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アネックス コンポーザー 




「コンポーザー」というモデルネームは、アネックスが初めて製作したキャンピングカーのモデルネームということで、同社のアニバーサリーモデルとして復活させた。
それだけ気合の入ったニューモデルであるが、確かにかなり気合の入った作りになっている。

まず、目に入るのが、美しいハイルーフとなっていること。
NV350キャラバンのデザインをスポイルしないように、というか、オリジナル以上に美しいフォルムに仕上がっている。
この外観だけでも、多少高価になっても選択する価値があるが、そのハイルーフが生み出す広い空間は、やはり標準ルーフとは全く異なる。


ところで、標準ボディハイルーフと言えばハイエースに存在するので、それを使っても良かったのではないかという考えもあるかもしれないが、ハイエースの標準ボディハイルーフは、8ナンバー登録のためには、ほんの少し天井高が足りない。
そのため、キッチン前の天井に窪みをつけたりして対応している。
また、大人が立って歩くには、多少高さが足りないし、窮屈感も覚える。
コンポーザーは専用のハイルーフを架装することにより、十分な高さのハイルーフを実現しているのである。


更に、コンポーザーのハイルーフにはソーラーパネルが設置されているが、下からは全く見えない。(写真上)
その代り、ハイルーフ後部にはスリットが見える。(写真下左)
これは、ソーラーパネルに下部に風を通し、パネルの温度を下げる工夫がしてあるため。
ソーラーパネルはパネル温度が上昇すると発電効率が低下するので、下部に気流を通す必要があるが、通常のルーフでこれを行うと、どうしてもパネルとステーが丸見えになってしまう。
コンポーザーのハイルーフは最初からソーラーパネルを組み込むことを考えてあるので、見た目がすっきりしているのだ。
また、リアハッチのガラスエリアは断熱加工され、アクリルウインドウに変更されている。(写真下右)



それでは内部を見てみよう。
レイアウトは前にダイネット、ダイネット横にスリムなギャレー、後部に子供用上段ベッドの構成となっている。(写真下)


就寝定員は大人2名+子供2名で、全員が前向き乗車できるので、小さな子供がいるファミリーには最適である。
カップルにも使えないことはないが、2列目シートが車内幅いっぱいで、動線が制限されること、後部の子供用ベッドは不要なことなどを考えると、常に2名で使う場合はあまりメリットが無いかもしれない。
是非、このボディでカップル向けのモデルも製作して欲しいものである。

ダイネットはフランス製のRIBシートを2列目シートに採用、4名が対座できるが、ユニークなのは2列目シートを後ろ向きにする必要が無いこと。(写真下左)
多くの場合、2列目シートを後ろ向きにセットして、3列目シートと対座させる構成を取るが、コンポーザーでは、運転席、助手席のすぐ後ろに設けられた簡易シートを後ろ向き着座シートとして使い、2列目シートと向かい合わせる構成としている。
このため、2列目シートはドライブ時のままでダイネットになる。
なお、ダイネットの上部には、スカイライトルーフが装備されており、明るい室内を演出する。(写真下右)


ベッドは2列目シートをフラットにしてフロアベッドとし、ここに大人2名が就寝できる。
そして後部の両側コンソール上に渡したベッドボードで子供2名が就寝できる。(写真下)
子供用ベッドは常設しておくと、子供が眠くなったらすぐに寝かしつけられるので便利。


ギャレーはダイネットの横に設置されているので、ダイネットに居ながらにしてちょっとした料理を作ったり、食器を洗ったりできる。
一般的にダイネットサイドに設置されるギャレーは比較的簡易的なものが多いが、コンポーザーのギャレーはシンクとコンロが一体でガラスカバーの付いた実用的なものが使われている。(写真下左)
ただ、コンロは1バーナーなので、込み入った料理はできないかもしれない。


冷蔵庫はWAECO製の40リッター上開き式をギャレーの並びにビルトイン。(写真下右)
2列目シートのすぐ隣なので、ドライブ中でも冷たい飲み物をすぐに出すことができる。
ただし、上段ベッドを全て設置している時はベッドボードが上に来るので、冷蔵庫を開けることができないのは残念。
電子レンジも、ギャレーコンソール下部にすっきり収まっている。(写真下)


収納は、ハイルーフを生かしてオーバーヘッド収納庫が両サイドと前部、後部にも設置されている。(写真下上段)
2列目シートの下には引き出し式収納も用意されており、豊富な収納スペースがある。(写真下下段左)
更に、後部ベッド下は大きな収納スペースで、長期旅の家族の荷物も難なく収納可能。(写真下下段右)



なお、この収納庫の右側にはサブバッテリーとしてAGMバッテリーが収納されている。(写真下)
AGMバッテリーとは、Absorbed Glass Matの略で、グラスマットにバッテリー液を吸収させた構造のドライバッテリーのこと。
耐震性や高負荷に強いとされている。
VARTA社のAGMバッテリーは多くの欧州車に純正採用されている高性能バッテリーで、コンポーザーはこれを2個標準装備している。


これまで、ハイエースを含めても、標準ボディにハイルーフを架装したモデルは、実は存在していなかった。
ハイエースワイドロングでハイルーフを架装したモデルはいくつか存在するが、標準ボディでは過去には存在したものの、現在では生産されていなかった。
コンポーザーはここに出現した唯一のモデルとなる。
運転し易いボディサイズとゆとりのある天井高を両立するこのカテゴリーは、大変使いやすく、今後需要が高まると思われる。
今後このカテゴリーに多くのモデルが参入することを期待したい。


コンポーザーの動画はこちら










2015.03.23




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