キャンピングカー　かーいんてりあ高橋　プリウスリラックスキャビンPHV

Home > プリウスれラックスキャビンPHV　かーいんてりあ高橋

かーいんてりあ高橋　プリウスリラックスキャビンPHV　

プリウスリラックスキャビンPHVはプリウスをベース車に、FRP製のシェルを架装したキャンピングカーである。
このモデルは、ハイブリッドカーであるプリウスをベース車としたことなどから、燃費の良さやスタイリングが前面に紹介されていることが多いように感じられる。
しかし、プリウスPHVが持つ大容量バッテリーをキャンピングカーのサブバッテリーとして使っていることに関しては、あまり語られていないようだ。
キャンピングカーという観点から見ると、これは実に理にかなった考え方であることが分かる。

バッテリーに関する内容の前に、プリウスリラックスキャビンの特徴について触れておこう。
その一つが、乗用車をベース車としていることで、運転面では普通の乗用車そのものである。
即ち、誰でも、問題なく運転できる。
車高も2050mmなので、地下駐車場なども問題なく入れる。
スタイリング面から目を引くことはあるかもしれないが、日常の乗用車としての使い勝手は問題ないので、ファーストカーとして使えるわけである。

次に居住性である。
大人2名と子供2名のファミリーが、ゆったり就寝することができるスペースと、大人が立って着替えができる天井高、そして、ちょっとした団欒スペースが確保されている。
乗用車の手軽さと、キャンピングカーの居住性を併せ持った、今までにないパッケージングである。

最後に、燃費である。
リッターあたり18Kmということなので、これは軽キャンパーと比べても相当に良い。
キャンピングカーは長距離を走る場合が多いので、これは大きなメリットである。

さて、プリウスPHVを選択したことのメリットは単に運転し易さや燃費だけではない。
プリウスPHVに積まれているバッテリーはリチウムイオンバッテリーで、プリウスPHVのウリのひとつが、このバッテリーの電力を外部に供給できることである。
そして、もちろん、車内で100Vの家電品を使用することもできる。
最大1500W までの家電品が使えるので、電子レンジなども全く問題なく使用できる。
また、エンジンを止めている状態でもエアコンを作動させたり、カーステレオなどの電装品を使用することができる。

キャンピングカーの観点から見ると、これはサブバッテリーを搭載しているのと同じことで、あえて鉛バッテリーを搭載する必要が無い。
しかも、最初から大容量リチウムイオンバッテリーが搭載されているのである。
バッテリーを充電するためには、エンジンをかければよいのだから、これは発電機を積んでいるのと同じことである。
即ち、プリウスは、最初から自分で発電できる自立式キャンピングカーの要素を持っていると言える。

しかし、残念がらプリウス自体は乗用車で、キャンピングカーではない。
そこで、大人がゆったり就寝できるベッドと、立って着替えができる車高を持たせたのが、プリウスリラックスキャビンPHVである。
プリウスリラックスキャビンPHVは、プリウスPHVをベース車にすることにより、運転し易く、燃費が良く、大容量リチウムイオンバッテリーを搭載し、発電機（エンジン）も装備したキャンピングカーなのである。

さて、プリウスには、プリウスとプリウスPHVが存在するが、プリウスリラックスキャビンでも、どちらでも選択できる。
プリウスとプリウスPHVの違いは、プリウスPHVは外部からの家庭用電源で充電できることである。
PHVはプラグインハイブリッドのことで、家庭で外部電源をプラグインして充電できるが、プリウスは、充電はガソリンエンジンの発電のみで、外部電源からの充電はできない。

また、搭載されているバッテリーが異なる。
プリウスではニッケル水素電池で182Ahだが、プリウスPHVでは1204Ahのリチウムイオンバッテリーで、6倍以上の容量がある。
乗用車としてみると、これはEVとして（バッテリーの電気だけで）走行できる距離の違いとして表現されるが、キャンピングカーとしてみると、家電製品の使用時間の違いとして実感できるだろう。

通常、ハイエースなどのキャンピングカーに搭載されている鉛バッテリーは100Ah程度なので、プリウスでも鉛バッテリー2個分弱程度の容量があることになる。
プリウスPHVなら、実に12個分なので、電気容量に関しては、もはや何の問題もないだろう。
しかも、充電ステーションで無料で充電できる。
そして更に、取り出せる電力は1500Wまで可能なので、キャンプ場でホットプレートを使って料理するなどということもできてしまうのである。

こうして見ると、プリウスリラックスキャビンPHVは、大容量リチウムイオンバッテリーを搭載した、かなり先進的なキャンピングカーと言える。
便利な家電製品が、電池切れの心配なく使用できる他、エアコンもエンジンを停止したまま長時間使用できる。
しかも、発電機（クルマのエンジン）を積んでいるので充電も心配ないし、充電ステーションがあれば外部電源からの充電もできるのである。（場所によっては、アイドリング禁止というところもあるので注意）
PHVやEVの大容量バッテリーをキャンピングカーのサブバッテリーとして使うというアイデアは、今後のキャンピングカーにも影響を与えるのではないだろうか。

最後に、プリウスリラックスキャビンの内部も紹介しておこう。
下段は、オリジナルのプリウスの室内と同じで、シートを倒してフラット面を構成し、これにマットを敷いてフロアベッドとしている。
上部は、バンクベッドとなっており、上下のベッドで4～5名が就寝可能。
小さな子供連れの4人家族なら、全員が前向き乗車で移動して、全員がゆったり就寝できるだろう。

また、最後部は大人が立って着替えることができるほどの天井高があり、キッチンを装備すると、8ナンバーキャンピング車登録もできる。
上部ベッドの後端のボードは跳上げることができるので、後部は天井高の高いダイネットとして寛ぐことができる。
大きなサンルーフも装備され、明るく、開放的な室内を演出している。

プリウスリラックスキャビンは、単にハイブリッドカーをベース車にした燃費の良いキャンピングカーということではなく、大容量リチウムイオンバッテリーと、その充電システムを搭載した最新のキャンピングカーなのである。

プリウスリラックスキャビンPHVの動画はこちら



2014.11.29