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シチュエーション別キャンピングカー選び 第14回
軽キャンパー以上ハイエース未満 ライトエースベースのバンコン


キャンピングカー選びで悩むことのひとつが車体サイズ。
ハイエースはちょっと大きすぎるし、軽キャンパーは狭すぎる、というもの。
そこで注目されているのが、ミドルサイズキャンパーである。
ミドルサイズキャンパーのベース車は、ライトエース/タウンエースやNV200バネット、あるいはボンゴ(あるいはその姉妹車)である。
このうちボンゴ(あるいはその姉妹車)ベースのモデルはキャブコンが多く、以前特集したので参考にして欲しい。
また、NV200バネットベースのバンコンも以前特集している。

今回取り上げるのはライトエース/タウンエースベースのバンコン。
車体サイズは、4,045x1,665x1,900mmで、NV200(4,400x1,695x1,850)と比べると全長が30Cm以上短いことが分かる。
しかし、荷室寸法はライトエース/タウンエースが2,045x1,495x1,305mmに対し、NV200は1,900x1,500x1,325mmで、わずかではあるがライトエース/タウンエースのほうが荷室長が長い。
これは、NV200はボンネットを持つのに対し、ライトエース/タウンエースは持たないことに起因しており、従って、取り回しもライトエース/タウンエースのほうが有利である。
ただ、逆にNV200はボンネットを持つことから運転感覚は乗用車に近く、運転し易いという面もある。

では、そのライトエース/タウンエースをベース車にしたバンコンをリストアップしてみる。

・ピコ キャンピングカー広島
・リゾート・デュオ ユーロ ステージ21
・ハナ/ハナ2 タコス
・ハナ イブ タコス
・シュピーレン フロットモビール
・ハーフ マリナRV
・コンパクトバカンチェスLリッツ リンエイプロダクト

このうち、シュピーレン、ハーフ、コンパクトバカンチェスLリッツはノーマルルーフだが、ピコ、リゾート・デュオ ユーロ、ハナ イブはポップアップルーフであり、ハナ2はハードルーフのハイルーフとなっている。

ピコ キャンピングカー広島
ピコは気軽なふたり旅を想定して企画されたライトエース/タウンエースのバンコン。
ふたり旅での必要十分な広さと装備、そして温泉街などの細い道でも運転し易いコンパクトなボディを併せ持っている。
ピコの特徴は、同社オリジナルの前開き式ポップアップルーフ。
これにより、走行時はオリジナルと同じ車高で、地下駐車場など高さ制限のある駐車場にも入れることができる。
また、停泊時にポップアップルーフを上げると、2150mmの天井高となり、広い室内空間ができる。
ルーフテント地は合成皮革ビニールレザーの布地を使用していることにより、高い防水性を持っており、雨の日でも安心してポップアップルーフを上げることができる。


レイアウトはロングソファとそれに対面したギャレーコンソールで構成される。
ロングソファは4名掛けで、シートベルトも人数分装備されているので、乗車定員は6名である。
もちろん、定員いっぱいで乗車すると窮屈だが、ロングソファに2名程度なら苦にならないだろう。
ただし、横座りなので、ロングドライブには適さない。
ふたり旅のコンセプトなのでこのあたりは仕方がないが、ファミリーでのちょっとしたドライブならもちろん可能である。


ピコのもう一つのアドバンテージは、ベッド展開のやり易さである。
同社特許の「ワンタッチスイングシート&ベッド」を採用したシートは、ワンタッチで背もたれが通路部分にセットされる構造。
それこそ、あっという間にベッド展開される。
毎日のベッドメーキングは面倒なものだが、これだとその苦労は最小限に抑えられる。
もちろん、テーブルに乗っている食器を片付け、テーブルを片付ける必要があるので、面倒ではあるが、ベッドセットが複雑だと本当に疲れるものである。
もっとも、ふたり旅であれば、ルーフベッドで就寝すればよいので、ダイネットのベッド展開は不要だ。
ルーフベッドは、2,270x1,000mmで、大人2名が就寝できる。
もちろん、ゆったり就寝したければ、ルーフベッドとフロアベッドで1名づつ寝るということもできる。


ギャレーコンソールにはシンクと14リッターのポータブル冷蔵庫をビルトイン。
給排水タンクも、内部に収納される。
コンソールの上蓋を閉めれば表面が面一になり、広いカウンターとして使える。



リゾート・デュオ ユーロ ステージ21
同社はアジアンリゾートのインテリアを取り入れた軽キャンパー、リゾート・デュオが有名だが、このリゾート・デュオ ユーロはライトエースをベース車に選択することにより、更に余裕のある室内空間を実現している。
リゾート・デュオ ユーロの特徴は、ポップアップルーフであるが、ルーフ全体がアップするエレベーションポップアップ式であること。
これにより、ルーフベッド時も圧迫感の無い室内となっている。


