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キャンピングカーの種類

キャンピングカーの定義
一般的に、キャンピングカーとは車内で寝泊りできるような設備を持ったもクルマのことを指す。しかし、法律上でのキャンピングカーは道路運送車両法の特殊用途自動車という分類にあてはまるものを指し、ナンバープレートは8ナンバーとなる。この場合は、一定人数(乗車定員の3分の1)が寝泊りできるフラット(凸凹の高さの範囲制限もある)なシートを持つこと、調理施設がありその前の高さは一定規準を満たしていること、など細かい規定がある。キッチン部の天井が凹んでいたり、床下収納庫のように掘ってあったりしたら、それはキャンピングカーの構造要件を満たすためのものである。構造要件を満たしたものは8ナンバー登録ができ、税金面で多少有利になる。ただし、販売されているキャンピングカーは全て法律上のキャンピングカーの構造要件を満たしているかといえばそうではなく、構造要件に縛られない装備で特長を出している場合もある。これは法律上のキャンピングカーに分類されないが、もちろん合法であり、最近の軽車両をベースとしたものなどは法律上のキャンピングカーの構造要件を満たさないモデルも多い。

キャンピングカーの種類
キャンピングカーと一言で言っても、いろいろな形態がある。この形態はキャンピングカーの作り方(構造)から分類されることが一般的で、ハイエースなどのバンをそのまま使用している「バンコン」や、トラックのキャブ部分(運転室)を残し、荷台部分に居住部を架装した「キャブコン」、あるいはマイクロバスをベース車に使用した「バスコン」などといった分類がされる。ちなみに、「バンコン」などの「コン」というのは「コンバージョン」(改造とか改装の意味)の略。このほか、ピックアップトラックの荷台に居住ユニットを積んだ形の「ピックアップキャビン(あるいはトラックキャンパー)」、自身はエンジンを持たず、動力車に牽引される居住部分を持つ「トラベルトレーラー」などがある。

バンコン
トヨタハイエースやライトエース、あるいはニッサンNV350キャラバンなどのバンやワゴンをベースに内装を組み付け、キャンピングカーにしたもの。ルーフを切り取って天井部分にハイルーフを架装したりしたり、ポップアップルーフを装備するものもある。現在では、全長、車両幅、ルーフ高さの組み合わせで多様な車種構成を誇るハイエースと、2013年にフルモデルチェンジしたNV350キャラバンがバンコンベース車の代表格で、多くのビルダーが手がけている。2013年にはハイエースのスーパーハイルーフが発売され、居住空間ではキャブコンに迫るモデルも出てきた。一方、近年取り回しの良さや価格面から、トヨタライトエースや日産NV200バネットなども、キャブコンのベース車として一般化している。バンコンはオリジナル車両をほぼそのまま使用するため、比較的低コストで製作できること、狭い道が多い国内の道路事情に対応しやすいことが受けて、国内ではこのタイプがキャンピングカーの主流となっている。日常の買い物や通勤にも使いたいという要望から、できるだけキャンピングカーらしくない外観が要求されるという要因もある。価格はハイエースベースのもので300万円代からあるが、主流は400万円〜700万円。ライトエースやNV200キャラバンベースのもので200万円台〜400万円といったところである。


スーパーロングを使用したMYSミスティック ウインピュアシェルラ スーパーハイルーフを架装したホワイトハウス タイムマシン

ポップアップルーフを装備した キャンピングカー広島 プレシャス ハイルーフを架装したレクビィ ハイエースプラス MR-H


ニッサンNV350キャラバンを使用した日産ピーズフィールドクラフト グレイシャー  ライトエースベースのタコス ハナ2

キャブコン
トヨタカムロードやいすゞビーカムなど、トラックのキャブ(運転席部分)とシャシーを使用し、シャシーに居住部分を架装したもの。居住部分はベース車とは完全に別のユニットとなるため、ビルダーのオリジナリティーが出せる。居住部分の体積を最大限に取るため、おのずと箱型になる。このため一般的には見るからにキャンピングカーという外観のものが多いが、バンコンに比べ広さと装備を充実させやすい特長がある。なお、動力性能とトラックベースでないことの優位性を考えて、ハイエースの運転席部分だけ残してボディーカットしたものに居住部分を架装したものもあるが、これもキャブコンに分類される。一般的にコストはトラックベースのものより高価になる。最近の傾向では、取り回しの良さと価格面、そして居住性の優位性からライトエースやNV200バネットベースのキャブコンが各社から発売されている。従来はキャブ部分の上に張り出したバンクが外観上の特徴だったが、最近ではバンクを無くし、スマートな外観がトレンド。なお、軽トラックベースのキャブコンもあるが、こちらは後述の軽キャンピングカーで解説する。

