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ライトキャブコン比較:ライトエースキャブコン

ライトキャブコンというカテゴリーが注目されている。ライトキャブコンという意味づけに正確な定義は無いが、キャブコンのなかでも比較的小型のキャブ(ベース車)を用いたキャブコンがそれにあたる。具体的にはマツダボンゴと日産バネット(ボンゴOEM)、そしてトヨタライトエース(あるいはタウンエース)といったところであろう。ライトキャブコンの良いところは、取り回しの良い手頃なボディーサイズと広い居住空間。シェルを架装しているだけあって、バンコンには無い広い居住空間を確保できる。欠点は非力なエンジンにシェルの重さが加わって動力性能が悪い点。高速道路や登坂路では辛い場面もある。今回はボンゴ/バネットより小型で軽よりも余裕のあるライトエース/タウンエースをベース車にしたライトキャブコンを特集する。

ライトエース/タウンエースとは
現在のモデルは6代目で2008年1月に発表された。1.5リッター4速ATと5速MTがあり、それぞれに2WDと4WDがラインアップされる。グレードはDXと上級グレードの"Xエディション"がある。"Xエディション"はパワードアロック、パワーウインドウ、リモコンキーレスエントリー、そしてボディ同色カラーバンパーが付く。ライトエースとタウンエースは販売チャンネルが異なる、いわゆる兄弟車でスペックの違いは無い。ボンゴ/バネットをベース車として使用するキャンピングカーのほうが数量的には多いが、最近ではライトエース/タウンエースの取り回しの良さに注目したバンコン、キャブコンが増えてきている。今回紹介するキャブコンもボンゴ未満、軽以上のポジションをうまく使ったモデルである。

ライトエース/タウンエースライトキャブコンキャンピングカー比較
今回はエートゥゼット アレン/アレンTypeU、オートショップアズマ エム ホルーヴァ、かーいんてりあ高橋 ネオ・ユーロ、キャンピングカーフジワラ アスカ、セキソーボディ トム23/トム23S、バンショップミカミ Dテントむしの6社8車種を比較する。

エートゥゼット アレン/アレンTypeU











アレンシリーズには、アレンと、2011年に登場したアレンType2がラインアップされている。両車共通のシェルを持つが、バンクが大きく張り出していないスラントバンクを採用。見た目にもスマートなシルエットを持つ。ただ、その分バンクでの就寝は考えられておらず、バンク部は収納庫として設定されている。アレンは中央エントランスで、4名対座ダイネットと後部2段ベッドの一般的なレイアウトを採用。後部2段ベッドは上段が1740x700x720mm、下段が1740x700x539mmという大きさで、子供用として設定されているが、少々窮屈ながら大人でも就寝できないことは無い。ダイネット展開するフロアベッドは1880x1225mmと家庭用セミダブルベッドの大きさで、こちらは大人2名が就寝可能。
アレンType2は、アレンの後部2段ベッドがハイマウントベッドに変更されており、その下は大きな収納庫になっている。ハイマウントベッドは1750x760mmであるが、延長用ボードを追加することにより1750 x1170mmになる。 ただし、この場合は延長ボードがギャレー上に設置されるので、ギャレーは使用できない。インテリアは木目調の家具と暖色系のシート柄で明るいトーンに変更されている。
両車とも後部ベッドの身長方向は1,750mmなので身長の高い人はちょっと難しいが、ここで就寝できるようならカップルにもお勧めである。後部ベッドが常設ベッドとして使用できるので、ダイネットをそのままにして就寝することができる。

全長4620
全幅 1840
全高 2500
乗車 6名 就寝 2名+子供3名
3,885,000円(2WD 4AT)











                           上4点 アレン




















                       上4点 アレンTypeU


オートショップアズマ エム ホルーヴァ










シェル+ポップアップルーフの組み合わせを持つモデルで、ポップアップルーフは片側だけが高くなる通常のポップアップルーフと、前後が両方とも持ち上がるエレベーターポップアップルーフを選べるというユニークなルーフ構成。ポップアップルーフを下げた場合でも車高は2,270mmになるので、高さ制限のある駐車場には微妙に入れないところもある。ポップアップルーフを下げればスタイリッシュなフォルムとなり、車体の重心も低く抑えられるので、高速で大型車に追い抜かれるようなシチュエーションでも比較的安定した走りが期待できる。一方、目的地に着いて寛ぐ場合は、ポップアップルーフを持ち上げると最高部で2,050mmの高さを確保できるので広々とした室内空間となる。エレベータールーフのほうは昇降部全体の室内高が1,860 mmとなる。ポップアップルーフはどちらのスタイルでもポップアップしたルーフベッドで就寝可能。レイアウトは、対座ダイネットと、後部にハイマウントベッドのレイアウトを与えられている。ダイネットは2名対座のものに加え4名対座仕様(6名乗車仕様)が追加された。ダイネットはベッド展開するとフロアベッドになるが、2名の対座式でベッド展開すると750x1,800mmの大きさ。4名対座の場合はこれの約倍の大きさである。後部ベッドは身長方向(車幅方向)の制限から子供用の位置付け。ルーフベッドは1,150x1,800mmで家庭用セミダブルベッド大。大人も十分就寝できる。 跳ね上げ式の調理スペースを持つギャレーはシンクの大きさも十分で、本格的な調理も可能。収納は後部ベッド下に大きなスペースが用意されており、長期のクルマ旅にも対応できる。また天井サイド全面に付けられたオーバーヘッド収納は小物の整理に便利で、全体的に高いスペース効率を誇る。 後部常設ベッドが子供用であることから、子供を持つファミリーに向いているレイアウトと言える。全長 4500
全幅 1800
全高 2270
4名乗車仕様:乗車 4名 就寝 2名+子供2名   
6名乗車仕様:乗車 6名 就寝 3名+子供1名
3,738,000円(ポップアップルーフ 2WD 5MT)






















