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リチウムバッテリーはサブバッテリーの本命になるか?(2)

7月5日/6日に行われた東京キャンピングカーショーでは、リチウムバッテリーを実際に搭載したキャンピングカーのニューモデルが何台か出品された。しかし、ビルダーやキャンピングカーの種類により、リチウムバッテリーの考え方、使い方に違いがある。前回はバンコンにリチウムバッテリーを搭載するキャンパー鹿児島のバンコン、インプラスをレポートしたが、今回はキャブコンにリチウムバッテリーを搭載するキャンピングワークスのオルビス・イオ スマートをレポートする。


インプラスでは、5,100Whという大容量のリチウムバッテリーを搭載することにより、できるだけ長期間の電気量を確保し、走行充電とソーラーシステムによって補足していくというコンセプトである。
大容量のリチウムバッテリーを搭載し、持てる電気量を増やし、更にソーラーシステムや走行充電で補給することにより、旅行期間を乗り切る考え方だ。
ただし、毎日ある程度走行したり、あるいは晴天でソーラー発電がフルに稼働するなら良いが、そうでない場合は、やはり、電気不足に陥る場合はあるだろう。
その場合は、電源サイトのある施設に立ち寄る必要がある。

発電機も搭載しているオルビス・イオ スマート
同じリチウムバッテリーを搭載していても、オルビス・イオ スマートのコンセプトは、多少異なる。
オルビス・イオ スマートには発電機も搭載されているのだ。
発電機が搭載されているなら、従来の鉛バッテリーでも良いような気がするが、そうではない。
オルビス・イオ スマートでは、発電機は主に充電用というコンセプトなのだ。
走行中や発電機を稼働しても問題にならないところで、発電機によりリチウムバッテリーをフル充電するのである。
容量の大きいリチウムバッテリーなら、夜、ふんだんに電気を使っても全く問題ない。
バッテリーが減れば、また翌日、発電機で充電すればよいのである。


しかし、やはり、それでも鉛バッテリーでも良いような気がする。
なぜなら、発電機で昼間充電するなら、一晩だけバッテリーが持てば良いからだ。

ところが、実際にやってみると、なかなかそうはいかないことが分かる。
夏の熱帯夜にエアコンを稼働して、電子レンジで家族分の料理を温めて、テレビを数時間観ると、もうサブバッテリーの容量は残り少ない。
冷蔵庫も一晩中稼働しているので、夜中にバッテリーが無くなるかもしれない。
サブバッテリーが経年劣化していると、実際に使える電気はもっと少ない。


しかし、リチウムバッテリーなら、100Ahのもの1個でも、鉛バッテリー2個分くらいの容量が使える。
何故なら、鉛バッテリーにある容量低減がないからだ。
しかも、経年劣化が無いので、寿命が来るまでほぼ最初の性能を維持する。
オルビス・イオ スマートには、この100Ahのリチウムバッテリーが1個搭載される。
下の写真左側が100Ah、右側は40Ahのもの。


発電機との組み合わせにより、高価なリチウムバッテリーを最小限で使用
即ち、100Ahでも鉛バッテリー2個分程度の容量を持つので、一晩程度なら全く問題ないし、経年劣化が無いので、その容量も長期間維持できる。
高価なリチウムバッテリーを最小限で使用し、繰り返し充電することで、運用効率を上げているのである。
これなら、リチウムバッテリーを導入するハードルは極めて低くなる。

発電機は騒音の面から、夜の道の駅などで始動するのは気が引ける。
それゆえ、搭載しても結局使う機会が無いということで、不要な装備の常連となっていた。
しかし、走行中や、騒音が問題ない場合に使うことを前提にすれば、やはり発電機は心強いアイテムである。
燃料電池発電機が出てくるまでは、リチウムバッテリーと発電機の組み合わせは現実的なソリューションといえるだろう。

ただし、これは、発電機を搭載するスペースがあるキャブコンレベルのキャンピングカーに限られる。
バンコンで、これと同じ考えを導入するのは難しいかもしれない。
従って、バンコンの場合は、インプラスのようなソリューションが的を射ているのだろう。
リチウムバッテリーは今後普及していくと思われるが、使用形態やキャンピングカーのスタイルにより、様々な使い方が提案されると思われる。

(続く)




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