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シチュエーション別キャンピングカー選び 第21回
常設2段ベッドを持つハイエース/NV350キャラバンベースバンコン


ハイエーススーパーロングベースのバンコンは、国産キャンピングカーの中では、最もモデル数が多いカテゴリーであるが、その中で常設2段ベッドを持つモデルとなると、そう多くは無い。

その理由は、大人が就寝できる2段ベッドを車内に置くとなると、縦置きが主流になるので、スペース効率があまり良くないためである。
ベッドスペースが前方にまで及び、前向き着座でドライブできるマルチモードシートが設置し難いため、ファミリーには向かないレイアウトになってしまう。

車幅方向にベッドを設置できると、スペース効率が良くなるのだが、ワイド幅のハイエースでもキャンピングカー仕様を満たせない。
そのため、リアウインドウにエクステンションボックスを架装する工法が開発され、ハイマウントダブルベッドを設置できるようになった。
現在では、このレイアウトを採用するモデルが多い。

しかし、ダブルベッドで就寝するのは、必ずしも快適とは言えない。
例えば、二人の就寝時間が異なる場合、先に寝ている人を起こさないようにベッドにもぐりこむのは大変だし、読書して就寝したいと思っても、照明が明るくもう一人が寝られないとか、いろいろと気を使わなければならない。

その点、プライベート性の高い2段ベッドなら、相手に気を使うことなく、自分の時間が楽しめる。
自分のペースで就寝したり、夜遅くまで読書したりしても問題ない。
また、就寝中に寝返りを打ったりしても、相手を起こしてしまうこともない。

特に長期旅では、これは非常に重要なことで、睡眠が十分に取れていないと、徐々に疲れが溜まってくる。
普段、家庭では別の布団やベッドで寝ている場合、キャンピングカーではダブルベッドになると、眠りが浅くなってしまうこともある。

そこで、今回は、常設2段ベッドを持つバンコンを特集する。
常設2段ベッドなので、ベッド展開時にギャレーやダイネットが使えなくなる、というモデルは含まれない。
以下が、セレクトしたモデル。

ハイエーススーパーロングベース
・リトルノアルカディア5.3 RVビックフット
・アクセント アルペジオ
・銀河 オーエムシー
・カーメルSLV オートショップアズマ
・バルミィ2007 大森自動車
・ブルームーン カトーモーター
・GT トイファクトリー
・ベッセルJ ビークル
・フォックスDi フジカーズジャパン
・キャビンUキャラ マリナRV
・スーパーロングバカンチェスふたりのくるま旅プライベート2 リンエイプロダクト
・カントリークラブ/ハイキング レクビィ
・ファイブスター レクビィ

ハイエースワイドロングベース
・リブ カトーモーター

ハイエース標準ボディハイルーフベース
・リトルノアルカディア4.7 RVビックフット

NV350キャラバンワイドスーパーロングベース
・GTキャラバン トイファクトリー
・グランベル ビークル
・ファイブスターCP レクビィ


リトルノアルカディア RVビックフット
同社はソーラーシステムと大容量バッテリーでオール電化を計るACSが有名だが、ACS以外でも多様なレイアウトのモデルを用意している。
その中でリトルノアルカディアは2段ベッドを持つタイプで、ハイエーススーパーロングの5.3と、標準ボディハイルーフの4.7がある。
特に4.7は標準ボディで2段ベッドを持つモデルとして他に類を見ない。
どちらもユーティリティールームまで装備するが、その秘密はスペース効率の良いソファダイネット。
対座シートではないが、二人旅に割切ったレイアウトで、4.7でも十分なゆったり感がある。
下は、左がスーパーロングの5.3、右が標準ボディの4.7。




アクセント アルペジオ
縦置き2段ベッドの横に2名対座のダイネットを置き、前部にギャレーを配置。
2段ベッドは、上段を跳ね上げるとロングソファとしても使用できる。
4名が前向き着座でき、対面ダイネットを展開すると3名が就寝できるが、カップルでの使用が似合う。
最後部には広いユーティリティールームを持ち、トイレルームや収納に便利。


