Home > HANA タコス
タコス HANA
トヨタ ライトエース 4,045(全長)x1,665(全幅)x2,250(全高)
エンジン 1,500ccガソリン
HANAの外観 コンパクトで運転がし易い
「ちょっとした旅」が流行だしているように見える。旅行ほど大げさではなく、ドライブよりはイベント的な、小旅行といった位置付けになる。高速道路の通行料引き下げもあり、従来より遠くへ出かけるケースが多くなったそうである。しかし遠くといっても何時間も高速を走るものではなく、距離にするとせいぜい100Km〜300Kmといったところだろうか。このような小旅行に最適なキャンピングカーのサイズを考えると、実は今まであまり無かったのではないだろうか。ハイエースでは少し大きすぎるし、軽キャンピングカーではこの距離のドライブはちょっときつい。そこに登場した新型ライトエース・タウンエースは、このような要求に実にぴったりのベース車だったと言えるだろう。
タコスから発売された「HANA」は、ライトエースをベース車に使用し、ハイルーフ架装をした新型キャンピングカーである。先日ビッグサイトで開催された東京キャンピングカーショーに初出展されたので、ご覧になった方も多いのではないだろうか。ライトエース・タウンエースをベース車として開発されたキャンピングカーが続々登場する中にあって、HANAはライトエース・バンをベースにしたバンコンのスタイルを選択している。
ハイルーフを架装したHANAのサイドビュー
ちょっと見は少し背は高いが普通のクルマの感じである。普段は普通の乗用車として使用し、週末には小旅行をしたいというユーザーにはぴったりのキャンピングカーといえる。
名前の「HANA」というのは、女性ユーザーも意識したネーミングとのこと。確かにインテリアも柔らかく、おしゃれな感じに仕上がっている。キャンピングカーを購入する場合、やはり最終的には奥様のOKが必要で、女性受けするデザインが重要視されるのかもしれない。しかし、ライトエース・タウンエースキャンピングカーには更なる意味があると思われる。すなわち、女性がメインで運転することが想定されるのである。毎日使用する普段使いでは、スーパーへの買い物や子どもの送り迎えで使用するが、その場合のドライバーは多くが主婦であろう。ハイエースでは標準ボディーであっても大きすぎるのである。
HANAはまさにこのことをコンセプトとしたキャンピングカーと言える。ライトエースベースであれば、スニーカー感覚でクルマを使える。そしてキャンピングカーとして使用する場合は、軽ベースキャンピングカーほど狭くなく、そこそこに広い室内空間を確保できるし、300kmくらいのドライブならあまりストレス無くこなすことができる。お父さんが運転に疲れたときは、お母さんが運転を交代する、ということも気軽にできるわけである。高速道路の低料金化とライトエース・タウンエースキャンピングカーの登場は、クルマを使ったレジャーの新しい形を提案するかもしれない。
レイアウト
運転席・助手席のすぐ後に2列目シートがある。これは3人掛けベンチシートとなっており、ダイネット使用時は後向けにセットする。ダイネットはこの3人掛けベンチシートと、テーブルを挟んで反対側に2人掛けベンチシートがある。ただし、このシートは2列目3人掛けシートとは対面式ではなく、背を車両左側面に向けて、車両右側面に向いて座る格好となる。ギャレーが車両右側面にあるため、この2人掛けシートはギャレーと向かい合っているとになる。なお、ギャレーとこの2人掛けシートの間の空間にスペーサーをはめ込むことにより、2列目シートとテーブルを挟んで対座することができる。
HAMAの特長の一つにハイルーフがあるが、これはバンクベッドとして使用できるようになっている。バンクベッド展開時は1,500mm x 1,000mmなので子供専用となる。カップルでHANAを使用する場合は、バンクベッドは大きな収納庫として使えるだろう。ダイネットに座ると、やはり天井が高い分、限られた広さの室内でありながら、広く感じる。圧迫感が少ないので、ストレスもあまり感じないだろう。
