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ハイエースポップアップルーフ車比較(標準ボディー車)

キャンピングカーを専用に持つのは大変なので、通常は日常の足として、休日はキャンピングカーとして使いたいというユーザーが増えている。日常の足として使わなければならないので、取り回しが良く、スーパーの駐車場に難無く入れる必要があるし、高さ制限のある地下駐車場もクリアしなければならない。そしてキャンピングカーとして使うときは、日常を感じさせない自由度と広さを追求しなければならない。この相反する要求をうまく解決しているのがポップアップルーフである。今回はハイエース標準ボディでポップアップルーフを持つ5車を比較してみる。

ポップアップルーフとは

ポップアップルーフとは必要に応じてルーフ高を高くできる構造で、多くはルーフの前か後を持ち上げ、テント地を外との境にしている。ポップアップルーフに対してキャンバストップという構造でルーフを持ち上げるキャンピングカーもある。これは前後両方を持ち上げることにより、ルーフ全体を高くすることができるが、構造が複雑になることからコスト的に不利であること、持ち上げる手間が簡単でないことから、主流は片側だけを持ち上げる
ポップアップルーフである。主に天井高を十分に取れないバンコンで使われることが多く、ハイエースを使った多くのモデルが存在している。

ポップアップルーフの利点
ポップアップルーフの特長は、通常は車高をノーマルに近い状態にでき、いざキャンプとなるとルーフを高くし、車内の広々感を演出できる点である。そして、もう一つ重要な特長は、ルーフを上げてルーフベッドとして就寝できることである。キャンピングカーといっても日常の足としても使いたいというユーザーは多く、この場合は都市部の地下駐車場など車高制限をクリアしなければならない。最大車高2.2mなどと表示してあるが、ルーフを架装していたり、ハイルーフ車では進入できない。従って、この車高を満たすためには標準ボディノーマルルーフ車かワイドボディミドルルーフ車を選択する必要がある。このような事情から、ポップアップモデルには上記2車種を使ったものが主流である。

ポップアップルーフの注意点
ポップアップルーフはこのように、日常の足とキャンピングカーを両立させるには大変優れた方法であるが、考慮点もある。それは、ポップアップしたルーフを覆う素材はテント地だということ。FRPのように厚みがあるものではないので、冬場での寒さの進入は避けられない。就寝時は車内とベッドボードで仕切られてしまうので、暖気がルーフベッドには行かない。また、ポップアップルーフは走行中は畳んでしまうので、ルーフベッドの寝具は置いたままにできない。シュラフのようにコンパクトになるものならまだ良いが、布団派は寝具の上げ下ろしが重労働である。テント地は風雨にも弱い。風が激しい場合は破損の恐れがあるし、雨も長時間なら滲みてくることもある。基本的には雨風の強い場合はポップアップルーフを上げないほうが良い。ポップアップルーフベッドはメインベッドではなく、状況次第では使えない場合もあると考えたほうが良いだろう。

ポップアップルーフモデル比較
それでは実際にポップアップルーフを採用しているハイエースバンコンモデルを見てみよう。今回は標準ボディでポップアップルーフを採用している5モデルを紹介、比較する。標準ボディーのハイエースは全長4,695mm、前幅1,695mmで取り回しがし易く、日常の足としてもフットワークが良い。ポップアップルーフなので、どのモデルも全高2,100mm以下に収まっており、ほとんどの地下駐車場やタワー駐車場に入ることができる。なお、標準ボディーの場合は、4WDはディーゼルエンジンしか選べないという制限がある。ガソリンエンジンで4WDはラインアップされていないのだ。

●アム・クラフト アイアム
明るく洗練されたインテリアが特長。2列目シートは3人掛けのFASPシートで、5名が前向きに座ってドライブできる。2列目シートを後ろ向きにすると、コの字型ダイネットとなり、5名でテーブルを囲むことができる。2列目シートと後部の横置きシートをフラットにすると、車幅方向全幅のベッドができ、大人3名が就寝できる。ルーフベッドに2名就寝できるので、計5名が就寝できる。ギャレーは最後部にあり、冷蔵庫とシンクが収納されたラックと収納庫のラックが向かい合わせになっている。シンク前のスペースも十分にあるので
、ちょっとした料理を作ることも可能。ファミリーで使っても広いダイネットは窮屈感が無い。










●バンテック マヨルカ
最前面からポップアップするルーフは2,150ox1,015oの広いフロアベッドを実現。ベージュで統一されたインテリアは明るい室内を演出している。マヨルカの特長は自在なシートアレンジ。2列目と3列目のシートはドライブ時は前向き着座、ダイネット時は対座シート、ベッド時はフルフラットに変化自在。移動時は6名が前向き乗車できる。ダイネット時は4名がテーブルを挟んで対座できる。2列目シートとテーブルを残して3列目シートだけベッドにすることも可能。子供が寝た後、夫婦でダイネットを使うということもできる。2列目シートも倒すと
、2名が就寝できる。ギャレーはダイネット横に位置し、コンパクトな丸型シンクが装備される。後部は上下2段になった収納スペースで、仕切り板を上げると背の高いものも収納可能。










