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タコス ベリー 




ベリーはタコスが製作するハイエース標準ボディを使用したキャブコン。
実は、ハイエース標準ボディを使用するキャブコンはモデル数が少なく、このベリーの他にはセキソーボディのトム200しか存在しない。
全長5mを切るハイエースベースキャブコンを見ても、ワイドロングを使用するファンルーチェのセレンゲティと上記2モデルの計3モデルしか存在しない。

これは、キャブコンではボンゴ、NV200、ライトエース/タウンエース、そしてカムロードベースなどトラックベースが主流になっているのが理由。
ハイエースをキャブコンに仕立てるには、大幅なボディカットが必要であり、当然、手間やコスト的には不利となる。
このような状況から、ハイエースベースのキャブコンはモデル数が少なかったと言える。

しかし、ハイエースの持つミニバン的な雰囲気や、ドレスアップの多様さは魅力的で、やはりトラックベースには無い魅力を持っている。
実はハイエースでもスーパーロングベースのキャブコンは10モデル近く発売されている。
しかし、これらは比較的上級車種に位置し、ボディカットのコストが吸収できる価格帯のものが中心であった。

(写真上:ベリーの室内)

さて、ベリーであるが、ハイエース標準ボディをベース車に登場した。
人気のハイエースベースで取り回しの良いキャブコンを実現したのである。
その秘密は謳い文句の「二重構造」という言葉にある。
いままでのボディカットでは、後部ボディパネルを全て取り除いていたが、ベリーでは、ルーフのみカットして、ボディパネルは残しているのである。
即ち、本来のボディの外側にシェルをかぶせたようなイメージだ。
キャブコン用のボディパネルは、ハイエースの元のボディパネルの外側に新たに設けている。


これが「二重構造」の意味だが、メリットとデメリット両方あると言える。
まず、メリットは、断熱効果が高くなること。
そして強度的にも有利と言える。

デメリットは室内空間が元のハイエースの車内サイズに制限されること。
ただし、言われなければ室内のイメージはキャブコンのそれであるし、取り立てて狭いと感じるわけではない。
また、天井はシェルの高さになっているので、十分高い天井高を確保しており、狭苦しさはない。
室内はデザイン的にも実にうまく作りこんであると言える。

ベリーのレイアウトは、前部に対座式ダイネット、後部にギャレーで構成される。
2列目に前向き、後ろ向き、フラットに設定できる自在シートを採用しており、前向きにセットして、計4名が前向き着座でドライブできる。
後ろ向きにセットすると、テーブルに向かってダイネットを形成するが、3列目に簡易シートが用意されており、4名でテーブルを囲むことができる。(写真下)
なお、3列目の簡易シートは横向きの単座シートにもなる。


ユニークなのがベッドで、他に類を見ない3段ベッドを形成できる。
一番下は2列目シートをフラットにして作るフロアベッドで、大人2名が就寝できる。
2段目はギャレーコンソールにベッドボードを渡して作る簡易ベッドで、子供2名が就寝可能。
最上段はオーバーヘッドコンソールの下部に設けられた支えにベッドボードを渡して作るルーフベッドで、ここにも大人2名が就寝でき、トータルで大人4名と子供2名が就寝できる。
これだけの就寝人数であれば、ほとんどのファミリーが許容できるだろう。
(写真下:中段と上段ベッド)


ギャレーは後部にあるが、ダイネット横からつながる一体感のある右側のコンソールは存在感がある。
後部には大き目のシンクが埋め込まれており、調理スペースも十分に確保されている。
また、下には40リッターの冷蔵庫も標準でビルトインされている。(写真下左)

対面する左側のコンソールには、電子レンジがビルトインされるほか、ポータブルトイレも収納される。
ユーティリティールームは無いので、トイレを使うときは緊急の場合と割切られているようだ。(写真下右)


特筆できるのが、家庭用エアコンが標準装備される点。
室内機はキャブ上に取り付けられており、バンクレスではデッドスペースとなりがちなキャブ上部の空間をうまく利用している。(写真下左)
また、室外機は、車体右側中央に、これもうまく収納されている。(写真下右)


更に、オプションのホンダ16iポータブル発電機を収納できるスペースも確保。
キャブコンの形態をとっているだけあり、発電機も違和感なく収納できる。(写真下)


収納は両側にオーバーヘッドコンソールや外部収納庫など豊富に用意されている。
ひとつ気になるのは、オーバーヘッドコンソールが全て棚である点。
走行中、収納物が散乱する心配があるので、扉を付けた方が良いだろう。(写真下左)
また、上部のベッドボードは使わない場合、専用の収納スペースに入れておくことができる。
中段のベッドボードはギャレーコンソールの上にまとめて置いておく感じで、こちらはちょっと邪魔になるかもしれない。(写真下右)


インテリアは同社のスーパーレコにも通じる、木の持ち味を生かしたもので、落ち着いた室内を演出している。
就寝定員から言ってファミリーで使用することを想定されているが、ふたり旅で使うのにも適している。
その場合は、2段目ベッドは不要で、最上部のベッドを展開すれば、ダイネットはそのままで就寝できる。
ファミリーで使用することを前提にしているモデルの場合、2列目シートが車内幅いっぱいに占領して運転席、助手席から車内後部への移動が大変な場合があるが、ベリーでは2列目シートを2人掛けとしているため幅に余裕があり、移動が比較的楽である。
夫婦で温泉巡りというシチュエーションでも、コンパクトなボディなので、温泉街の狭い道も入って行けるだろう。




ベリーの動画はこちら











2015.03.18




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