入れておくと、ブラックタンクが汚れにくくなる。



プルダウンベッド
通常は天井に収納しておき、使用する場合は引き下ろしてベッドとすることができる。フロアにベッドスペースを割く必要が無いため、フロアレイアウトの自由度が高くなるメリットがある。また、フロアベッドがある場合も就寝人数を確保することができる。
このようなメリットがあるが、天井高が低くなったり、設置のコスト面でのデメリットもある。国産車でプルダウンベッドを装備しているモデルはあまり多くないが、欧米車ではフルコンモデルを中心に普及している。高級車では電動で動作するのが一般的。また、プルダウンベッド部のルーフを多少高くして、寝具を乗せたままでも収納できるようにしたモデルも存在する。

 ゼフィーロ(ローラーチーム)のプルダウンベッド


ベッド
就寝するためのスペースだが、キャンピングカーの場合は、その設置場所や形態から、幾つかの呼び名がある。
・バンクベッド
・フロアベッド
・ハイマウントベッド
・2段ベッド
・ツインベッド
・アイランドベッド
・ルーフベッド
・プルダウンベッド
・ダイネット(展開)ベッド

キャンピングカーのカタログにはベッドの大きさが書かれているが、家庭用ベッドと比較すると分かりやすいので、以下に家庭用ベッドのサイズを記す。
・SSサイズベッド 幅850mm×長さ1950mm
・シングルベッド 幅970mm×長さ1950mm
・ワイドシングルベッド 幅1100mm×長さ1950mm
・シングルベッド ロングサイズ 幅970mm×長さ2050mm
・セミダブルベッド 幅1220mm×長さ1950mm
・セミダブルベッド ロングサイズ 幅1220mm×長さ2050mm
・ダブルベッド 幅1400mm×長さ1950mm
・ワイドダブルベッド 幅1540mm×長さ1950mm
・ダブルベッド ロングサイズ 幅1400mm×長さ2050mm
・クイーンベッド 幅1700mm×長さ1950mm
・クイーンベッド ロングサイズ 幅1700mm×長さ2050mm
・キングベッド 幅1940mm×長さ1950mm
・ワイドキングベッド 幅2200mm×長さ1950mm
・キングベッド ロングサイズ 幅1940mm×長さ2050mm

 オプティマプレミアムT65HFL(Hobby)のメインベッド


ベッド展開
キャンピングカーではスペース効率を上げるため、就寝するときにダイネットを展開してベッドにする場合が多い。これをベッド展開と言うが、就寝前に一仕事するのは苦痛なため敬遠される。特にマルチモードシートは複雑なため労力が大きく、中には車外に出て作業しなければならない場合もあり、雨が降ると苦労する。
そのためベッド展開は、できるだけ簡単に、小さな力でできるものが開発されているが、常時ベッドがあればその必要はない。また、ベッド展開が必要な場合は、ダイネットモード時に寝具を収納しておく場所が必要となる。そのためふとん派の場合は、ダイネット時にふとんの収納場所に困ることになる。


ベンチシート
キャンピングカーのシートで何人かが並んで着座できるシートをベンチシートという。これに対し、一人掛けのシートをキャプテンシートという。ベンチシートは多くのキャンピングカーレイアウトで使用されており、走行時の前向き着座、ダイネット時の後ろ向き着座、ベッド時のフルフラットと柔軟に形状を変更できることから2列目シートはFASPシートが使用されている場合が多い。また、ダイネットサイドなどに固定のベンチシートを置いて着座人数を増やすとともにベッド展開できるようにしている場合もある。

ポータブル電源
リチウムイオンバッテリーの進化と普及により、多くのメーカーからポータブル電源が発売されている。ポータブル電源と一般的なサブバッテリーの違いは、サブバッテリーがバッテリーのみなのに対し、ポータブル電源はバッテリー本体に加え、BMSやインバーター、コンセントなどの機能も内蔵していること。サブバッテリーは車外に持ち出せないのに対し、ポータブル電源は必要に応じてどこにでも持ち出せる。最近ではコンパクトなキャンピングカーを中心にポータブル電源をサブバッテリーとして使用するケースが増えてきた。その場合、ポータブル電源を車内のシステムにプラグインすることにより、室内灯や電装品、車内のコンセントが使えるようになる。プラグイン機能により走行充電も可能としているモデルもある。

 ECOFLOWのDELTA Pro


ポータブルトイレ
トイレの項を参照


防音性
キャンピングカーの防音性は、断熱性と同様、あるいはそれ以上に重要なものだが、断熱性ほど重視して語られることは少ない。高速道路のSA・PAや道の駅で車中泊をする場合、トラックの夜通しのアイドリング騒音で就寝できないことは多々ある。
特にSA・PAでは夜間一般車の駐車スペースにトラックが駐車することは日常の光景になっており、一般車の真横で騒音を発するトラックも多い。
このような場合に備え、キャンピングカーの防音性は近年高まっており、断熱性とともに防音性の向上が期待される。


