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Thor(ソアー) ベガス/アクシス




バックグラウンド
ベガス(写真上)とアクシス(写真下)は北米ナンバーワンブランドであるThor(ソアー)社が生産するモーターホーム。
ベガスとアクシスは姉妹車で、ベースは同じであるが、装備面や外観が多少異なっている。
アメリカンモーターホームと言えば、とにかく大きく、日本では扱いにくい印象があるが、ベガス/アクシスはここにRUVという新たなコンセプトを取り入れた。
RUVとはRecreational Utility Vehicleの略で、SUVに引っかけた造語である。
即ち、従来の重厚長大なモーターホームではなく、もっと機動性を重視して、活用機会を増やそうということ。
確かに、重厚長大なモーターホームでは、ちょっとした外出では乗り出すのが面倒だし、運転も気を使う。また、米国でも高まっている環境への意識からも、歓迎されない。


ベガス/アクシスはこのような背景から、アメリカンモーターホームを見直したゲームチェンジャーとして位置づけられ、話題となっている。
大きいことが良いことで、ガソリンも日本に比べると半分の米国でも、昨今のエコ思考がモーターホームにも影響してきたのは興味深い。
最も、そうはいっても全長8mに迫るボディでは、日本ではまだまだ超大型の部類ではある。
しかし、なんとか日本でも使えるアメリカンクラスAが誕生したことには違いなく、今まで欧州車が席巻していた輸入モーターホームの状況に切り込む可能性はある。

さて、ベガス/アクシスはクラスAに属するモーターホームである。
クラスAとは、車両メーカーが提供するエンジン付きシャーシーに、コーチビルダーがボディを架装して製作するもので、日本ではフルコンと言われている製作手法である。
エンジンはFord E-350のガソリン6.8L V10で、305hpの出力。 欧州車によく使われるフィアット デュカトの3L、177psエンジンに比べても相当大きいことが分かる。(1ps=0.986hp)。

エクステリア
外観上の特徴は、このコンパクトさの他に、大きなフロントウインドウ。
フルコンだから作れるオリジナリティある形状で、最近の欧州車のトレンドでもあるが、大きなフロントビューを持つ。
また、コンパクトになったとはいえ、スライドアウトもきっちり装備されている。
オーニングは電動。
シャワーも外部専用のものが用意されている。
更に、32インチのテレビが車外専用に装備されているのには驚かされる。

電源は4KWの発電機を搭載しているが、もちろん、外部電源入力も可能。
これで、ルーフエアコンや冷蔵庫を含め、全ての電気を賄う。
外部入力電源は北米の110V仕様だが、日本の100Vでも電気製品は動作するようで、欧州車のように昇圧する必要は無いようだ。

レイアウトとインテリア
インテリアで、まず目を聞くのが、回転式の運転席と助手席。
欧州車でも一般的な装備であるが、欧州車では180度回転して、後ろのダイネット用のシートとして使うタイプが多い。


一方、ベガス/アクシスのそれは、テーブルを挟んで対座できること。
ダイネットとは切り離して、この2脚だけでダイネットを作ってしまうという発想。
ちょっとした休憩では、むしろこの方が使い勝手がよさそうだ。
また、助手席にはスライドできるパソコンテーブルが装備されているのもユニークで実用的。



中央には、ストレートソファが置かれたダイネットがあり、このソファ部分がスライドアウトする。
ソファの対面にはギャレーと、エントランスの上部に28インチのテレビが設置される。
ギャレーコンソールには、3バーナー式のガスコンロ、電子レンジが装備され、その左には丸型のシンクがビルトインされる。
調理スペースが狭いように見えるが、跳ね上げ式のプレートがあり、これを上げるとエントランス部にはみ出した形で調理スペースが現れる。
ギャレーコンソールの右側には、170リッターの2ドア冷蔵庫がビルトインされる。



後部は、ベッドルームで、ツインベッドが置かれている。
ツインベッドの間には、引き出し収納も設置。
ツインベッドの隙間をクッションで埋めると、キングサイズのダブルベッドにもなる。
更にベッドルームにも32インチのテレビがセットされているので、テレビは計3台あることになる。
ベッドは、ここがメインベッドになるが、キャブ上には電動格納式のプルダウンベッドも搭載されている。
更に、ダイネットも展開してベッドになるので、スペック上は7名が就寝できるとなっている。


ベッドルームとダイネットの間にはバスルームがある。
ここは、扉を開けると、この扉が通路をふさいで、バスルームを個室化する役目を果たす。
バスルームには、陶器製カセットトイレとシャワーが装備されており、小ぶりのシンクもついている。
シャワーの温水は、電気とガス式の22リッター程度のボイラーで沸かし、水と混合して使う。


なお、本国では、後部がセカンドダイネットになっているレイアウトも存在するが、現在輸入されているモデルは、後部がツインベッドのモデルのみ。

その他
重厚長大だったアメリカンモーターホームに一石を投じたと言えるベガス/アクシスは、本国でも注目されているようだ。
日本でも、アメリカンテイストを好むユーザーには気になる一台に違いない。
欧州車とはまた違った豪華さ、ダイナミックさが、アメリカンモーターホームの醍醐味であろう。

なお、輸入車を日本で乗るには、幾つか注意すべきこともある。
その一つは、左ハンドル、右エントランスであること。
ベガス/アクシスには右ハンドルは設定されていないので、左ハンドルを選択せざるを得ない。
ただ、左ハンドルが日本で運転し難いかというとそうでもなく、むしろ車幅のあるキャンピングカーでは、対向車とすれ違う時、左に寄せやすい。
狭い道が多い日本では、大型車は意外に左ハンドルのほうが楽な場合がある。
なお、右エントランスなので、同乗者が道路に降り立つときは注意が必要である。

次にガスの問題がある。
プロパンを使うモデルでは、プロパンガスの再充填を断られる場合があるので、出発前に充填できる販売店があるか調べておくと良いだろう。
あるいは、カセットガス化できれば良いが、ガス器具によりできない場合もある。

更に、キャンプ場などでのインフラが整っている欧米ではサブバッテリーに頼ることは少なく、あまり大きな容量のサブバッテリーを積んでいない場合がある。
ベガス/アクシスのように、電気を湯水のように使うモーターホームでは、発電機か外部入力が基本電源である。
発電機を回せない夜の道の駅などでの停泊では、十分に電気製品を使えない可能性もあるだろう。

最後に、ガソリン代は、ある程度覚悟しておく必要がある。
日本の半分程度のガソリン価格のアメリカがベースのモデルであるだけに、日本で乗ると、やはりガソリン代は大きな出費となる。

それでも、日本で運転できそうなアメリカンクラスAモーターホームが出現したのは、朗報である。
まだまだ手の届き難い価格帯ではあるが、興味深いモデルである。

ベガスの動画はこちら

BGM MusMus http://musmus.main.jp/

なお、日本では、ベガスはボナンザ、アクシスはロータスRV販売が輸入、販売を行う。

ボナンザ ベガスのページ
http://www.bonanza.co.jp/lineup/vegas.html

ロータスRV販売 アクシスのページ
http://rotas-rv.co.jp/camper/axis.html




2014.08.01




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