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シチュエーション別キャンピングカー選び 第1回
カップルに向けたベストセレクション〜スーパーハイルーフ編

キャンピングカーと一言で言っても、ファミリーで使う場合と夫婦二人で使う場合では、必要な装備やレイアウトは大きく異なる。 また、休日にキャンプ場で1泊2日を過ごすのと、1週間のクルマ旅をするのでも大きく異なる。 更に、駐車場の事情で大きなクルマが入らないとか、平日は普通のクルマとして通勤や買い物に使いたいとか、ユーザーによって最適なキャンピングカーは異なってくる。

もちろんビルダーはそのような需要を研究し、コストを考え、マーケットカテゴリーに合ったキャンピングカーを提供しようと、様々なラインアップを揃えている。
しかし、これだけ多くのキャンピングカーがあると、実際、どのキャンピングカーが自分に合っているのか分からなくなることも多い。 あるいは、今考えている他にも、もっと良いモデルが存在するのではないか、という不安に駆られるかもしれない。
キャンピングカーはクルマでありながら、一般のクルマのように完全に規格化されている訳ではないので、調べるにしても大変だ。

そこで、今回から何回かに分けて、ユーザーの使用形態からキャンピングカーをピックアップして見たいと思う。 ファミリーでの車中泊から夫婦2人の長期旅などいろいろな使用形態があり、バンコンやキャブコン、あるいは軽からバスコンまでいろいろなカテゴリーがあるので、これらを踏まえて考えてみたい。
今回は第1回目で、カップルでクルマ旅をする場合を想定する。キャンピングカーのカテゴリーは、最近話題のスーパーハイルーフを装備したモデルからピックアップした。ハイエーススーパーロングのバンコンで、ノーマルのスーパーロングハイルーフよりも天上高の高いベース車を持つモデルである。

なお、先にも書いたが、キャンピングカーは完全に規格化された工業製品ではなく、ビルダーによってはカスタムメイドも可能なので、ここに上げたモデルが全てではない。
ここの情報を参考としていただき、実際に車を見て、ビルダーさんに話をお聞きすることをお勧めする。それはある意味、クルマではなく家を探すのに近い。 家を探すときに自分の生活パターンやライフスタイルを重視するのと同様、キャンピングカー選びでも自分の使用形態をイメージすることが自分に合ったキャンピングカーに出会える必須の条件と思う。

カップルでのクルマ旅は総じて年配のユーザーが多く、インテリアや居住性は質の高いものが求められる傾向にある。 そのため、インテリアにこだわったモデルが多く存在するが、スーパーハイルーフは居住性も含めて、その最上位に立つバンコンといえる。
これらは室内最大高が1800mm以上あり、大人が立って歩ける。
いずれも各ビルダーのフラグシップ的存在で、個性的で美しいインテリアを持っている。 居住性がキャブコンに迫ることから、キャブコン並みの装備を持つので、価格的にも高価なモデルが多くなっている。

今回は次のモデルをピックアップした。

・アム・クラフト タイムマシン ループ
・M・Y・Sミスティック ウインピュアシェルラ プラチナム
・L.T.キャンパーズ ヴィクトリー
・カトーモーター ディーディー
・タコス スーパーレコ
・トイファクトリー バーデンアルタモーダ
・トイファクトリー GTアルタモーダ
・トイファクトリー ヴォーグ アルタモーダ
・レクビィ カントリークラブ ハイキング
・レクビィ ファイブスターCP ハイキング

二人旅用のキャンピングカーを選ぶ上でポイントの一つはベッドレイアウトだ。 今回抽出しているのは、常設ベッドを持つモデルだが、大きく分けて後部で車幅方向に就寝するハイマウントベッドタイプ、車長方向に就寝する2段ベッドタイプがある。 車幅方向に就寝する場合は、ワイド幅のスーパーロングでもそのままでは大人は身長方向が窮屈になってしまうため、一般的にエクステンションボックスを装備する。 そのためコスト的に高くなる面はあるが、室内を効率的に使えるというメリットがある。

一方、2段ベッドタイプはエクステンションボックスをつける必要はないが、車長方向にベッドスペースを長く取る必要があるため、2列目シートが自在シートになっている4名対座ダイネットは設置できないというデメリットがある。 このため運転席、助手席を前に倒し、シートバックで後ろ向きの席を作りダイネットチェアとする手法を採用しているモデルもある。

どちらのタイプが良いかは好みによるが、ハイマウントベッドに対し2段ベッドはプライベート性が高いと言える。 一人が先に就寝しても、明かりをつけて読書するというシチュエーションが可能だ。