レイアウトは、ピコと似ており、ロングソファと対面するギャレーコンソールから構成される。
ロングソファには4名着座可能で、こちらも乗車定員は6名。
ダイネットを展開するフロアベッドとルーフベッドで、計4名が就寝可能である。


ギャレーコンソールには14リッターのポータブル冷蔵庫と丸型シンクが収まる。
また、電子レンジも標準装備される。
更に、ポルタポッティ―のポータブルトイレも標準装備で、コンソールに収まるが、残念ながら囲いが無いので、ふたり旅では使用するケースが少ないかもしれない。





ハナ/ハナ2 タコス
ハナ2は、先代のハナのレイアウトを多少変更したモデルで、サイドコンソールを奥行きを薄くし、その分フロアベッドを広げている。
このため、冷蔵庫は収納できない。
また、子供用ではあるがルーフベッドを無しにして、天井空間を広くしている。

先代と言っても従来のハナもラインアップに残っており、冷蔵庫や上部ベッドが必要なユーザーはこちらを選べるようになっている。
ハナ/ハナ2の特徴は、なんといってもハードハイルーフを架装したこと。
これにより、天井高が格段に高くなり、余裕のある室内を実現している。
ハードルーフは、ポップアップルーフのように下げることができないので、高さ制限のある駐車場に入れることはできないが、いちいちポップアップする手間が不要だし、雨や風の心配もない。
また、断熱性能も優れるので、車内環境は理想的である。


レイアウトはハナ/ハナ2とも2列目シートに3人掛け自在シートを採用、後部の横座りシートとそれに対面するギャレーコンソールから構成される。
ハナ/ハナ2とも2列目シートを前向きにすると、計5名が前向き乗車でドライブできる。
ただ、ハナ2の場合は就寝定員が2名なので、このシートを前向きにして使用するケースはあまりないか、日常の用途時となってしまう。
また、2列目シートのために運転席、助手席から後部への移動がし難いので、2名使用前提ならロングソファの方がよかったかもしれない。



2列目シートを後ろ向きにすると、テーブルを囲んでダイネットを形成する。
また、フラットにすると、フロアベッドになり、大人2名が就寝できる。
ハナの場合は、更にルーフベッドがあり、ここで子供2名が就寝できるので、ファミリーでも使用可能。


ハナのギャレーは奥行きがあり、ここにシンクと上開き40リッター冷蔵庫がビルトインされている。
また、各10リッターの給排水タンクも収納される。(写真下左)
ハナ2の場合は、薄型ギャレーコンソールを採用、その分ベッドを広げているが、冷蔵庫は搭載されない。(写真下右)



ハナ イブ タコス
ハナ イブは同社のハナシリーズのひとつであるが、ハナやハナ2と大きく異なるのが、ハードルーフの代わりにポップアップルーフを採用したこと。
ハードルーフは高さ制限のある駐車場に入れないという欠点があるため、その需要に応えたモデルである。

ポップアップルーフでのルーフベッドも装備されており、就寝定員は大人4〜5名と、ファミリーでも使用できる。


ハナ イブのもう一つの特徴は、ポップアップギャレー。
ギャレーが一部を残して折りたたまれ、側面に格納されてしまう。
ギャレーの無くなったフロアベッドは車幅いっぱいに使用でき、ゆったり就寝できるようになった。
レイアウトはハナ、ハナ2同様、2列目に3人掛け自在シートを配し、前向き時には全員が前向き乗車、後ろ向き時にはサイドソファとの組み合わせでダイネットを形成する。
ギャレーは、収納されない状態ではシンクが使えるが、収納された状態ではシャワーフォーセットのみとなり、車外での使用ができる。
冷蔵庫はさすがに収納することはできず、持ち込みのポータブル冷蔵庫を使用することになる。



シュピーレン フロットモビール
同社唯一のオリジナルモデルで、柔軟なカスタマイズができるのが強み。
スタンダードは、前向き単座シートとその横に2人掛け横座りシートを配したユニークなレイアウト。
後部にはギャレーコンソールと、その対面のロングソファが配置される。
従って、5名が乗車定員なので、日常使用では通常のミニバンのように使用できる。


単座シートは前向き、後ろ向き、フラットにできる自在シートで、後ろ向きにすると、すぐ前がギャレーになりアクセスが良い。
全てのシートをフラットにすると、ギャレーコンソール部を除き、フロアが全面がフロアベッドになり、大人2名が就寝できる。


ギャレーコンソールは、冷蔵庫が収納できるタイプとそうでないタイプを選択でき、収納しないタイプの場合は薄型になるので、より広いベッド面積を確保できる。(写真下右)
冷蔵庫が収納できるタイプのギャレーコンソールにはポータブル冷蔵庫が収納できるが、この部分がスペースを取るので、ベッドは足元が狭くなる。(写真下左)
一人で使用する場合は、ロングソファと2人掛けシートだけで一人分のベッドになるので、常設ベッド状態にしておくことができる。
カスタマイズが柔軟にできるので、電子レンジの設置なども可能。


