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リチウムバッテリーはサブバッテリーの本命になるか?(3)
前2回にわたり、リチウムバッテリーをバンコンに搭載したインプラスと、キャブコンに搭載したオルビス・イオ スマートをレポートしたが、最終回の今回は、家庭用エアコンをバンコンに搭載するため、汎用のポータブルリチウムバッテリーシステムを使用しているケースをレポートする。
これを実現しているのは、オーエムシーのハイエーススーパーロングバンコン。
エアコンの室内機や室外機を取り付けるので、同社の”銀河”や”飛鳥”のようなカタログモデルに搭載することは難しく、完全なオリジナルモデルとなる。
写真はエアコン搭載車。
エアコン室外機の吹き出し口が、ボディサイドに見える。
さて、リチウムバッテリーは、オンリースタイルの200Ahのものが使われている。
前回のレポートからお分かりのように、200Ahのリチウムバッテリーは、100Ahの鉛バッテリー4個分以上に匹敵する。
エアコンはじめ、他の電気機器もすべてリチウムバッテリーで動作させる。
インプラスの半分以下の容量であるが、エアコンと他の電気製品を動作させるには十分現実的なソリューションである。
充電は走行充電とソーラーシステムにより行う。
価格は、エアコン搭載システム一式として設定されており、エアコン、リチウムバッテリー200Ah、ソーラーパネル(94Wが3枚)、1500Wインバーター、コントローラーなどが含まれて100万円(税別)である。
インプラスやオルビス・イオに搭載されるリチウムバッテリーは、ビルダーやバッテリーメーカーが開発した、いわばキャンピングカー専用のものであるのに対し、こちらのソリューションは、汎用のものを使ったソリューションである。
このメリットは、バッテリーそのものの開発費が必要ないことと、汎用品なため、ある程度価格的に優位なことが上げられる。
反面、形状や性能に、キャンピングカーに最適になるような融通がきかない面もあるかもしれない。
しかし、うまく使いこなせれば、このモデルのように、エアコンをバンコンに搭載するという、今まで、なかなか難しかったことが比較的安価にできるようになるかもしれない。
このモデルはエアコン搭載のソリューションとしているが、リチウムバッテリーを今までの鉛バッテリーの代わりに搭載するという使い方も当然考えられるだろう。
その場合は、鉛バッテリーが1個しか置けないスペースしかないモデルでも、2個分の性能を持てることになる。
軽キャンピングカーやコンパクトキャンピングカーでは、有意義なソリューションである。
キャンピングカーの快適化が求められ、今やバンコンでもエアコンの搭載が求められるようになってきた。
エアコンだけではなく、電子レンジやオール電化化など、キャンピングカーの電気に対する要求が大きくなりつつある。
それを可能にするのが、リチウムバッテリーである。
今後、リチウムバッテリーは、低価格かが進むであろうし、それに伴って、キャンピングカーへの搭載が進むのは間違いない。
しかし、現在の価格水準でも、寿命や経年劣化が無いことなどを考えると、長い目で見れば鉛バッテリーより低コストといえる。
確かに、イニシャルコストは高価だが、検討してみる価値は十分あるだろう。
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