銀河 オーエムシー
寝台列車をイメージしたという、同社のシンボル的なモデルのひとつで、クラシカルなインテリアが特徴。
前部にギャレー、縦置き2段ベッドの隣に2名対座のダイネットの構成。
上段ベッドを下ろすと、ロングソファの背もたれとなる。
最後部にはユーティリティールームを用意。
家庭用エアコンを装備することもできる。



カーメルSLV オートショップアズマ
2段ベッドは最後部に横置きされるが、バンコンでは珍しいタイプ。
横置きされるので、上段はエクステンションボックスで身長方向が拡張されているが、下段ベッドの身長方向の寸法は制限される。
しかし、スペース効率が良いので、前方には4名対座のダイネットが設置でき、2列目シートは前向きにもできる。
前向き着座でのドライブができるので、ファミリーでの使用も可能。



バルミィ2007 大森自動車
オフホワイトとムーディーな照明を基調にしたホテルのようなインテリアが特徴。
後部に縦置き2段ベッドと、その隣にギャレーを配置。
前部はフロントシートのシートバックを利用してリクライニングできるダイネットで、リラックッスできる。
カセットトイレと、独立した手洗いを装備したサニタリールームも秀逸。
おしゃれな二人旅に最適なモデルのひとつである。


ブルームーン カトーモーター
スライド式2段ベッドを採用。
上下段とも収納時600mm幅ながらスライドすると1100mmに拡張され、ゆったりしたベッドスペースを確保している。
前部にダイネットを配置、2列目の前向き固定シートとフロントシートのシートバックを利用した後ろ向きシートで対座ダイネットを形成する。
同社の特徴である天然木をふんだんに使用した室内は、高級感があり落ち着いた雰囲気。
最後部にはユーティリティールームを装備する。


GT/GTキャラバン トイファクトリー
最後部に横置きに2段ベッドを配置することによりスペース効率を上げ、前部にマルチモードシートの対座ダイネットを持つ。
2段ベッドの上段ベッドは、エクステンションボックスにより身長方向が拡張されている。
また、ユーティリティールームも設置されている。
NV350キャラバンでも用意されており、レイアウトコンセプトは同じながら、曲線を多用したインテリアなど、随所に特徴を出している。(写真下)
ファミリー向けのレイアウトとしているが、落ち着いたインテリアは2段ベッドを希望するふたり旅ユーザーにも十分受け入れられる。


ベッセルJ ビークル
縦置き2段ベッドを採用するタイプだが、下段の幅が拡張でき、上下段で3名が就寝できるのが特徴。
ベッド収納時、上段と下段拡張用のベッドボードは、下段ベッドを使用したロングソファの背もたれとして収納される。
2列目シートはマルチモードシートになっており、フロントシートのシートバックを利用した後ろ向きシートとで対座ダイネットを形成する。
2列目シートはフラットにすると子供用のベッドになる。


フォックスDi フジカーズジャパン
フォックスは同社の中核バンコンラインアップで、多くのレイアウトが用意されている。
その中のDiは唯一2段ベッドを装備するモデルで、縦置きの2段ベッドと、その横のギャレー、そして前部にダイネットの構成。
2段ベッドは上段の一部が下に折れ、下段ベッドを使用したソファの背もたれとして使用できる。
ダイネットは2列目のマルチモードシートを前向きにして、その前に細長いテーブルを立てるが、フラットにすると子供用ベッドになる。
最後部にはユーティリティールームを持ち、トイレルームなどとして使える。


キャビンUキャラ マリナRV
キャビンUシリーズは、同社のハイエースバンコンラインアップの中核をなすモデル群であるが、その中のキャラは2段ベッドを持つタイプ。
クローゼット、ユーティリティールームの有無でユニット、デュオ、トリオの3種類が用意されている。
2段ベッドは共通で、縦置きに設置され、ユーティリティールームの無いユニットとデュオでは、下段が通路まで拡幅できる。
下段ベッド下は引き出しになっている。
ダイネットは2列目シートを前向き固定とし、その前にテーブルを設置する。
トリオでは更にユーティリティールームを持つ。
西川ローズ製の高級ベッドマットや高級感のある家具が特徴。