ギャレーコンソールのシンクは、比較的コンパクトなもので、マグカップ程度を洗うのが限度。
皿や鍋は多少厳しいかもしれない。
なお、これもカスタマイズで、冷蔵庫のスペースに大き目のシンクを設置することも可能。

なお、上記のレイアウトの他に、2列目シートとして2人掛けの自在シートを選択することも可能。
4名で前向きに乗車できるので、通常のミニバンのように着座できる。(写真下)



ハーフ マリナRV
ハーフはタウンエース/ライトエースを使用したバンコンだが、装備をシンプルにしたハーフジャストやNV200バネットベースのハーフNV200も同社では製作している。
このハーフは、2列目に2人掛けの自在シートを持ち、後部はギャレーコンソールとそれに対面するロングシートが設置される。
2列目シートを前向きにセットすると、計4名が前向きに座ってドライブできるので、普段使いには通常のミニバンと同じように使用できる。


また3列目は簡易シートながら、2列目シートと対座してテーブルを挟むダイネットを形成する。


全てをフラットにすると、フロアベッドになり、大人2名が就寝できる。
ギャレーコンソールは薄型なので、ベッド時に大きく張り出すことはない。
ギャレーコンソールには、コンパクトなシンクが設置され、各10リットルの給排水タンクが収納されている。


サブバッテリーと充電システム、インバーターなどの伝送系はオプションになっており、必要に応じて装備できるようになっている。


コンパクトバカンチェスLリッツ リンエイプロダクト
バンコンでの充実したラインアップを持つ同社のライトエースをベース車にしたモデル。
ライトエース、NV200バネット、ボンゴをベース車にしたモデルを同社ではコンパクトバカンチェスというシリーズ名にしているが、「Lリッツ」のLはLiteAceを表している。
同社ではレイアウトのシリーズネームを設定しているが、「リッツ」は後部にベッドボードを渡し、上段ベッドを設置できるタイプ。

レイアウトは2列目に3名用自在シートを持ち、3列目の簡易シートと対座してダイネットを形成する。


2列目シートは前向きにもセットでき、この場合は、3名が、即ち計5名が前向き着座でドライブできる。
普段は通常のミニバン的に使い、車中泊はカップルで使用するといったシチュエーションに適している。
シートを全てフラットにするとフロアベッドになり、大人2名が就寝できる。
ギャレーコンソールなどは装備していないので、フロア全体がベッドになる。


後部ベッドボードは、2列目シートとお暗示高さにセットするとフロアベッドになるが、上段にセットすると、下に大きな荷物を積むことができる。
また、ボードを取り外してしまうと、広い荷室となり、かなり大きな荷物も積むことができる。
日常用途でベッドを使う必要が無い場合は、このようにミニバンと同様、日常の足として使用することができる。




まとめ
まず、ふたり旅で使用するなら、ピコかリゾートデュオユーロがお勧めだろう。
この2モデルは、2列目シートに自在シートをあえて持たせないで、ロングソファのダイネットとしている。
そのため、後部への移動が容易で、後部への動線もシンプルである。
また、ルーフベッドで2名が就寝できるので、ダイネットを展開することなく、すぐに就寝できる。
そして、ふたり旅使用にもう一つお勧めできるモデルが、シュピーレン。
これは、前向きの単座シートを持っているので、たまに孫を乗せるという場合など、このシートに前向きに着座させてことができる。
運転席、助手席からの移動にも、比較的容易だ。
ただし、ポップアップルーフは持たないので、就寝はダイネットを展開してフロアベッドとなる。
この場合、大人3名が就寝するのは窮屈なので、大人2名と、小さい子供という設定に限られるだろう。

次にファミリーで使用する場合は、ハナかハナ イブが理想的。
この2モデルは、ハードルーフかポップアップルーフを持つため、フロアベッドと合わせて4名がゆったり就寝できる。
もちろん、2列目シートは前向き乗車可能なので、全員が前向き着座でドライブでき、ロングドライブも問題ないだろう。
ハードルーフかポップアップルーフかは好みで選べばよいと思うが、ハードルーフの場合は、ルーフベッドで就寝できるのは子供のみとなる。
ゆったり就寝を重視するなら、ハナ イブの方が良いかもしれない。

子供が小さいファミリーなら、ハーフとコンパクトバカンチェスLリッツの選択も良い。
クルマ旅は二人だが、普段はミニバンのように家族で使うという使い方もできる。
そして、ポップアップルーフや架装が無い分、価格的にはかなり有利である。
ファミリーカーの延長としてキャンピングカーを考えているユーザーには、お手頃な選択だろう。






2015.02.13







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