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セキソーボディ トムタンデム 
セキソーボディはキャブコンからバンコンまで幅広く扱うビルダーであるが、ハイエースベースのキャブコンも、ワイドボディから標準ボディまで手掛けている。
中でも、トムバロンはハイエーススーパーロングをベース車にし、同社のフラグシップの位置付けにある。
今回取り上げたトムタンデムは、同じハイエーススーパーロングを使ったキャブコンであり、外見的にはそれほど大きな違いは無い。(写真下左:トムタンデム、右:トムバロン)
また、前部に対座ダイネット、後部にハイマウントダブルベッド、中央にギャレーとユーティリティールームを配するレイアウトも、大きく変わらないように見える。
(写真下:トムタンデム)
(写真下:トムバロン)
しかし、価格はトムバロンが税別767万円、トムタンデムが667万円と100万円もトムタンデムが安価である。
一見お買い得バージョンのように見えるが、トムバロンとどこが異なるのかを見ながら、トムタンデムを解説したい。
まず、ベース車のハイエースだが、トムバロンはキャンパー特装車、トムタンデムはDXとなっている。
キャンパー特装車は、インパネ周りやシートがグランドキャビンと同じ仕様となり、高級感がある。
また、トムバロンでは標準で装備されているFFヒーターやサイドオーニング、カセットトイレなどはオプションになっている。
冷蔵庫は両車とも標準装備されているが、トムバロンは90リッター、トムタンデムは65リッターだ。
その他、トムバロンのサブバッテリーは2個標準搭載だが、トムタンデムでは2個目はオプションとなる。
更に、トムバロンでオプション設定されているルームエアコンや発電機は、トムタンデムには設定されていない。
トムタンデム | トムバロン | |
ベース車 | ハイエーススーパーロング | ハイエーススーパーロング |
グレード | DX | キャンパー特装 |
キャンパー特装へ変更 | 350,000 | - |
GLパッケージ | 96,362 | - |
フォグランプ | 28,200 | 標準装備 |
外部100V入力 | 60,000 | 標準装備 |
サブバッテリー | 2個目追加 35,000 | 2個標準装備 |
FFヒーター | 170,000 | 標準装備 |
カセットトイレ | 120,000 | 標準装備 |
サイドオーニング | 106,000 | 標準装備 |
2WD/6AT価格 | 6,670,000 | 7,670,000 |
上記オプション装着 | 7,635,562 | 7,670,000 |
即ち、トムバロンに標準装備されている装備をオプションで追加していくとトムバロンとあまり変わらない価格になってしまう。
その意味では、トムタンデムにオプションを多く付けて行くと、コストメリットを享受し難くなると言える。
インテリアは、やはりトムバロンのほうがゴージャスに見え、”BARON”=”男爵”、”貴族”、あるいは”王様”という名前にふさわしい仕上がりではある。
かと言って、トムタンデムのインテリアが貧相と言うことではなく、トムバロンのような重厚さではなく、センスが良くカジュアルなインテリアに仕上がっている。
その他の大きな違いは、車長がトムバロンの5,900mmに比べて、5,600mm、車幅は2,180mmに比べて1,980mmと、トムバロンよりコンパクトな車体となっていること。
トムバロンの6mに近い車長と2mを超える車幅は、スーパーの駐車場などでは、多少扱いにくいかもしれない。
その点、トムタンデムは気軽にコンビニやスーパーに寄れるし、女性も運転し易いだろう。
使うシチュエーションの想定が最も異なると思えるのが、2列目シートと後部ベッド。
トムバロンの2列目シートは後ろ向き固定であるが、トムタンデムは前向きにもセットできる自在シートを採用しており、ミニバンのように全員が前向きに乗車してドライブできる。(写真下:トムタンデムの対座ダイネット。2列目シートは前向きにもセットできる。)
また、トムタンデムの後部ダブルベッドには、折り畳み式の上段ベッドが用意されており、これを使うと、ダイネットを展開するフロアベッドとダブルベッドも合わせて、計5名就寝できる。(写真下左右)
即ち、トムタンデムはファミリーなど2名以上の乗車を積極的に想定しているのに対し、トムバロンは、どちらかと言うと夫婦でのふたり旅のような少人数の使用が想定されていると考えられる。
ギャレーコンソールは、どちらも丸型シンクのみビルトインされ、コンロはビルトインされていないので、卓上カセットコンロを置く必要があるが、トムバロンでは車長を生かし調理スペースは広い。(写真下右)
トムタンデムは、各20リッターの給排水タンクをギャレーコンソール下に収納するが、トムバロンは各50リッターの給排水タンクを持つ。
トムタンデムの冷蔵庫は65リッターが標準装備される。
ファミリーなら65リッター程度の冷蔵庫があれば、ちょっとした調理をすることができるだろう。
一方トムバロンには60リッターの冷蔵庫が標準装備され、余裕の大きさである。
旅先のお土産などを保冷しておくこともできるだろう。
収納はどちらも十分なスペースを持つ。
ベッド下は大きなトランクルームで、家族全員の荷物を入れても余りある。(写真下左:トムタンデム)
エントランス左側には、シューズボックスも用意されている。(写真下右:トムタンデム)
ダイネット上部、ギャレー上部、ベッドルーム上部にはオーバーヘッド収納が装備されている。(写真下左:トムタンデム)
また、キャブ上部はバンクベッドではなく収納スペースになっている。(写真下右:トムタンデム)
ユーティリティールームは完全防水になっているが、トイレはオプション設定されており、ポータブルタイプでも、カセットタイプでも設置できる。
あるいは、トイレルームではなく、収納庫として使っても良いだろう。
一方、トムバロンではカセットトイレが標準装備されており、より積極的なトイレルームとしての想定がされている。(写真下:トムバロンのトイレルーム)
空調装備に関しては、トムタンデムはFFヒーターがオプション設定になっている。
FFヒーターは、よほど夏しか出動しないなら不要だが、冬はもちろん、春と秋にも活用する場面は多いので、できれば装備したいアイテムだ。
また、トムタンデムには家庭用エアコンと発電機はオプション設定されていない。
これもトムバロンと異なるところである。
以上、トムタンデムを、トムバロンと比較しながら見てきたが、トムタンデムは、トムバロンほどの装備は不要で、トムバロンより取り回しが楽で、5名が前向きに座ってドライブでき、ファーストカー的にも使えるモデルを望んでいるユーザーへの、同社の提案と言える。
同時に価格的にも、トムバロンより手が届きやすい。
なお、同社のラインアップには、やはりハイエーススーパーロングをベース車にしたキャブコン、”タンデム タイプL”もラインアップされており、トムタンデムの登場によりセレクションの幅が広がったと言える。
トムタンデムの動画はこちら
2015.05.18
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