では、これらを分類しながら見てみよう。

タイムマシンループ、ヴィクトリー、ヴォーグアルタモーダは後部ハイマウントベッドタイプとなる。
タイムマシンループ(写真下)は車体側面にオリジナルドアを含め架装し、広い室内と高い断熱性を実現している。ボディサイドにアウトドアギャレーを装備しているのがユニーク。(写真下左) 室内は未来的でハイセンスなインテリアだ。 ダイネットは4名が対座できるが、カップルで使うならゆったりと座れる。



ヴィクトリーは二人旅仕様に割り切ったレイアウトを採用。 ダイネットは横向き着座のソファとし、ドライブ中に前向きに着座できるシートは運転席、助手席以外設定されていない。 そのおかげで、後部のハイマウントベッドとプライベートルームを両立している。また、窓埋めにより断熱性を高めているのも特徴。 発電機とルーフエアコンを標準装備し、オールシーズンで快適な室内空間を実現する。 発電機は後部に専用スペースを作り収納されているので、雑音は最小限に抑えている。 また、室内から起動できるのは便利。 インテリアは木の感触を生かした明るいトーンで、落ち着いた空間を作っている。 カップルのクルマ旅に特化しているので、実にシンプルかつ無駄の無いレイアウト、装備である。これ以上の装備は、ほとんどのカップルユーザーにとって必要ないだろう。



トイファクトリーからはバーデンアルタモーダ(下写真上左)、GTアルタモーダとヴォーグアルタモーダがピックアップされている。 これら3車の違いは、ベッドはハイマウントベッドか2段ベッドか、プライベートルームが有るか無いかの組み合わせの違いである。 まず、バーデンアルタモーダはハイマウントベッドでプライベートルームは無し、ヴォーグアルタモーダは、ハイマウントベッドでプライベートルーム有り、そしてGTアルタモーダは後部に車幅方向2段ベッドでプライベートルーム有りとなる。 バーデンアルタモーダとヴォーグアルタモーダでは、プライベートルームを有する分、ヴォーグアルタモーダのほうが良いように見えるが、ヴォーグアルタモーダはプライベートルームのスペースがダイネットに影響しており、ダイネットの後ろ向きソファは運転席のシートバックを使うことになる。(下写真上右) バーデンアルタモーダは2列目シートが自在シートで、前向きにセットすると7名が前向き乗車でき、フラットにすれば4名が就寝できるのに対し、ヴォーグアルタモーダは4名が前向き乗車で2名が就寝人数となる。 即ち、バーデンアルタモーダはファミリーの使用にも対応するが、ヴォーグアルタモーダはカップルの使用に向いていると言える。 もちろん、バーデンアルタモーダやGTアルタモーダもカップルで使用できるが、バーデンアルタモーダではプライベートルームが無いとか、GTアルタモーダでは2段ベッドの上段はエクステンションボックスのおかげで1800mm確保できているが、下段は1740mmで多少窮屈であるとかの問題は、ある。
3車とももエクステンションボックスがボディ右側の後部から前部ウインドウまで覆っており、広い室内を演出している。 もちろん断熱性能にも大きく貢献している。インテリアは明るい木目調とホワイト系のツートーンの家具で、高級感も十分である。

バーデンアルタモーダのダイネット(写真上左)とヴォーグアルタモーダのダイネット(写真上右)
バーデンアルタモーダでは2列目シートは前向きにもセット可能な自在シートだが、ヴォーグアルタモーダでは運転席、助手席のシートバックを利用したダイネットシートである。







次はスーパーハイルーフ仕様車の中でも、2段ベッドを常設ベッドとしたタイプをピックアップしよう。これには、レクビィの2車種、カントリークラブハイキングとファイブスターCPハイキングがあるが、意外にも他社からは発売されていない。 この2車種の違いは、ダイネットのコンセプトにある。 カントリークラブハイキングではダイネットは単座の対面シートだが、ファイブスターCPハイキングでは運転席、助手席のシートバックを利用した4人対座のダイネットだ。 両車とも2段ベッドの上段を下げるとロングソファになり、多人数の場合にも対応できる。 カップルで使うときは2段ベッドは常設されるケースが多いと思われるが、ファイブスターCPハイキングではこの場合でも運転席、助手席のシートバックを利用して、ダイネットに4名着座可能。 カントリークラブハイキングはベッドを常設化するとダイネットには2名しか着座できないが、すぐに対座して着座できることを考えると、カントリークラブハイキングはカップル使用に向いている。
下の写真は、上がカントリークラブハイキング、その下がファイブスターCPハイキング。
またレイアウトは左がカントリークラブハイキング、右がファイブスターCPハイキングである。

カントリークラブハイキングのダイネット(上左)。2名ならすぐに対座で着座できる。

ファイブスターCPハイキングのダイネット(上左)。運転席、助手席のシートバックを利用するが4名が対座できる。

カントリークラブハイキングのレイアウト(上左)とファイブスターCPハイキングのダイネット(上右)。

ファイブスターCPハイキングの2段ベッド(上左)。 カントリークラブハイキングの完全防水プライベートルーム(上右)

