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オーエムシー　北斗

ワゴンロングDX or GL　4,840（全長）x1,880（全幅）x2,100（全高）mm
エンジン　直４DOHC　2,693cc

「北斗」という名前は寝台特急の名前から付けられているが、その名のとおり、寝台特急のコンパートメント（個室）をイメージして作られている。ギャレーなどは後部の収納庫にまとめられているので、ダイネットは趣味性の強い独立した空間になっており、一人でいても落ち着けるスペースである。

北斗は、主に夫婦二人で使用することを想定して作られているが、趣味のための机が用意されていたりして、一人用の個室としても楽しめるように考えられている。一人使用を考慮したキャンピングカーは他には見当たらなく、ユニークな存在だ。オーエムシーには同じく２人使用を想定し、寝台特急をイメージして作られた「銀河」があるが、スーパーロングをベース車にする銀河に対し、北斗はロングワイドワゴンをベース車に採用しており、取り回しを重視した設定となっている。

北斗のウリはロングワイドワゴンのルーフをそのまま使用することにより、全高が2,100mmに抑えられているため、ほとんどの立体駐車場に入っていけることである。普段は日常の足として、休日はキャンピングカーとして使用するようなユーザーには最適の選択であろう。もちろん、そのため、車内で立つと頭が天井につかえるが、うまくまとまったインテリアは、車内を広く見せており、窮屈感はない。

ダイネットのソファーは2段ベッドの上段部分を背もたれに、下段部に腰掛ける３人がけだが、大人３人が座るとやや窮屈だ。2人使用で並んで座るのが正解だろう。ベッドを使用しているため、背もたれの位置がやや奥まった感じであるが、広々感のあるソファーではある。ただ、上段が背もたれとなるのは全面ではなく、奥まった部分は上段位置のままになっているため、ソファーとして使用している場合はデッドスペースとなるのがもったいない。ベッド展開した場合のシュラフや布団などを置いておくスペースとして活用すると良いだろう。
















車内後部はパネルで仕切られ、独立した個室になっており、ドアを介して行き来することができる。ギャレーはこの個室内にあり、シンクが装備されている。コンロはオプション設定されていないが、市販されているポータブルのものの使用が想定されており、これを置くスペースが用意されている。また、ギャレー反対側には収納庫が置かれており、ポータブルトイレをすっきり収納することができる。

なお、キャンピングカー規準を満たすため、この個室の床部はそっくり掘り下げられており、キッチン前の高さを稼いでいる。掘り下げ部は蓋をすることにより１２０リッターの床下収納庫として利用することができるが、蓋をはずしておけば天井高をかせぐことができるので、料理をする場合には多少楽である。なお、床下収納庫部は強固なアルミ板を使用しているため、大人が立っても変形したり底が抜けたりということはない。
また、錆の心配がないので、濡れたものを入れておく場合も重宝するだろう。

４０リッター冷蔵庫と電子レンジは標準装備されており、ダイネット室内に配置されている。ダイネットでくつろいでいて、ビールをすぐに取り出したいとか、冷凍食品をすぐに温めたいなどという場合がほとんどであるため、冷蔵庫と電子レンジがダイネット室内に配置されているのはありがたい。

さて、北斗のコンセプトを決定付けているのがホビーテーブルと椅子だ。勉強机のような小さな机には、しかし専用のライトスタンドが備え付けられ、立派な趣味空間として存在を主張している。テーブル横にはワインも収納できる収納庫まで備え付けられている。一人でフラッと旅に出て、ワインを飲みながらホビーテーブルで本を読み、眠くなったらベッドで横になる。考えただけでもワクワクする空間ではなかろうか。

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