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エヴァンスポーツI560B デスレフ 
フルコンというのは、ベースになるシャシー上部を全てビルダーが作っていくキャンピングカーのスタイル。
欧州や米国ではポピュラーな形態のひとつであるが、一般的には大型のモデルが多い。
デスレフも多くのフルコンをラインアップしているが、このエヴァンスポーツは、そのようなフルコンのイメージを変えるモデルである。
即ち、今までになくコンパクトなボディを持っている。
コンパクトといっても、全長5650mm、全幅2150mmなので国産のスタンダードキャブコンよりも多少大きく、どこでも入っていけるというわけではないが、従来の欧州フルコンから考えると、国内でも扱いやすい。
更に、ユニークなのは、ポップアップルーフを持つこと。
欧州車はポップアップルーフを付けなくても十分高い天井を持ち、十分大人が立って歩けるが、更に高い天井、広い室内を実現している。
ポップアップルーフを持つ意味は、むしろ就寝人数にある。
多くの欧州車は二人仕様で、4名就寝となれば、プルダウンベッドが付いた大型のモデルになってしまった。
コンパクトなボディで、かつ4名就寝を実現するには、ポップアップルーフが最適の解だったわけである。
ポップアップルーフというと日本では、いや、恐らく欧州や米国でもバンコンに付けるものというイメージがあるが、フルコンに付けたところがユニークだ。
欧米のモーターホームのコンパクト化、というか、コンパクトモデルの追加は、日本のマーケットを特別に意識したものではなく、ひとつのトレンドで、機動性を高め、気軽に出かけられることをウリにしたものであるが、それが結果的に日本国内の交通事情にもマッチするなら、輸入車モデルの増加にもつながるだろう。
エヴァンスポーツのレイアウトは、I560B(下図左)とI560D(下図右)の2種類がある。
大きな違いはダイネットで、I560Bは反転した運転席、助手席と固定2人掛け前向きシートでテーブルを挟む対座ダイネットであるのに対し、I560Dは固定の2人掛けシートがテーブルを挟んで向かい合う。
フロント上部にあるプルダウンベッドが降りている場合、運転席、助手席はベッドの下になるため使えなくなるので、I560Bでは、後ろ向きの席が使えなくなる。
これに対し、I560Dは、ベッドが降りている状態でも4名がダイネットに対座できる。(写真下)
しかし、I560Dではダイネットが後部にずれるため、ワードローブが省略されている。
どちらを選ぶかは、考え方、使い方次第で、ベッドが下がっているということは就寝するということなので、対座ダイネットが使えなくても良いと言うならI560Bだし、例えば先に子供がプルダウンベッドで就寝し、大人はゆったり対座して酒を飲むならI560Dという感じだろうか。
ところで、エヴァンスポーツのベッドはプルダウンベッドとポップアップルーフのルーフベッドである。
即ち、フロアにはベッドが無い。
これも今までのフルコンにはあまり見られない考え方だが、そうして得られたフロアスペースを主に収納に充てており、これも今までにあまり見られないバスケット収納を設けている。
着替えた衣類などを収納しておくスペースとして使えるが、もちろん多目的な収納スペースとして活用できる。
サニタリールームは、欧州車なのでシャワールームが用意されているが、ここはトイレルームとしても使用する。
意外なのは、このトイレがポータブルトイレであること。
今までのフルコンなら、少なくともカセットトイレが装備されていたが、エヴァンスポーツではポータブルトイレに割切っている。
エヴァンスポーツで、恐らくこだわったのが自転車を積めることと思われる。
一般的なレイアウトでは、後部にハイマウントベッドがあり、この下が大きな収納庫になるので、自転車も積めるが、エヴァンスポーツのレイアウトでは、これができない。
そこで、ギャレーコンソールの奥行きをセーブして自転車の積載スペースを稼ぎ出している。
リアにドアを付けたのも、そのため。
ギャレーは奥行きがセーブされた薄型だが、機能がセーブされているわけではない。
シンクが一体になった2口コンロが装備され、本格的な料理も可能。
横の調理スペースもかなり広い。
さて、エヴァンスポーツのコンセプトは日本で受けるだろうか?
コンパクトなボディは、間違いなく取り回しの向上につながる。
4名就寝可能なモデルとしては、やはりフルコンのグローブバスがあるが、全長は5990mmでほぼ6mである。
これに比べると350mmも短いので、一般の駐車場などでははみ出しが少ない。
しかし、5mを切っているわけではないので、フェリー料金などは5m以上6m未満で同じ。
価格を見てみると、グローブバスよりも小さいのに価格はグローブバスよりも高い。
ポップアップルーフのコストが影響しているのかもしれない。
しかもグローブバスは電動プルダウンベッドだし、カセットトイレも装備される。
更に、グローブバスで装備される電気式床暖房も、エヴァンスポーツでは装備されないし、ルーフエアコンもポップアップルーフのため設置できない。
そう考えると、グローブバスの方がコストパフォーマンスに優れているように思われる。
もちろんコンセプトにマッチする使い方であれば、エヴァンスポーツはかなりアクティブに使える1台である。
ビルダー | デスレフ | デスレフ |
車名 | エヴァンスポーツI560B | グローブバスI1 |
ポップアップルーフ | ○ | - |
ナンバー区分 | 8 | 8 |
乗車人数 | 4 | 5 |
就寝人数 | 4 | 4 |
ベース車 | デュカト | デュカト |
サブバッテリー | ○(95Ah) | ○(95Ah) |
バッテリー増設 | OP | OP |
走行充電システム | ○ | ○ |
外部100V入力 | ○ | ○ |
インバーター | OP(350W) | OP(350W) |
高電力インバーター | OP(1500W) | OP(1500W) |
ルーフベンチレーター | - | ○(スカイルーフ) |
ソーラーシステム | - | OP |
コンロ | ○(2口) | ○(3口) |
シンク | ○ | ○ |
給水タンク | ○(60L) | ○(114L) |
排水タンク | ○(90L) | ○(90L) |
冷蔵庫 | ○(91L) | ○(98L) |
電子レンジ | OP | OP |
サニタリールーム | ○ | ○ |
ポータブルトイレ | ○ | - |
カセットトイレ | - | ○ |
カーテン | ○ | ○ |
FFヒーター | ○ | ○ |
ルームエアコン | OP(未定) | OP(未定) |
シャワー設備 | ○ | ○ |
温水装置 | ○ | ○ |
発電機 | OP | OP |
断熱加工 | ○ | ○ |
アクリル2重窓 | ○ | ○ |
サイドオーニング | OP | OP |
全長(mm) | 5650 | 5990 |
全幅(mm) | 215 | 2150 |
全高(mm) | 2780 | 2700 |
価格(万円) | 1190 | 1160 |
2015年8月現在 (○は標準装備/OPはオプション)
価格は税別
エヴァンスポーツI560Bの動画はこちら
2015.08.26
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