両車とも2人以上の乗車にも対応できるように考えられているので、運転席、助手席以外のシートも前向きに反転できるようになっているが、もし2人での使用に割り切るなら、ファイブスターCPハイキングのレイアウトで、ダイネットをL字型ラウンジソファにカスタマイズしても良いかもしれない。
なお、両車とも後部に完全防水されたシャワールームを持つのが特徴である。

ディーディー(写真下)は、ここにピックアップした他のモデルとは異なり、スーパーロングにクイーンハットと呼ばれる、バンクを持つハイルーフを架装したモデルである。 最近はバンクを持つデザインに比べ、持たないデザインのモデルが多くなっているが、バンクがあるとバンクベッドにより、フロアレイアウトが大変余裕を持つことができる。 バンクベッドに加え、最後部に大人2人がゆったり就寝できるハイマウントベッドを持つ上、ハイマウントベッドの上部には折りたたみ式のチャイルドベッドまで装備している。 これから考えるとディーディーはファミリーまで対象にしていることが分かるが、2人で使う場合はバンクベッドとハイマウントベッドに1人ずつ就寝するという贅沢な使い方も可能だ。あるいはバンクベッドは荷物置き場として利用しても良い。 ダイネットはL字型ソファと運転席、助手席を前に倒し、シートバックを利用する単座シート二脚で構成されるが、カップルで使用するなら、L字型ソファだけで十分だろう。 いちいちシートバックを前に倒してセットする必要は無い。 ディーディーはクイーンハット以外にボディサイドも架装しており、室内高だけでなく、横方向にも広い室内空間を確保している。 また、カトーモーターお得意の無垢材を使った豪華な家具が特徴で、落ち着きと高級感ある室内空間に仕上がっている。



最後は、上記のいづれにも含まれないタイプの、ウインピュアシェルラ プラチナムとスーパーレコについて見てみよう。

ウインピュアシェルラ プラチナム(写真下)は、最後部を2段ベッドにするか、プライベートルームにするか選択できる。 2段ベッドを選ぶと常設ベッドとなるが、下段はエクステンションボックスが無いため1720mmしかなく、子供用となる。 小柄でない場合は、いずれにせよダイネットを展開してフロアベッドとする必要がある。 常設ベッドが無いと、布団派には毎日の布団の上げ下ろしが面倒だが、シュラフ派なら問題ないだろう。 また、吊り下げ式の上段ベッドがあり、これには1名就寝することができる。(写真下左) ウインピュアシェルラ プラチナムの特徴はオプションでクーラーをビルトインできる点。 右サイド後部のエクステンションボックスにクーラーの室外機が納まる。(写真下右) バンコンは一般的に、夏場の車内温度上昇に弱いが、クーラーが装備されているとオールシーズン快適な居住空間となる。



スーパーレコ(写真下)は、スーパーロングにオリジナルのハイルーフを架装したモデル。 ウインドウ面と段差のある独特の形状だが、室内高は今回ピックアップした中では一番高く、2070mmある。 また、この大きなルーフを生かして、ベッドはルーフ部にベッドボードを渡してセットするルーフベッドである。 もちろんシートをフラットにしてセットするフロアベッドも可能だが、カップルで使うときはルーフベッドを常設ベッドとしたい。ただし、ルーフベッドをセットすると、当然高い天上高は失われる。 また、走行するに備え、ベッドボードを展開したまま固定する必要がある。 ベッドボードは5枚で構成され、バンドで縛ってルーフ前部上に収納されているので、毎回就寝前にベッドメーキングするとなると毎日の上げ下ろしは面倒かもしれない。 インテリアは無垢木を使った落ち着いた家具にレザー調シートの組み合わせで、高級感とセンスの高さが光る。 シートレイアウトは2列目自在シートと3列目の2脚の単座シートの構成なので、常時二人で使用するなら無駄かもしれないが、たまに子供や孫が一緒と言う場合は有用だ。 後部はギャレーとフリースペースになっているが、左後部にプライベートルームの設置も可能だろう。(下写真下右)



以上、カップルのクルマ旅に適したモデルをピックアップしてみたが、お気に入りのモデルは見つかっただろうか?それぞれに個性があり、いずれも素晴らしいモデルばかりであるが、ご自分の使用目的、使用頻度、旅行日数などを考えて選んで欲しい。

ここに紹介したモデルは、いずれもWebサイト、あるいはカタログに記載されている内容から掲載しているが、実際はカスタムメイドで製作するビルダーやモデルも存在するし、標準の仕様を変更することも可能かもしれないので、ここに紹介したモデルやレイアウトが全てではない。 この記事は参考としていただきたい。

次回はハイエーススーパーロング、あるいはキャラバンワイドスーパーロングベースの二人旅仕様を特集する予定。


(2013年9月28日)


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