スーパーロングバカンチェスふたりのくるま旅プライベート2 リンエイプロダクト
同社は数多くのレイアウトを持つハイエースバンコンをリリースしているが、ふたりのくるま旅シリーズは、高級感を持ったインテリアが特徴。
その中で「プライベート2」は縦置き2段ベッドを搭載したモデル。
このレイアウトのユニークなところは、後部左側に2段ベッドを置き、前部右側に2名対座ダイネットを置いているところ。
一人が就寝しても、もう一人がダイネットで寛いでいる場合、できるだけ音が伝わらないように、遠い位置に配置するという配慮である。
最後部にはクローゼットも装備している。


カントリークラブ/ハイキング レクビィ
同社は縦置き2段ベッドを持つモデルとして、ファイブスターとカントリークラブの2モデルを持つが、カントリークラブはどちらかと言うとふたり旅向けと言える。
カントリークラブは、縦置き2段ベッドの横に2人対座のダイネットを置き、前部にギャレーを配置する。
上段ベッドを下ろして下段ベッドの背もたれとすると、ロングソファになるが、常設ベッドとしておけば、ベッドメーク不要の快適なふたり旅空間となる。
最後部には、完全防水されたシャワールームがあり、オプションで温水シャワーも可能。
カントリークラブハイキングはハイルーフを架装し、高い天井高を誇る。


ファイブスター/CP レクビィ
同社のもう一つの縦置き2段ベッドモデルがファイブスター。
2列目シートをマルチモードシートとして前向き設置し、フロントシートのシートバックを利用した後ろ向きシートとで対座ダイネットを形成する。
2列目シートをフラットにすると子供用ベッドになる。
ベッドの横にギャレー、最後部に完全防水のシャワールームを持つ。
ハイエーススーパーハイルーフを使用した、ファイブスターハイキング、家庭用エアコンを搭載したファイブスターブリーズもある。
更にNV350キャラバンをベース車にしたファイブスターCPも用意されている。
レイアウトはファイブスターと同じだが、最後部のユーティリティールームが防水でないなど異なっている点もある。









リブ カトーモーター
唯一、ハイエースロングワイドボディで常設2段ベッドを持つモデルである。
高さ制限のある駐車場でも入っていける場合が多く、スーパーロングより取り回しが良いのが特徴。
リブの2段ベッドはブルームーンと同様、スライド式を採用している。
スライドして展開すると、上下段とも2名が就寝できる。
もちろんふたり旅で1名づつ就寝すると、家庭用セミダブルベッドに迫る幅のゆったり広い就寝スペースが得られる。
ダイネットは前部に置かれるが、フロントシートのシートバックを利用した対座式。
2列目シートはベッド展開できないが、2段ベッドで4名就寝できるのでファミリーでも問題ない。
ブルームーンと異なるのは、最後部のユーティリティールーム。
スーパーロングと比べて短い分、このスペースが省かれている。




グランベル ビークル
NV350キャラバンに縦置き2段ベッドを設置したモデル。
同社にはハイエーススーパーロングベースでも2段ベッドを搭載したベッセルJがあり、グランベルは大まかには同様のレイアウトであるが、細部が異なっている。
まず下段ベッドは1人用に割切り、その分、ユーティリティールームを独立性の高い作りとしている。
また、2段ベッドは完全な常設ベッドとし、ロングソファへの展開はできない。
しかし、現実的にはソファにしたりベッドにしたりするユーザーは多くなく、ほとんどがベッドのままになっている。
そう考えると、固定2段ベッドでも全く問題無いだろう。
2列目シートはマルチモードシートで、前向き着座でき、フラットにすると子供用ベッドになる。









2015.11.26




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