ポップアップルーフ
停泊時にルーフを持ち上げ、室内高を高くすることができるようにしたルーフ形状。天井高が稼げないバンコンやコンパクトなキャブコンで多く用いられる。ポップアップルーフには前か後がポップアップする場合(写真下)と、ルーフ全体が持ち上がる場合(エレベーションルーフ)がある。

ポップアップルーフのメリットは
・室内高が高くなり、圧倒的な開放感が得られる
・スーパーの駐車場などの高さ制限があるところでも入っていける
・畳んでおくとノーマル車のように見え、目立たない
・ルーフベッドとして使用できる。

一方、ポップアップの短所は
・風や冷気に影響を受けやすい
・雨の後では乾燥させる必要があり、メンテナンスが必要
・道の駅やパーキングエリアでは、心理的にポップアップルーフを上げ難い

 エレベーションルーフを装着したDテントむし(バンショップミカミ)

ボンゴ
マツダが発売する商用車で、バンとトラックがある。キャンピングカーにはトラックがキャブコン用ベースシャシーとして使われており、ライトキャブコンとしてひとつのカテゴリーを築いている。ボンゴバンは一部バンコンとして使用されているが、モデル数は少ない。
エンジンは1.8Lガソリンのみで、102ps/5800rpmを発揮する。駆動方式は2WDと4WDが選べ、ミッションは2WD、4WDとも5MTと4ATが選択できる。
なお、2016年にマイナーチェンジを受け、ダブルタイヤからシングルタイヤに変更された。2020年には生産を終了するため、ボンゴベースのキャンピングカーも今後生産されなくなる。 ⇨ 基礎知識:ライトキャブコンのベース車



前向き乗車人数
乗用車やミニバンでは通常前向き乗車が普通だが、キャンピングカーでは横座りや後ろ向きに座る場合もある。これらを含めて「乗車人数」と表示されている。
しかし、商用車をベースにするキャンピングカーでは乗り心地が良いとは言えず、また長距離で乗車する場合は前向きに座ることをお勧めする。
そのため当サイトでは前向き乗車人数もできるだけ記述するようにしている。

なお、ハイエースのDXグレードでは運転席と助手席の間にもう1名座れるようになっている。(特装車や特設車ではここはコンソールボックスになっている。)キャンピングカーで使用する場合、中央のシートに人が座ることはほとんど無いため、当サイトの前向き乗車人数ではフロントシートには運転席と助手席のみとし、前向き乗車人数としている。


マリントイレ
トイレ


マルチモードシート
FASPやREVOというブランドのシートが有名で、前向き、後ろ向きにセットできる他、フラットにして、他のシートやベッドボードとともにベッドにすることもできる。特に決まった一般名称は無いが、当サイトでは一般名称としてマルチモードシートとしている。
シートの表面は凸凹がありシート時にホールド性に優れた形状を持ち、裏面はフラットでベッド時にフルフラットベッドになるようなシートも開発されている。
マルチモードシートは前向き乗車できるのでファミリー使用に向いているが、幅があるため前後の移動が難しくなるのと、ベッド展開が面倒という欠点がある。バンコンで二人旅が多いなら、横座りシートのレイアウトのほうが適している。


 クッチェッタカナート(ビークル)のマルチモードシート

マルチルーム
多目的ルーム


万年ベッドモード
常にダイネットを展開してベッドモードにしているキャンピングカーの使い方。バンコンに多い。一般的に就寝前にダイネットを展開してベッドにする作業は大変煩わしく、特にマルチモードシートを狭い車内で展開するのは少なからず労力がいる。

キャンピングカーを購入して最初の頃は毎日楽しんでしていたこの作業も、徐々にしなくなり、ついにはベッドモードにしたまま、ちゃぶ台スタイルで食事をしたり寛いだりするようになるユーザーが多い。

 コンパクトバカンチェス L MoMoのベッドモード



道の駅
国土交通省が管轄する、休憩と地域振興を目的とする施設。24時間自由に出入りでき、トイレや休憩場所も24時間利用できる。近年ではキャンピングカーや車中泊で利用するユーザーも増え、観光の拠点としても利用されている。
レストランはもちろん、温泉が併設されている道の駅もあり、国内におけるキャンピングカーや車中泊車には不可欠の存在となっている。しかし、車内泊や長時間の駐車は本来の目的とは異なるため、RVパークの併設も進んでいる。
また、テーブルを車外に出して食事をしたり、オーニングを広げたりするマナーの低下も見られ、そのためキャンピングカーお断りの道の駅も出始めている。


メインバッテリー
クルマのエンジンを始動させるためのバッテリーを指す。キャンピングカーではメインバッテリーに対しサブバッテリーを搭載することがあるため、あえてメインバッテリーと呼ぶ場合がある。
メインバッテリーはエンジンを始動するため、瞬時に大きな出力を要求される。また、充電時に水素ガスが発生するため、主に室内に設置されるサブバッテリーとして使用することは通常ない。また、過放電に対して著しく寿命を短くするため、居住用のサブバッテリーとして適していない。



