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キャンピングカーショーに見るハイエース/NV350標準ボディのニューモデル


ジャパンキャンピングカーショー2015では、水陸両用のトレーラーや6輪の軽キャンパーなど、目を引くニューモデルが目立った中、地味ではあるが、ハイエース/NV350標準ボディバンコンのニューモデルが目立った。

主なものをリストアップしてみると、
・アネックス コンポーザー
M.Y.Sミスティック ザグディ
・オーエムシー ちくら
・ビークル ハウベル
・フジカーズジャパン FOCSDsコンパクト

トヨタハイエースや日産NV350キャラバンの標準ボディベースのキャンピングカーは、もちろん今に始まったことではなく、従来より存在している。
しかし、今まではどちらかと言えば、やはりスーパーロングが主流であったと言える。
当サイトのデータベースでも、スーパーロング130モデルに対し、標準ボディ(標準ルーフとハイルーフ合算)75モデルと、スーパーロングが倍近いモデル数を誇る。

ビルダーが新車を開発するのは、当然需要が期待できるからで、即ち、コンパクトなバンコンの需要を感じ取ったということだろう。
ライトエース/タウンエースやNV200ベースのモデルが、軽キャンパー以上、ハイエース未満というコンパクトキャンパーのポジションで注目される場合もあるが、やはり本命はハイエースなのかもしれない。
即ち、ストレスのより少ない車内空間を持ち、しかも取り回しの良いボディサイズとして、ハイエース/NV350標準ボディにスポットが当たったのではないだろうか。

もう少し具体的なイメージとしては、ひとつはミニバンの延長線上のキャンピングカーである。
通常はミニバンとして買い物や通勤に使え、週末は家族や夫婦でオーバーナイトのクルマ旅に出る。
そのような使い方を望むユーザーが増えてきた、ということだろう。

そして、もう一つは、ふたり旅用のコンパクトなキャンピングカーという位置付けである。
ふたり旅ならスーパーロングほどの大きさが無くても良いし、行先の狭い温泉街でも標準ボディなら気軽に入っていける。

数年前から車中泊が話題になっているが、車中泊ユーザーが、次のステップとしてハイエース/NV350標準ボディベースのキャンピングカーを選択するのは、十分考えられるトレンドだろう。
ハイエースやNV350は商用車とはいえ、ドレスアップグッズも豊富に用意された、おしゃれなクルマというのもひとつの要因であろう。

では、今回発表されたニューモデルを見てみよう。

上記で唯一NV350キャラバンベースなのがコンポーザー
しかも、唯一ルーフを架装してハイルーフとしている。
それならば、ハイエース標準ボディのハイルーフでも良かったかもしれないが、コンポーザーは更に高い車内高を実現しているだけでなく、ソーラーパネルを目立たなくしたり、通気スリットを後部に設けたりと、あえて架装した意義は大きい。
後部はベッドボードをセットして子供用の上段ベッドを作ることができる。
これにより、小さな子供を持つファミリーが4名で就寝することができる。
2列目の自在シートにより、全員が前向き乗車もできる。
小さな子供を持つファミリーがオーバーナイトの遠出をするというシチュエーションに最適と言える。



ちくらは2段ベッドを持ち、大人3名が就寝できるのが特徴。
2列目の自在シートにより、全員が前向き乗車できる。
同社にはカーゴプラス、ボギーというハイエース標準ボディのモデルがあるが、両方とも標準ルーフ。
ちくらが初のハイルーフモデルとなる。
子供が1人のファミリー、あるいは大人3名の家族やグループで使用できる。



ザグディは就寝定員が2名なので、車中泊をするならふたり旅までとなってしまう。
従って、普段はミニバン的に家族で使用するが、休日はふたりで車中泊の旅、というシチュエーションが適している。
なお、ザグディは今回取り上げたモデルで唯一標準ルーフ車を使用しているのが特徴。
標準ボディでもハイルーフ車だと地下駐車場など高さ制限のある駐車場に入れない場合があるが、標準ルーフ車はその心配は少ない。
ただし、もちろん車内高の余裕はハイルーフ車には及ばない。
同社にはマティアスCというハイエース標準ボディハイルーフモデルがあるので、標準ルーフの需要はザグディが担うことになる。



ハウベルFOCSDsコンパクトは、前方にギャレー、後方は二の字型ロングシートの構成である。
前の3モデルが2列目に前向き乗車可能なシートを持つことにより、ファミリーでの使用を意識しているのに対し、ハウベルとFOCSDsコンパクトのレイアウトはふたり旅に適している。

ハウベルのビークルには、ハイエース標準ボディハイルーフを使用したクッチェッタシリーズがあるが、どちらも前向き着座可能な2列目シートを持っており、どちらかというとファミリー向け仕様。
ハウベルにより、ふたり旅に適したモデルもラインアップされることになる。

FOCS Dsコンパクトのフジカーズジャパンにも、他にハイエース標準ボディハイルーフでユニークなツインベッド仕様のFOCS Snがあるが、このFOCS Dsコンパクトは更にレイアウトをシンプル化した仕様。
価格的にも優位性がある。

コンポーザー、ちくら、ザグディの3モデルは、もちろんふたり旅にも使えるが、この2モデルのように、ふたり旅に割切ると使い勝手が向上する。
例えば、運転席、助手席から後部への移動は、横に長い自在シートが邪魔をして苦労する場合があるが、二の字型シートのみのレイアウトなら、前後の移動はスムース。
一度車外に出ればよいという考えもあるだろうが、雨の日などは苦労することになる。
(写真下:ハウベル)



(写真下:FOCSDsコンパクト)


ただし、FOCSDsコンパクトはギャレーコンソールによって、運転席、助手席から後部への移動が妨げられるのが残念。
その点ハウベルは、引き出し式シンクを採用して動線を確保しているのは評価できる。

逆に、ちくらは2列目に自在シートを持つが、2人掛けのため横幅が短く、通路が確保されているので、前後の移動は比較的楽である。

このように、同じ標準ボディをベース車に選択していても、コンセプトや考え方がそれぞれ異なっている。
また、今回取り上げたのはニューモデルだけである。
この他にもハイエース/NV350標準ボディベースのモデルは多く存在しているので、当サイトのキャンピングカー検索でチェックしてみて欲しい。










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