マツダボンゴベースのロータスRV販売 マンボウアバンギャルド     トヨタカムロードベースのセキソーボディ プログレス  


トヨタハイエースベースのファンルーチェ セレンゲティ    NV200バネットベースのエートゥゼット アルファ


バスコン
日産シビリアン、トヨタコースターなど、主にマイクロバスをベース車両に使用したキャンピングカー。バスの乗り心地の良さと圧倒的な広さを実現できる。バスコンには、バスの車体を大きく改造せずそのまま使用したものと、運転席周りのみ残し、後部をボディーカットして専用居住部分を架装したものがある。当然後者のものがよりキャンピングカーとしての適応度は高いが、高価になる。バスをそのまま使用する場合でも、インテリアとの兼ね合いや防寒の面から、窓はふさぐケースが一般的。バスコンは国内のビルダーのフラグシップモデルとしてラインアップされるケースが多く、豪華な装備が施されたモデルが多い。価格は1,000万円超レベルとなる。









日産シビリアンベースのフィールドライフ ルーツ    トヨタコースターベースのRVビッグフット シェリト


フルコン
専用のシャシー(エンジンと駆動系がついただけのもの)に運転席や居住部分全てを架装したキャンピングカー。国産のものは極めて少ないが、北米ではクラスAと分類され、一般的なキャンピングカーのタイプ



       モーターホーム用シャシー          数少ない国産フルコンの一つ マックレー ファビュラスV700

である。大型のボディーとなるため、日本の道路事情やパーキング設備には対応し難く、需要も極めて限られている。価格は1,000万をはるかに超える。









         ウイネベーゴ(米国) ツアーウイネベーゴ              ツアーのインテリア



トラベルトレーラー
唯一自走できないキャンピングカーである。一般的には乗用車やRV車に牽引される形となる。トラベルトレーラーの優位点は、牽引車を通常は日常の足として使用していながら、レジャーの場合はトラベルトレーラーを牽引することにより、キャンピングカーとして使用できること。更に目的地に着いてからトレーラーを切り離し、動力車だけで行動できるのもメリットである。目的地でトレーラーで暮らす長期滞在型の使用に向いている。総重量750Kg以下なら牽引免許は不要で普通免許で牽引できる。特に欧州ではトラベルトレーラー(キャラバンという)が主流で、普通の乗用車で牽引する姿をよく見かける。欧州では中型〜大型のトレーラーが主流で、750Kg以下のものはほとんど見かけない。国内では道路事情やパーキング事情(通常留めておくための駐車場も含め)からキャンピングカーの主流ではないが、徐々に増えつつある。最近ではバンショップミカミのコロのように、軽キャンピングカーとデザインを統一したトラベルトレーラーが発売されている。トレーラー自身はエンジンが付いていないので、小型のものなら200万円程度と比較的安価に購入できる。









           T. Globe 16ft

  インディアナRV アイキャンプジャパン











            数少ない国産とラベルトレーラー バンショップミカミ コロ


ピックアップキャビン
トラックの荷台部分に居住部を搭載した形のキャンピングカー。トラックキャンパーともいう。このタイプの特長は、居住部分を載せたり下ろしたりできることで、通常はトラックとして使用しながら、レジャー時はキャンピングカーとして使用できることである。北米に多いが、国内ではまだ数少ない。取り外した居住部を置いておく場所の確保も必要である。しかし、ベース車の改造が必要ないことはコスト的に大きなメリットで、トラックユーザーなら手軽にキャンピングカーライフを手に入れることができる。









               MYSミスティック J キャビンミニ(左)とJキャビンF(右)


