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シチュエーション別キャンピングカー選び 第16回(前半)
エアコン装備のバンコン




夏場に望まれる装備がエアコン。
特に、バンコンはキャブコンと違い、鉄板で囲まれているので、車内の温度上昇は激しい。
キャンピングカーは断熱処理がされているとはいえ、やはり炎天下ではエアコンなしには過ごし難い。

昨今、家庭用エアコンを搭載するモデルが増えている。
これは、コスト、低消費電力、高効率などの要因により、キャンピングカー用としても実績が出てきたから。
しかし、中心はやはりキャブコンであり、バンコンでエアコンを搭載するモデルは、まだまだ少ない。

バンコンに家庭用エアコンを搭載する場合、大きな問題点が三つある。
そのひとつが、室外機の設置場所。
スペース的に余裕のないバンコンでは、室外機を置くスペースが限られている。

二つ目は、消費電力の問題。
省電力化が進む家庭用エアコンと言えども、キャンピングカーの装備となると、大電力を消費する装備である。
サブバッテリーで駆動できるとはいえ、数時間しか持たない。
サブバッテリーを気にせずエアコンを使おうとすると、外部電源か発電機に頼らざるを得ない。

三つ目の問題はコスト。
オプション設定されていることが多いが、エアコンを装備すると数十万円単位の出費となる。
稼働率から考えると、どうしても割高なオプションと考えられがちである。

ハイエースの場合、荷室部にも冷気吹き出し口があるので、エンジンをかけていれば、ダイネットやベッドでも快適である。
ならば、クルマのエアコンを使うということも考えられる。
しかし、やはりクルマのエンジンを長時間アイドリングさせてエアコンを使うというのは、環境面やマナー面からみても良いことではない。

このような問題はあるが、エアコンを使う環境が整いつつあるのも事実。
最近では、道の駅やRVパークでも100V電源の設備も整いつつあるので、このようなところではエアコンを気兼ねなく使うことができる。
また、サブバッテリーでエアコンを駆動するのは時間的な制限があるが、2個以上のサブバッテリーを搭載し、就寝前の数時間だけ使用するといった使い方もできる。
更に、大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載したモデルも発売されており、これならもっと長い時間連続駆動できる。

今回は、家庭用エアコンや一体型エアコンを搭載するバンコンモデルを集めてみる。
エアコン搭載に関する考え方にもいろいろあるので、大きく3つのグループに分類した。

●通常のサブバッテリーで駆動するモデル(ソーラーパネル付も含む)
・シャングリラ レクビィ
・ファイブスターブリーズ レクビィ
・バーデン グランデ トイファクトリー
・ACSソラネル RVビックフット
・マティアス/NV M.Y.Sミスティック
・ウインピュアシェルラ/プラチナム M.Y.Sミスティック
・マティアスC M.Y.Sミスティック

●リチウムイオンバッテリーで駆動するモデル
・インプラス キャンパー鹿児島
・レム セカンドアクト クロスバージョン キャンパー鹿児島
・ラグフォート RVウエスタン
・銀河 オーエムシー

●発電機で駆動するモデル
・スーパーエース テッツRVセンター

上記のモデルを今回と次回の2回に分けて紹介する。
今回は、上記のうち、通常のサブバッテリーで駆動するモデルを特集する。

●通常のサブバッテリーで駆動するモデル(ソーラーパネル付も含む)
もちろん外部100V電源でも駆動できるようになっており、その場合はサブバッテリーの残量を気にしないでもエアコンを使用することができる。
外部電源が無い場合は、搭載するサブバッテリーで駆動することになるが、実用上は最低でもサブバッテリーは2個必要。
その場合でも、フル充電で4時間程度の駆動が目安で、他の電気製品も併用すると、エアコンを駆動できる時間はもっと短くなる。

シャングリラ レクビィ
ハイエース スーパーロング スーパーハイルーフをベース車にした、ハイエンドバンコンで、優雅なふたり旅をコンセプトにしたモデル。家庭用エアコンを標準装備しており、室外機は右側後部のウインドウ部分に収納される。
スーパーハイルーフにより、天井高は大人が立ってもまだまだ余裕があり、ストレスの無い室内環境を誇る。
後部には完全防水されたシャワールームがあり、オプションで温水システムも可能。
エアコン駆動のために、サブバッテリーを3個標準装備している。


