キャンピングカーの情報サイト


Home > エアコン搭載のライトキャブコン

シチュエーション別キャンピングカー選び 第6回
エアコン搭載のライトキャブコン


キャンピングカーというと、夏は涼しいところへ行くのでエアコンなど搭載する必要は無いということで、今まであまり搭載されてこなかった。
しかし、そうはいっても、涼しいところへ行くと限っているわけではなく、また、避暑地と言っても暑い日もある。
その場合は、エンジンをかけて車載エアコンを動かせばよいかもしれないが、そこはキャンピングカー、エンジンを止めていても動くエアコンが欲しいところである。
ということで、最近ではライトキャブコンやバンコンにも、家庭用エアコン搭載車が発表されている。
そこで、シチュエーション別キャンピングカー選び、第6回はエアコン搭載のライトキャブコンを特集する。

さて、ライトキャブコンというと、ベース車はボンゴ・バネット、ライトエース・タウンエース、そしてNV200バネットがあげられる。
NV200バネットベースのライトキャブコンと言えば、エートゥゼットのアルファのみだが、これにはエアコンが搭載されていないので、今回はボンゴ・バネット、ライトエース・タウンエースをベース車とするキャブコンでエアコンが搭載、あるいはオプション設定されているモデルをピックアップした。
ノミネートしたのは、以下のモデルである。

・ロータスRV販売 マンボウシリーズ
・キャンピングワークス オルビス ルナ
・マックレー グリーク480
・RVビックフット ACSコラボ

このうち、グリーク480はウインドウエアコンであり、最初から取り付けることを前提に設計されている。
また、他の3車種は、全て家庭用エアコンを搭載、あるいはオプション設定している。
家庭用エアコンの場合、室外機の収納が問題になるが、どのモデルもスマートに収納されている。
では、各モデルを紹介しよう。

ロータスRV販売 マンボウシリーズ
ボンゴベースのライトキャブコンとしては真っ先に家庭用エアコンを搭載するなど、先端を走っているモデルの一つである。
ライトキャブコンながら温水シャワーもオプションで設定されており、設備は上位キャブコンなみの充実ぶりである。
マンボウシリーズには、アバンギャルド、イブ、ファミーユがあるが、いずれもオプションで家庭用エアコン搭載可能。(下の写真は、マンボウイブアバンギャルド)
室内機はエントランス横上部にすっきり収まっており、全く違和感はない。
また、室外機は、リア左下の収納部に収まっており、一見しただけでは存在が分からない。
電源はサブバッテリーでの駆動もできるが、やはりツインバッテリー化しないと厳しいと思われる。
エアコン搭載時は、ホンダE16i発電機も一緒に搭載されることになるので、昼間など発電機が回せる場合は、発電機でエアコンを駆動すると、夜にバッテリーの電気が無くなってしまう心配はない。
なお、発電機もリア右下の収納部に収まり、燃料はクルマのタンクから自動供給される。
レイアウトは、アバンギャルドとイブが対座ダイネットと後部にギャレーとプライベートルームの組み合わせ、ファミーユは対座ダイネットと後部に2段ベッドの構成になる。




キャンピングワークス オルビス ルナ
オルビス ルナは家庭用エアコンを標準装備しており、更に発電機も標準装備。もちろん最初から組み付けられているので、室内機、室外機ともすっきり収まっている。発電機はルナ専用で、2.8KWのものを搭載。発電機の始動、停止は室内から可能。
同社のコンセプトでもある、”発電機による快適な居住性”を実現するため、大型の発電機を搭載しているのが特徴。これにより、エアコンと電子レンジを同時に使っても問題ない。
また、容量の大きい発電機だと、負荷時でも回転数を抑えられるため、小型のものに比べて騒音は小さくなる傾向がある。
更に特筆されるのが、発電機の収納部の防音化。
専用設計のダブル防振マウントと中空防音工法により、室内、室外とも静音化に成功している。
これにより、発電機が使えるシチュエーションは大幅に拡大される。
オルビス ルナは、積極的にエアコンを使うソリューションを提供しているモデルと言える。
レイアウトは対座ダイネットと後部に2段ベッドの構成。
ダイネットも展開してベッドにできるうえ、バンクベッドも備えるので、大人3名、子供2名の就寝が可能。
ユーティリティールームは完全防水仕様になっており、オプションでシャワー設備も可能。(冷水のみ)





マックレー グリーク480
グリーク480はウインドウエアコンを標準装備している。
ウインドウエアコンは、室内機と室外機が一体になっているので、室外機を置くスペースが不要なため、スペース効率が良い。
グリーク480の場合は、最初から組み付けられているので、すっきりと収まってはいるが、縦置きになるのが、他のモデルとの違い。
グリーク480も発電機(ヤマハ1600W)を標準装備しており、基本的には発電機でエアコンを駆動する。
発電機は、後部収納部に収まっており、始動は外部から行うが、停止は室内からできる。
また、燃料は車両のガソリンタンクから自動供給される。
レイアウトは対面ダイネットと後部2段ベッドの構成で、ファミリーでもカップルでも使いやすい。
バンク部は子供用ベッドであるが、大型バンク付き仕様も選べるので、ファミリーでもゆったり使える。
また、プライベートルームも装備されている。
白光沢の家具が特徴のインテリアは、室内を明るく見せている。