軽キャンピングカー
今やすっかりキャンピングカーの一翼をを担うカテゴリーとなり、多くのビルダーが手がける。どこへでも入っていける気軽さと、手ごろな価格が受けている。軽キャンピングカーといっても、軽車両をベースにしたモデル全般を指し、キャブコンやバンコンなどのスタイルが存在する。軽バンコンは軽のバンやワゴンをベース車に、内装のみ架装したモデルが多く存在し、価格的には最も有利な仕様である。しかし、やはりその居住性には限界があるため、ルーフをポップアップ仕様にしたモデルも発売されている。この場合は、天井高が格段に高くなり、大きな開放感を得ることができる。更に軽キャブコンになると、スペースや断熱性も有利になる。バンコン同様、キャブコンスタイルでも居住性の改善のためポップアップルーフにしたモデルが目立つのも軽キャブコンの特徴である。なお、軽キャブコンの場合、シェル部(居住部分)を大きくして普通車登録となるモデルも存在する。居住性は改善されるが、税金面では不利になるので、注意が必要。また、ベース車が非力なため、あまり大きなシェルを仮装すると動力性能に影響することも軽キャブコンの問題点でもある。









     オートショップアズマ ラクーン              ホワイトハウス マイボックスポップアップ


乗用車ベースベースキャンピングカー
普通の乗用車(主にミニバンやSUV)をベースに、内装や外装をキャンピングカー仕様にしたもの。通常の乗用車がベースなので、運転しやすさ、乗り心地などに優れる。ハイエースベースやトラックベースのキャンピングカーでは、どうしても商用車のイメージが拭いきれないため、乗用車感覚の快適性をキャンピングカーに求めるユーザーに支持されている。ミニバンといえどもスペース効率は本格的なキャンピングカーには劣る。そのためルーフ架装するケースもある。ルーフ架装する場合、大きく分けてポップアップルーフを装備したものと専用シェルをルーフに搭載したものがある。ポップアップルーフの場合は、一見するとノーマル仕様と見分けが付かないため、ファーストカーとして日常使用する場合に適している。


ホワイトハウス フリースタイルポップ(左)   カトーモーター プレアリー(左) 
かーいんてりあ高橋 プリウスリラックスキャビンPHV(下)


一方、専用シェルを搭載する場合は、断熱性や防音性に優れ、あるいはまた天候に影響されることが無く、本格的なキャンピングカーに近いものとなる。シェルを搭載する場合、バンクベッドがあると、限られた室内スペースながらゆったりと就寝することができる。室内装備では、ギャレーを搭載する他、FFヒーター、サブバッテリーを搭載することも可能。

輸入キャンピングカー
輸入車とひとくくりにして一つのカテゴリーにするのは、本当は正しくない。輸入車にもバンコンやキャブコンなどのカテゴリーがあるため、本来はそのようなカテゴリーに沿って分類すべきだが、ここでは、数も限られているので、輸入車というカテゴリーでまとめてしまう。なお、欧米ではバンコンバージョンとかキャブコンバージョンといった名前ではなく、クラスA(日本でのフルコンにあたる)、クラスB(同バンコン)、クラスC(同キャブコン)というカテゴリー名になっている。また、トラベルトレーラーは米国ではトラベルトレーラー、欧州ではキャラバンということが多い。

欧米と日本では道路事情、交通事情、あるいはキャンプ場事情が大きく異なるため、キャンピングカーを取り巻く文化も大きく異なる。欧米では「キャンピングカー」とは言わず、「モーターホーム」、「キャンパーバン」、あるいは「RV(Recreation Vehicle)」という言い方が一般的である。モーターホームというのは比較的大型で豪華な装備を持つ。すなわち「ホーム:家」という感覚であり、「カー:クルマ」という感覚ではない。(ここではキャンピングカー」で統一する)    また、キャンピングカーの使い方も大きく異なる。日本では比較的短期の使用が多いと思われるが、欧米では長期の休暇に出かけ、数週間の滞在も普通である。動く別荘と考えると分かりやすいかもしれない。

小型車を収納できる
Volkner Mobil Performance(輸入されていない)

長期滞在するので普通に生活できる装備が必要で、広いリビング、本格的に調理できるキッチン、独立した大きなベッド、そして温水シャワーはほとんどあたりまえに搭載している。最近の傾向としては、バイクや小型乗用車を収納してしまうキャンピングカーが相次いで発表されている。欧米でドライブすると、乗用車を連結しているキャンピングカーを見かけることがある。旅先の移動手段に乗用車も持っていく、という発想だ。またトラベルトレーラーが多いのも、このような理由からである。トラベルトレーラーなら旅先でヘッド(牽引車)をトレーラーから切り離して、自由に動き回ることができる。やはり同じ理由から、欧米のトレーラーは大型で豪華なものが中心である。
 乗用車は"持って行く"という発想