●バンテック新潟 プレール
ブラックトーンの家具とホワイト系のシートのコントラストで都会的な雰囲気を醸し出すインテリアを持つ。2列目シートは3名掛けREVOバタフライシートを採用、前向き、後ろ向き、フラット、折りたたみと、用途に応じて変化する。3列目シートは独立した単座シートを採用。後部のギャレーへもスムースにアクセスできる。2列目シートを前向きにセットすると、計7名が前向き着座で移動可能。2列目シートを後ろ向きにしたダイネット時は、5名が対座できる。2列目と3列目シートをフラットにすると車幅いっぱいの広いベッドスペースができ、大
人3名が就寝可能。ルーフベッドと合わせると5名が就寝できることになる。2列目シートを畳んで最前面に押しやってしまうと、3列目シートの前に広いスペースが生まれ、大きな荷物を積載できる。ギャレーは最後部に設置され、電子レンジや冷蔵庫もスマートにビルトインされる。












●レクビィ ヴォーノP
お洒落なインテリアで定評のあるヴォーノシリーズでポップアップルーフを持つモデル。Pはポップアップの意味。ベージュ系と、ダークトーンのアーバンの2種類のインテリアカラーが選べる。カップルにターゲットを合わせたコンセプトで、運転席、助手席以外は前向き着座シートを持たないが、その分曲面を使った優雅なソファが目を引く。シート地はポップアップルーフ仕様車のみ革張りとなる。後部はギャレーと収納になっており、右側に十分な大きさのシンクと冷蔵庫、左側には大きなワードローブが装備される。
写真右下はアーバン仕様(ポップアップルーフではないが家具の配置は同じ)。ポップアップルーフを持ったことで、就寝人数が増えるが、ここはコンセプトどおりカップルで使用して、高い天井の広々感と、ダイネットをそのままにしてルーフベッドで就寝できる贅沢さをとりたい。











●東和モータース販売 ツェルトCP
ホワイトウッドとダークウッドの2種類のインテリアカラーが選べるが、どちらも都会的でモダンなインテリア。2列目シートはREVOシートで、前向きにセットすると前部で6名が前向き乗車できる。2列目シートを後ろ向きにセットすると、3列目シートとともに2名+2名の対面式ダイネットとなる。ツェルトCPの特長は後部の子供用ハイマウントベッド。常設しておくことも可能で、子供が寝た後
もダイネットを使用可能。ハイマウントベッド下は大きな収納庫として使え、両側に収納庫も用意されている。ベッドはダイネットをフラットにすると2名が就寝できるが、ルーフベッドを使って1名づつ広々と就寝することもできる。もちろん、ダイネットをそのままにしておいて、ルーフベッドで2名就寝することも可能。ギャレーはダイネット横にコンパクトに配置され、冷蔵庫、コンロ、シンクが一列に並ぶ。このモデルは子供用ハイマウントベッドの存在からも、やはり小さな子供を持つファミリー向けといえよう。












最適のモデルは?
ここに取り上げた5車はどれも完成度が高く、また価格的にも大きく変わらないので、どれを選んでも間違いは無い。ただ、家族で使うのかカップルで使うのか、家族なら子供は小さいか、キッチンで料理を作るか、荷物は多いか少ないかなど、使用状況によって選択するモデルは異なってくる。
まず、カップルで使うならヴォーノPかマヨルカだろう。ヴォーノPはコンセプトがカップル向けなので、設計に余裕がある。お洒落でゆったりとしたラウンジソファは2人で過すには十分。後部のギャレーも広く、旅行中に外食に飽きたら簡単な料理も作れる。ダイネットを展開すれば2人が就寝できるので、ルーフベッドは無くても問題ないが、ルーフベッドとフロアベッドに1名づつ、あるいはダイネットをそのままにしてルーフベッドで2名就寝といった使い方もできる。一方マヨルカも2名で使うと贅沢に使える。対面ダイネットは広々するし、やはり就寝はルーフベッドと併用して自由度が高い。マヨルカの特長は後部に大きな収納スペースを持つので、荷物の多いユーザーには適している。その代わり、ギャレーはダイネット横に追いやられているので、本格的な調理という面では多少引けをとる。
子供がいるファミリーなら、ツェルトCP、マヨルカ、アイアム、プレールが対応する。特に子供が小さいなら、ツェルトCPとマヨルカは子供用の就寝スペースがダイネットと独立しているので、子供が寝た後も夫婦で大人の時間を過すことができる。なお、ツェルトCPはハイマウントベッドであるだけ、下に荷物を多く積めるアドバンテージがある。アイアムとプレールは料理も車内で作るシチュエーションには最適。後部の広いキッチンと冷蔵庫があれば、家族分の食料も保存し調理できる。家族で毎日外食というのも、時間的、コスト的に大変なので、車内で簡単に料理ができるのは大きなアドバンテージだ。ただ、プレールは冷蔵庫が14リッターと小さめ。プレールはREVOシートを跳ね上げて前に寄せてしまうと、広いスペースができるので、大きな荷物を積む場合は有用である。





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