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カトーモーター リブ 
リブはハイエースワイドワゴンを使用したバンコンで、外見はノーマルのまま。
同社ではハイエースワイドロングにハイルーフを架装するモデルはあるが、全くのノーマルのモデルはこれが初めて。
ワイドロングはミドルルーフを採用し、車高は2100mmなので、ほとんどの地下駐車場など高さ制限のある駐車場にも入っていける。
インテリアは同社独特のムクの木材を使用した、高級感ある家具が装備されており、中に入ると同社のクルマと一目でわかる。（写真下）
リブの特徴は、なんといってもスライド式常設2段ベッド。
上下のシングルベッドが常設されているが、これをスライドさせると、上下ともダブルベッドになる。（写真下左右）
この手法は、既に同社のブルームーンで採用されており、レイアウトはほぼ同じ。
ただ、ブルームーンは、ハイエーススーパーロングがベース車なので車長方向には余裕があり、最後部にトイレルームを装備している。
リブは車長の短いワイドロングを使用した分、このトイレスペースが省かれた格好になっている。
リブのコンセプトはもちろんそこにあって、５ｍを切るワイドロングボディを使用したことにより、取り回しの良さを優先させること、そして、このサイズのバンコンでは、どうしても見送られてしまうことが多い常設ベッドを搭載することである。
常設ベッドの優位性は、当サイトでも何度も書いているが、就寝前にダイネットを展開してベッドにする必要が無いこと。
ダイネットで飲んでいて、いい気分で就寝したいのにグラスやボトルを片付け、シートを展開しなければならないという面倒さから解放される価値は何物にも代えがたい。
更にリブは2段ベッドを採用していることも、大きな特徴である。
ハイエースワイドロングで常設ベッドを持っているモデルはいくつかあるが、リブ以外は全て後部にベッドボードを渡す、ハイマウントベッドである。（写真左はハイマウントダブルベッドの例）
ハイマウントベッドを採用した場合、ダイネットを展開せずに寝られる人数は2名であるが、リブの2段ベッドはスライドして幅を広くすることができ、この場合は上下それぞれ2名が就寝できるので、ダイネットを展開せずに計4名が就寝することができる。
リブは4名就寝が可能だが、現実的にはカップルでの使用が理想的である。
2段ベッドはダブルベッドに比べて独立性が高く、例えば就寝前に本を読みたくてもつき合って寝てしまわなければならない、と言うことは無い。
カップルで使用する場合でもベッドを拡張しておけば、それぞれゆったり就寝することができる。
夫婦で温泉巡りのクルマ旅、と言ったシチュエーションにぴったりのクルマで、狭い温泉街にも安心して入っていけるし、駐車場での切り返しもそれほど難しくない。
さて、車長方向にベッドを置いた場合、問題となるのは、ダイネットへの影響である。
車長方向に長いベッドを置くわけだから、スーパーロングボディでもかなり厳しい。
リブでは、これを解決するため、運転席、助手席のシートのシートバックを前に倒し、その背面にクッションを置くことで後ろ向きの対座シートとしている。
この手法は、他社のモデルも含め多く使われているが、スペース効率を上げるうえで有用である。
ただし、十分広いわけではなく、足元などはかなり狭く感じるかもしれない。
またテーブルもそれほど大きいわけではないので、4名が食事をするのはかなり厳しいだろう。
ギャレーコンソールは、2段ベッドの反対側に設置されており、大き目のシンクがビルトインされる。
その下には、各20リッターの給排水タンクが収納されているが、これらのタンクはリアハッチを開けると、すぐに取り出すことができる。
コンロはポータブルカセットコンロを置いて使用する。
シンクの隣は調理スペースになっているが、これは冷蔵庫の蓋で、開けると上蓋式14リッター冷蔵庫が標準で装備されている。
ギャレー前の通路は、ベッド拡張時には無くなってしまうので、ベッド拡張後にギャレーを使うには上段ベッドの上から、となってしまう。
これはあまり現実的ではないが、冷蔵庫の中のものを取り出すことはできる。
収納は、下段ベッド下が収納スペースとして使用できる。
リブは機動性に富むボディながら、4名が就寝できる常設2段ベッドを装備するという、他にないレイアウトを持つ。
カップルはもちろん、ファミリーでもオーバーナイトのクルマ旅ができ、普段使いもできるモデルとして、お勧めできる1台である。
リブの動画はこちら
2015.05.14
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