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レクビィ ファイブスターブリーズ 
ファイブスターはハイエーススーパーロングを使用したバンコンで、レクビィの代表的モデルである。
そのファイブスターに「ブリーズ」というサブネームが付いたモデルが発売された。
これは、ファイブスターに家庭用エアコンを装備したモデルで、従来のファイブスターの特徴はそのままに、より快適な環境を実現している。
ところで、同社はシャングリラというモデルを2014年に発売している。
これはハイエーススーパーハイルーフをベース車に使用したバンコンであるが、これに家庭用エアコンが搭載された。
今回のファイブスターブリーズも、このシャングリラと同じ手法で家庭用エアコンが搭載されている。
即ち、後部右側のウインドウ部に室外機を設置する手法で、同社ではこのシステムをVCD（VAN COOL DEVICE）と名付けている。
この手法は、室内機の近くに室外機を設置できるので、効率は極めて良い。
難点としては、エアコンを使用する場合は、いちいち室外機収納部のカバーを開ける必要があること。
雨が降っていると、ちょっと面倒ではある。
また、隣のクルマが窓を開けて涼を取っている場合には、注意する必要があるだろう。
電源は、発電機を搭載しているわけではないので、サブバッテリーか外部100V入力で運転することになる。
ファイブスターブリーズには標準でサブバッテリーが3個搭載されているので、現実的な使用ができるだろう。（写真左）
ただし、3個のサブバッテリーを充電するのもまた時間がかかる。
エアコンを多用する場合は、充電も兼ねて電源付きのサイトや道の駅を利用するのがよいだろう。
レイアウトは、前部に対座ダイネット、後部に縦置き2段ベッドと、その向かいにギャレーとエアコン室内外機を収納したコンソール、そして最後部にシャワールームとしても使えるユーティリティールームで構成される。
ダイネットは、2列目シートに3人掛けREVOシートを採用、これにより、計4名が前向きに着座してドライブできる。
また、団欒時には、運転席、助手席のシートバックを利用した後ろ向きのシートで、対座ダイネットを構成する。（写真下左）
この手法は実にスペース効率が良く、通常停泊時はデッドスペースとなってしまう運転席と助手席をうまく利用できる。
これにより、後部に余裕ができ、2段ベッドが縦置きに設置できているのである。
縦置きに設置できると、横置きのようにエクステンションボックスで長さを拡張する必要が無いため、ベッド長も余裕で取れるし、エクステンションボックスの設置コストも不要である。
特に、このファイブスターブリーズのようにエアコンが後部に設置されていると、横置きベッドは不可能なので、むしろファイブスターのレイアウトには適していると言える。
なお、2列目シートは後ろ向きにもなるので、この場合は、後部のロングソファと組み合わせて後部にダイネットができる。（写真上右）
2段ベッドは、従来のファイブスターと異なり、エアコンシステムが右側にあるため、左側に設置されている。
上段は簡単な操作でシートバックとしても使用でき、その場合は2段ベッド部はロングソファとなる。
なお、ダイネットを展開すると、フロアベッドになるが、ここでは子供3名が就寝できる。
ギャレーは、丸型シンクが埋め込まれ、下には49リッターと大き目の冷蔵庫が標準で収納される。
家族分の食料品を保存しておくためには、大き目の冷蔵庫は大変有用である。
また、電子レンジと各20リッターの給排水タンクはエアコンのコンソールの最下部に収納される。
多少残念なのは、コンロを置くスペースが特に用意されていないこと。
シンクに蓋が用意されているので、蓋を閉めて、その上にコンロを置くという使い方になるだろう。
完全な2人仕様に割切れば、ダイネットのソファを固定式にしたり、ベンチシートにしたりできるので解決するかもしれない。
そして、ファイブスターの特徴のひとつである、完全防水シャワールームも健在。
扉は丸窓のある木製に変更され、落ち着いた雰囲気になっている。
ファイブスターは小さな子供がいるファミリーには理想に近いレイアウトと言える。
常設2段ベッドに広いダイネットは、快適な車内を実現している。
そして、これにエアコンが搭載されたファイブスターブリーズは、またいっそう理想に近づいたと言える。
バンコンの弱点は炎天下の車中だが、エアコンによりほぼ解決でき、夏場でも積極的に出動できるようになる。
ファイブスターブリーズの動画はこちら
2015.02.09
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