RVビックフット ACSコラボ
今回ノミネートされた中では、唯一タウンエースベースのライトキャブコンである。
ACSは同社のオール電化コンセプトで、太陽光発電と走行充電でバッテリーを充電し、IHコンロや冷蔵庫を含め、全てをバッテリーで駆動するシステム。
そのため、大容量の太陽光発電パネルを標準装備し、発電機は搭載せず、クリーンなエネルギーシステムを謳っているのが特徴。
エアコンは家庭用タイプがオプション設定されており、これもバッテリーと太陽光発電で駆動することになるが、夜間や発電量が十分でない場合は、バッテリーの状態にもよるが、外部100Vが必要になる場合もあるだろう
レイアウトは、対座ダイネットと後部の2段ベッドの構成。
バンクベッドもあるので、ダイネットを展開しなくても4名が就寝できる。
ダイネットを展開すると6名の就寝が可能で、今回ノミネートした中では、一番就寝人数が多い。





まとめ
キャンピングカーにエアコン搭載のトレンドが加速しているが、いよいよコンパクトなモデルにもエアコンが搭載されるようになってきた。
とはいえ、ピックアップしてみると、わずか4モデルに過ぎない。
普通にエアコンが選べるという状況には、まだ遠い感じがする。
これは、エアコンを駆動するには大きな電力が必要で、発電機を搭載したり、多くのバッテリーを搭載したり、あるいはソーラーシステムの搭載も必要になってくるからで、やはり、コンパクトキャブコンには、スペース的にも価格的にも、ハードルが高いことが理由であろう。
今後、これをどうやって解決するのかが、ビルダーの腕の見せ所となってくるだろう。

今回取り上げた4モデルでは、ACSコラボを除き、発電機前提のエアコン搭載である。
やはり発電機があると、周りの状況さえ許されれば、いつでもエアコンを駆動できる安心感がある。
ただ、その状況が許されるケースが限られているのも事実で、例えば夜の道の駅で発電機を回すことはできない。
従って、昼間、発電機でバッテリーを充電しておいて、夜はバッテリーでエアコンを駆動するなどの運用を考える必要がある。
その意味では、オルビス ルナの発電機は大型で、エアコンの高付加時でも運転音は抑えられ、かつ防音ボックスにより、現実的に使えるシチュエーションが広がるだろう。

一方、ACSコラボの大容量太陽光パネルによりエアコンを駆動するのも一案で、発電機に頼らないのは画期的である。
ただ、太陽光あってのシステムなため、太陽光を十分得られなかった場合は、外部AC電源がある施設を利用することも考えておく必要がある。

エアコンは、オルビス ルナとグリーク480は標準装備である。また、オルビス ルナは発電機も標準搭載される。
マンボウとACSコラボはエアコンがオプションで設定されており、マンボウの場合は、発電機もセットオプションとなる。

価格的には、やはり、エアコンや大型発電機、更にはFFヒーターもを標準搭載するオルビス ルナと、大容量ソーラーシステムを標準搭載するACSコラボが高価である。
一方、グリーク480はエアコン標準搭載ながら、低価格に抑えられている。
ただし、発電機はオプションとなる。

さて、発電機やソーラーシステムが使えない場合、即ち、夜の道の駅などでエアコンを使用する場合、サブバッテリーで駆動することになるが、どの程度現実的だろうか?
最近の家庭用エアコンは省電力化が図られており、サブバッテリーでも駆動できる。
しかし、消費電力はそれなりに大きく、また、他の電気製品を使うことも考慮すると、サブバッテリーは2個搭載するのが現実的だと思われる。
その場合で数時間の動作が可能だが、これはもちろんサブバッテリーの状態や劣化状況によっても異なる。

実際の使用としては、就寝前の数時間駆動して、寝苦しさを解消する、といった使い方になろう。
いずれにしても、長時間の駆動は期待できないだろう。
また、バッテリーが減ってくると、エアコンは動いているが、あまり冷えない、という状態になる。
このため、モデルによってはエアコン駆動は発電機か外部100V電源のみという仕様になっている場合もあるので、購入時は確認すると良いだろう。

将来的には、リチウムバッテリーが搭載されるようになると考えられる。
小型で大容量のリチウムバッテリーは、エアコン搭載のソリューションとなる可能性は大きい。
スペース効率が求められるコンパクトキャンピングカーには、特に有用なソリューションになると思われる。





ホーム新着情報データベース関連書籍|基礎知識|用語集
 道の駅イベントスケジュールユーザーレポートお問い合わせサイトマップ







Copy Right キャンピングカーファン Since 2009