このようなバックグラウンドがあるため、内装は極めて豪華に作られているものが多い。すなわち、輸入キャンピングカーの特長は、内装の豪華さ、である。日本へ輸入されているキャンピングカーは、中型、小型のものが大半で、大型のものは少ないが、中型、小型であっても、内装の充実は変わりないと言える。
米国ウィネベーゴ社のキャンピングカーは数少ない超大型輸入キャンピングカーの一つである。なかでもアスペクト30Cは3ヶ所がスライドアウトするボディーにより、スライドアウトするとまるで家の中にいると錯覚するくらい広くなる。


トラベルトレーラーは小型から大型のものまで比較的選択肢がある。
トラベルトレーラーはもともと国産のものが少ないため、小型のものでもほとんどが輸入車になっている。
 ウィネベーゴ(USA) アスペクト30C(ニートRVのHPから)

自走式キャンピングカー、トラベルトレーラーとも、日本への輸入車の中心は中型、小型車である。デスレフ、アドリア、ハイマー、ロードトレック、バーストナーなど、比較的多くのメーカーから輸入されている。比較的小型の自走式でも900万円程度のものが主流で、国産のキャブコンより高価であるが、その豪華な仕様と国産モデルには無いインテリアで、輸入車のテイストを好むユーザーに支持されている。国産のバンコンやキャブコンにも洗練されたインテリアを持つものが多くなってきたが、輸入車はやはり一味違うものがある。また、国産のバンコンやキャブコンでは温水やシャワー装備が無いものが多いが、輸入車では多くの車種で標準装備になっている点も特徴の一つである。キャンプではなく、長期のクルマ旅がメインのユーザーは、本場のモーターホームを検討するのも良いかもしれない。


   アドリア社(スロバキア)のソニックスプリーム










  ロードトレック(カナダ)のロードトレック190バーサタイル









       バーストナー(ドイツ)のネッソ

一方、トラベルトレーラーも、大型のものから小型のものまで、各種輸入されている。たが、日本ではトレーラーを引く文化がまだ少ないのと、やはり道路事情、駐車場事情がネックになって主流とはなっていない。トラベルトレーラーは輸入モデルが多いが、小型のものも比較的多くあること、上級モデルと同様インテリア性が高いこと、そして価格的には自走式よりはるかに安価なことがあり、低コストで高い居住性を手に入れるには最も適していると言える。確かにトレーラーを牽引するというのは二の足を踏む要因ではあるが、小型や中型のものなら比較的扱い易いし、別の観点からすればトレーラーを引く姿はステータスでもある。滞在型が中心というユーザーは一考の価値があろう。なお、国内でトレーラーを牽引する場合は、750Kg以上のものについては牽引免許が必要となる。

比較的小型のトラベルトレーラーは、アドリア社(スロベニア)、ハイマー社(ドイツ)、ホビー社(ドイツ)、バーストナー社(ドイツ)、エアルトリーム社(アメリカ)、カシータ社(アメリカ)(日本ではトランキルグローブ社がT.Grobeとして販売)などのモデルがある。ただ、最近では日本の牽引免許不要の上限である750Kgに収まるものは少なくなっているのが現状である。トレーラーは本国での需要の多さから、圧倒的に欧州からの輸入が多い。インテリアの雰囲気も、従って豪華な欧州テイストのものが多くなっている。また、小型ながら温水シャワーの装備を持つものを選ぶことができ、装備は充実したものになっている。








           バーストナー社(ドイツ)のプレミオ(バーストナージャパンのHPから)


        アドリア社(スロバキア)のアビバ









        ホビー社(ドイツ)のDe luxe(トーザイアテオのHPから)










    カシータ社(USA)のCasita16ft(トランキルグローブ社のHPから)










     エアストリーム社(USA)のSPORT(エアストリームジャパン社のHPから)









      フェント社(ドイツ)のTOPAS(トイファクトリーのHPから)

大型のトラベルトレーラーは、輸入されてはいるものの、道路事情や保管場所の問題で、ユーザーはあまり多くない。(保管場所を提供している販売元もある) 多くのユーザーは中型のものまでに限られているのが実情である。ただ、750Kgに収まるモデルが少なくなってきたため、無理して牽引免許不要のものを選択するより、牽引免許を取得して中型のものを選択する傾向もある。








       ホビー社(ドイツ)の Excelsior(トーザイアテオのHPから)









   エアストリーム社(USA)の Classic Limited(エアストリームジャパン社のHPから)








        バーストナー社(ドイツ)のベルカント(バーストナージャパンのHPから)



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