ファイブスターブリーズ レクビィ
ハイエース スーパーロングを使用し、縦置き2段ベッドを採用したファイイブスターに家庭用エアコンを標準装備したモデル。エアコンの設置方法はシャングリラと同様、右後部ウインドウ部分に室外機が設置される。エアコン搭載により、多少変更はあるが、レイアウトコンセプトはファイブスターと同じ。後部に完全防水されたユーティリティールームもある。
エアコン駆動のために、サブバッテリーを3個標準装備している。


バーデン グランデ トイファクトリー
ハイエース スーパーロングを使用した、同社を代表する豪華バンコンのバーデンに、家庭用エアコンを搭載したモデル。
室外機は、後部床下に寝かした状態で設置される。
室外機が室内のスペースに影響を与えないので、室内が居住スペースとして最大限に利用できるのがメリット。
サブバッテリーは2個標準搭載する。
バーデンは従来よりボディ両側と後部ハッチのガラス面をアクリルウインドウに変更するなど徹底した断熱対策がされており、エアコンの効率向上にも貢献している。



ACSソラネル RVビックフット
NV350キャラバンワイドスーパーロング、ハイエーススーパーロング、両方の車種で用意されている豪華バンコン。
いずれもハイルーフを架装しており、余裕のある天井高を持つ。
ACSは、同社が提唱するソーラーシステムを中心にしたオール電化システムの総称。
標準で290Wのソーラーパネルを装備し、IHコンロ、大型冷蔵庫などでオール電化を計っている。
サブバッテリーは2個標準装備。
家庭用エアコンはオプションだが、すっきりと取り付けられており、快適なクルマ旅が楽しめる。



マティアス/NV M.Y.Sミスティック
マティアスはハイエーススーパーロングベース、マティアスNVはNV350ワイドスーパーロングベースで、多少レイアウトは異なるが、両車ともファミリー向けのレイアウトを持つ。
マティアス/NVにはオプションで小型一体式クーラーが用意されており、後部右側ウインドウ部分に設置される。
本体は室内にあるが、冷却によって出た水は車外に排出されるようになっている。
ソーラーパネルにより発電された電気を車内で使用できるほか、社外にも100V出力できるのが特徴。
サブバッテリーは、エアコン駆動に備え、100Ahのものを3個まで搭載可能。(1個標準装備)


ウインピュアシェルラ/プラチナム M.Y.Sミスティック
ハイエース スーパーロングをベース車にした同社のフラグシップバンコン。
ハイルーフを架装したウインピュア シェルラ プラチナムも頂点にラインアップされている。
2列目シートはFASPシートが採用されており、対座ダイネット仕様。
後部は2段ベッドが装備される。
ダイネットを展開するとフロアベッドになり、ファミリーでも使用できるが、ふたり旅ならダイネットをそのままにして就寝できる。
マティアスと同様、小型一体型クーラーをオプションで装備できる。
サブバッテリーは2個標準装備され、オプションで1個追加可能。


マティアスC M.Y.Sミスティック
マティアスラインアップの中で、ハイエース標準ボディハイルーフをベース車に使用したモデル。
スーパーロングベースのマティアスのコンセプトとインテリアを、コンパクトな標準ボディに移植しているので、上位機種に劣らない高級感がある。
特筆は、標準ボディながらエアコンを装備すること。
同社の推奨する一体型エアコンは、家庭用のように室外機が無いので、このコンパクトなボディでも搭載できる。
実際、マティアスCは、ハイエースあるいはNV350キャラバンを含めても、標準ボディでエアコンを装備する唯一のモデルである。
取り付け位置はスーパーロング同様、後部右側の窓部だが、エアコンが違和感なく収まってる。
サブバッテリーは1個が標準装備され、オプションで計3個まで搭載可能。





次回は、チウムイオンバッテリーで駆動するモデルと発電機で駆動するモデルを取り上げる。






2015.06.16







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