かーいんてりあ高橋 ネオ・ユーロ










日常でも女性が使いやすいように、車幅をキャブ部より広くしていないところがこのモデルの特徴。小型のキャブ部を生かし、取りまわしが楽。ただし車高は2.6mあるので、高さ制限のある駐車場には入れない。取り回しが楽な分、車高があることを忘れてルーフをヒットさせないよう注意が必要である。
外観は円弧を描いたようなかわいらしいシルエットを持っているが、後部に行くほど高くなる形状で、室内高は1.8mを確保している。レイアウトはリアエントランスを採用しており、広いダイネットスペースを持っている。4名対座のダイネットシートに加え、サイドソファもあるので、家族全員がゆったりとテーブルを囲むことができる。ベッドは1,900×1,500mmのバンクベッドとダイネットを展開するフロアベッドで、計4名が就寝できる。バンクベッドはポップアップルーフと異なり、断熱性のある素材で作られているため、寒い冬でも安心して就寝できるのが長所である。カップルで使用するならバンクベッドを常設ベッドにしておくと、就寝前にいちいちダイネットを展開してベッドにする必要は無い。もう一つ特筆できるのはマルチユースルームの存在だ。トイレが積んであってもトイレルームが無ければ、事実上使用するのは気がひける。ネオ・ユーロのマルチユースルームはトイレルームとしても十分実用になる広さが確保されている。大型の収納庫が無く、またオーバーヘッド収納も無いので、全体的に収納力が低いのが気になるが、マルチユースルームをトイレとして使用するとき以外は収納庫として使うなど工夫が必要だろう。無機質で殺風景なインテリアは多少デザイン性に欠けるが、コンパクトなボディの割に充実した装備であることは特筆される。

全長 4490
全幅 1690
全高 2580
乗車 6名 就寝 4名
3,916,500円(2WD 4AT)





















キャンピングカーフジワラ アスカ(明日香)










同社が販売するアレンのOEMモデル。従って、レイアウトや基本的な装備はアレンと同じ。インテリアの色やシートの柄が異なるので好みのほうを選択すればよい。インテリアはアレンがシックなグレーを基調にしているのに対し、アスカは木目調で明るい雰囲気にまとまっている。レイアウトは4名対座のダイネットと後部に2段ベッドを備えている。2段ベッドは1,740x700mmで高さは上段が720mm、下段が530mm。一応大人用のベッドとしてカウントされているが、身長のある人には窮屈かもしれない。メインベッドはダイネットを展開するフロアベッドで、こちらは1,880x1,220mmで大人2名が余裕で就寝できる。
バンクは1,600x1,370mmで基本的に収納庫の位置付けだが、子供の就寝も可能としている。ギャレーもアレンと同じで、大きなシンクと跳ね上げ式の延長調理台で本格的な調理が可能。電子レンジの収納スペースもはじめから用意されているので、電子レンジはオプションではあるが是非装備したい。なお、FFヒーターやインバーター、電子レンジが標準装備された「アスカIN」というモデルもある。

全長 4620
全幅 1840
全高 2500
乗車 6名 就寝 3.2名
3,890,000円(2WD 5MT)
























セキソーボディ トム23/トム23S









                            トム23
トム23とトム23Sは、張り出したバンクを持たないスリムなシェルを採用。トム23がリアエントランスなのに対し、トム23Sは中央エントランスである。トム23は後部エントランスの代表的なレイアウトで、テーブルを挟んだ4名対座ソファとロングソファで構成される広いダイネットを持ち、後部にギャレーを配置している。ダイネットとギャレーの間にマルチユースルームも設ける。
一方トム23Sは後部をフルに使ったUの字型ラウンジソファを持つダイネットで、ギャレーは前部に設置している。しかし最も異なるのがベッドで、トム23はダイネット展開してベッドとするフロアベッドのみであるのに対し、トム23Sのベッドはダイネットを展開するフロアベッドに加え、バンクベッドも装備している。このベッドは、張り出したバンクがない分、車体後方まで伸びている。また、後部にも跳ね上げ式のベッドボードが設置されており、ここでも1名就寝ができる。
収納はどちらもオーバーヘッド収納を持つので小物の整理はできるが、独立した収納庫は持たないので、大型の積載物は収納場所が無い。トム23はマルチユースルームを持つので、トイレとして使わない場合は収納庫として使用できる。