ユーティリティールーム

⇨多目的ルーム

 レジストロ アウルのユーティリティールーム トイレルームにもなる


湯YOUパーク
旅館やホテルの駐車場でキャンピングカーユーザーが、自分のキャンピングカーで泊まれる施設。旅館やホテルの温泉が利用できる。
施設の一覧はこちら


輸入キャンピングカー
基礎知識の輸入キャンピングカーの項参照




ライトキャブコン
本来ライトキャブコンというカテゴリーは無いが、当サイトではキャブコンの中でも、ボンゴやライトエース/タウンエース、あるいはNV200バネットなど、軽キャブコンよりも大きく、スタンダードキャブコンより小型のものを区別した呼び名としている。
取り回しが良く、軽キャブコンより広い室内スペースを実現できるカテゴリーとして人気のあるカテゴリー。本格的なキャンピングカーの装備を実現しながら、価格的にも手ごろなところも人気の理由。

 マツダボンゴを使用したライトキャブコン:オートショップアズマのフィール


ラウンジシート
ダイネットのシートレイアウトで特にラウンジソファを設置したものをラウンジシートと言う。ダイネットの形状では、圧倒的に対座式ベンチシートが多いが、インテリア性に振ったレイアウトやカップル用のレイアウトで用いられることが多い。このタイプでは走行中の着座には向かない。

 ACSオアシスSH(RVビックフット)のラウンジソファダイネット


ラップポン
日本セイフティー株式会社が開発したポータブルトイレで、同社は「水を使わず、臭いも漏らさず、排泄物等を密封して微生物(細菌)も遮断する新しいラップシステム」としている。
水を使わず、熱圧着によって排泄物等を1回毎にラップ(個包装)して密封するため、後処理が楽で、災害用や介護用に利用されるが、近年ではキャンピングカーへの搭載も進んでいる。

 OMCのZEROに標準装備されたラップポン


リチウムイオンバッテリー
キャンピングカーのサブバッテリーとして現在一般的に使用されているのは、ディープサイクルバッテリーだが、これは容量低下、重量、充放電回数、経年劣化の問題がある。そこで、将来のサブバッテリーとして期待されているのがリチウムイオンバッテリーで、これは、
1 ディープサイクルバッテリーに比べて、実質的な容積が大きい
2 長寿命(ディープサイクルバッテリーの約10倍)
3 大電流を取り出せる
4 軽量化が図れる
5 急速充電可能
などのメリットがある。
現在は、ディープサイクルバッテリーに比べ高価なため、普及は一部に限られているが、自社ブランドで発売しているビルダーも現れている。一方安全面を理由に扱っていないビルダーもあり、ビルダーによって考え方が異なる。

リチウムイオンバッテリーにはリン酸鉄系と三元系がある。リン酸鉄系リチウムイオンバッテリーは熱暴走が起こりにくく安全性が高いため、キャンピングカーで一般的に使用されている。

一方、三元系リチウムイオンバッテリーは、NMC(ニッケル、マンガン、コバルトの3元素)を正極に使用しているバッテリーで、発熱量が少なく低温時の放電特性にも優れており、更に安全性を高め車載向けに改良されている。


ルーフエアコン
エアコン

ルーフベッド
ルーフ上に設けられたベッドスペース。ルーフベッドが可能なのはポップアップルーフ、あるいはハードルーフを架装した場合などがある。なお、キャブ上に出っ張り(バンク)を設けてその部分をベッドとして使用する場合は一般的にバンクベッドと言う。
ルーフベッドにより就寝人数を増やすことができる他、少人数ならダイネットを展開せずに就寝できるメリットがある。

 Cube2Roomのルーフベッド


冷蔵庫
キャンピングカーの冷蔵庫は容量、駆動方式、上開き式/横開き式で分類される。家庭用の冷蔵庫は電気で冷やすが、キャンピングカーの冷蔵庫はDC12V、AC100V あるいはLPガスを使用する。これら3種の駆動方式が全て使えるのが3ウェイ、電気のみが2ウェイ、DV12Vのみが1ウェイとなる。
LPガスを使用する3ウェイは電気を使わないためサブバッテリーを消費することは無いうえ、コンプレッサーが動作しないため静かであるというメリットがある。外部電源が取れたり、走行充電が頻繁に行える場合は1ウェイか2ウェイで問題ない。
ただし、サブバッテリーのみで使用する場合、電気の消費が大きいため、サブバッテリーの状態を気にしておく必要がある。容量はハイエースバンコンで40リッター程度、キャブコンで60リッターから100リッター程度が一般的。蓋の位置は上扉は冷気が逃げないというメリットがある。

 49リッターの冷蔵庫

REVOシート
前向き、後ろ向き、フラットとシート形状を自在に変更できるマルチモードシートで、キャンピングカーの2列目シートなどに使われる。日本のワークヴォックス社が生産するもので純国産シート。
従来この手のシートといえばイタリアのFASP社製のものが定番であったが、最近ではREVOシートを採用するビルダーも増えつつある。座面の表は座り心地に考慮した形状、裏はベッド用にフラットな形状とすることにより、キャンピングカーで求められる座り心地と寝心地を両立している。

 バースTYPEIII(キャンパー鹿児島)に採用されているREVOシート

 



(常時更新)