全長 4850
全幅 1920
全高 2630
乗車 6名 就寝 3名+子供2名名
3,790,000円(2WD 5MT)











上5点 トム23S










バンショップミカミ Dテントむし









軽キャンピングカーのテントムシを大きくした(Dはでっかいの意味)モデルで、テントむしと同様外装のカラーリングを15色から選ぶことができる。Dテントむしの特徴はエレベーション式のポップアップルーフを備えていることで、ポップアップルーフを下げた場合は全高が2,090mmまで下がり、高さ制限のある駐車場にもほとんど問題なく入れる。車幅が1,880mmとハイエースのワイドボディーと同じくらいあるので、ライトエースそのものの取り回しのしやすさが多少犠牲になっているが、十分街乗りが可能。一方ポップアップルーフを上げると、昇降部全面が1,800mmの高さになり、広々とした空間が出現する。レイアウトは中央エントランスで4名対座のダイネット、その横にギャレーというオーソドックスなものであるが、使いやすいレイアウトである。ベッドはダイネットを展開するフロアベッドがメインのほか、ルーフベッドでの就寝も可能。ルーフベッドは1,400ox1,840oなので、2名就寝もできる。また、後部にはオプションで2段ベッドを設置することもできるので、子供がいるファミリーでもゆったりとした就寝が可能。収納は後部に2段ベッドを設置しなければ、大きな収納スペースとして使える。オプションだが後部に大きなハッチを付けることも出来る。

全長 4550
全幅 1880
全高 2090
乗車 6名 就寝 3名
3,480,000円(2WD 5MT)































比較表

車名 アレン エムホルーバ ネオ・ユーロ アスカ トム23 Dテントむし
乗車人数 6 6 6 6 6 6
就寝人数 2+3 3+1 4 4 3+2 3+(2)
シェル架装
ポップアップルーフ - - - -
FFヒーター
サイドオーニング
サブバッテリー
走行充電システム
外部100V入力
バッテリー増設 - -
インバーター
外部100V充電
ルーフベンチレーター -
ガスコンロ -
シンク
レンジフード - - - - - -
冷蔵庫
40リッター

40リッター

30リッター

40リッター

15リッター
給水タンク
20リッター

20リッター

20リッター

20リッター

10リッター
排水タンク
20リッター

20リッター

20リッター

20リッター

10リッター
電子レンジ -
ハイマウントベッド - - - - -
二段ベッド - - -
ルーフベッド - - - -
バンクベッド - - -
オーバーヘッド収納庫 - -
多用途ルーム - - - -
トイレ
カーテン -
ソーラーシステム - - -
価格(税込:円) \3,885,000* \3,7388,000 \3,916,500* \3,890,000 \3,790,000 \3,480,000

 *は4AT ●は標準装備 ▲はオプション -は設定なし

まとめ
ボディタイプから言うと大きく分けてハードシェルを持ったものとポップアップルーフを持つものに分かれる。前者はアレン/アレンTypeU、ネオ・ユーロ、アスカ、トム23/23Sであり、後者はエム ホルーヴァとDテントむしである。ポップアップルーフのモデルは車高が低くできるので、高さ制限のある駐車場でも入っていけるし、寛ぐ場合はポップアップルーフを上げれば高い天井高を確保できる。しかし、ルーフはテント生地でできているため、寒さや風雨を完璧に凌ぐことはできない。一方ハードシェルのモデルは地下駐車場などに入る場合の高さ制限を気にする必要があるが、断熱性のあるルーフで冬や雨の日も快適に過すことができる。普段の街乗りにも使用したい場合はポップアップルーフ、冬でも積極的に出かけていく場合はハードシェルが適している。
もう一つの分け方はレイアウト、特にベッドである。今回取り上げたようなライトキャブコンでは後部ベッドはいずれも身長方向(車幅方向)が1,750mm程度しかなく、大人が就寝するスペースが十分確保できない。従って、ハイエースワイドボディ以上のバンコンやキャブコンでよくある後部常設ベッドのレイアウトは取れない。例えば、小学生程度のいる4人家族で使う場合、ダイネットをそのままにして就寝できるのはポップアップルーフを持つエム ホルーヴァとDテントむしとなる。もし大人がそれほど身長が高くないなら、アスカの後部2段ベッドで大人が、バンクベッドで子供が就寝できるかもしれない。
カップルで使う場合は子供用常設ベッドがあるモデルはスペース効率が良くない。折角2人で広く使えるのだから、常設ベッドがあるモデルとなると、ポップアップルーフでルーフベッドを持つ2車か、バンクベッドを持つネオ・ユーロあるいはトム23Sが良いだろう。天候に影響されることが心配なら、ポップアップルーフよりハードシェルの2車は勝っているが、ネオ・ユーロはトイレルームがあるので、ふたり旅にはより適したレイアウトではないだろうか。

(2012年3月17日)


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