走行時の2列目シートは前向きにセット(タコスのHPから)
ダイネット
2列目シートを後ろ向きにセットすると、テーブルに向かって3名掛けのシートとなる。ただ、3名着座では多少窮屈で、くつろぐ感じではない。シート左側はギャレーユニットが正面にあり、事実上着座は難しい。またシート右側は、2名掛けシートの端がいっぱいまで来ており、これも着座する場合は足が窮屈である。従って、大人が着座する場合は中央の位置のみとなる。
ダイネットをセットした状態 ちゃぶ台スタイルにしたダイネット(車両後方から)
2名掛けシートはギャレーと向き合う形で車両右側を向いて着座することになる。ただしこれも2名が着座すると左側の人は2列目シートに着座した人と足が触れてしまい、ちょっと窮屈かもしれない。大人2名なら2列目シートに1名、この2名掛けシートに1名着座ならゆったり座れる。なお、最後部のスペース、2人掛けシートとギャレーの間にスペーサーをはめ込んで、これに着座することもできる。いずれにしても、ライトエースベースのキャンピングカーゆえダイネットのスペースは限られたものになる。
メインベッド展開してちゃぶ台スタイルにした状態 この形状が最も寛げるかも
テーブルは比較的小型のものになるので、食器を多くに置くことは難しい。ちょっとした食事に限られる。しかしテーブルが小型で軽量であるため、ベッド展開時やテーブルの収納は楽である。なお、このテーブルは足を短くすることにより、ベッド展開時も使えるようになっている。ダイネットよりもむしろベッド展開してテーブルをセットし、くつろぐスタイルが向いているかもしれない。いわゆるちゃぶ台スタイルであるが、実はこの方が足も伸ばせるし、子どもが眠くなればそのまま寝られるということもあり、多くのユーザーにとって、このスタイルが最もくつろげるのではないだろうか。
ベッド
2列目シートをフラットにし、2人掛けシートとギャレーの間に2枚のベッドマット(スペーサー)を置くだけでベッド展開は終了する。テーブルの足を折って短くすればちゃぶ台スタイルになるし、テーブルを取り外せばメインベッドになる。メインベッドは1,850mm
x 1,200mm(一部ギャレーのある部分は1,050mm)で、ほぼ家庭用のセミダブルベッドの大きさとなる。
ダイネットを展開したメインベッド(タコスのHPから) 子供用バンクベッドの内部
バンクベッドは1,500mm x 1,000mmであり子供用となる。ベッド展開時は2列目シートの上部まで張り出すので、ダイネットは多少天井高が窮屈になるが、十分使用可能だ。よって、子どもが寝た後も夫婦でダイネットを使用する、などという使い方ができる。バンクベッド展開時でも後部半分は高い天井のままなので、窮屈感はそれほど無い。バンクベッド展開時でもオーバーヘッド収納庫は使用可能である。
ギャレー
ギャレーは丸型シンクと上蓋式40リッター冷蔵庫が収納される。シンクは蓋ができるようになっており、また冷蔵庫の上面も面一になっているので、蓋をした場合は大きなテーブルとして使える。ギャレー上部には照明が付いており、ギャレーで作業する場合手元を明るく照らすことができる。シンクの下には各10リッターの給排水タンクが収納される。電子レンジはオプションで用意されているが、置く場所は特に用意されていないので、購入する場合はどこに設置するかを考えておく必要がある。ギャレーユニットの側面には、リアハッチを開けた場合に使用できる折り畳みテーブルが付いている。
丸型シンクと40リッター冷蔵庫 蓋を閉めると広いテーブルになる
各10リッターの給排水タンク(タコスのHPから) ギャレーユニットの小物入れ(タコスのHPから)
収納
ハイルーフになっている分、オーバーヘッド収納庫が装備されている。オーバーヘッド収納庫は車両左右両方に設置されており、奥行きも標準的に確保されているため、十分な収納力を期待できる。メインの収納スペースは2人掛けシートの下となる。収納庫は前方に貫通しており、長い積載物の収納することができる。また、2人掛けシートをベッド展開した場合は、その下全体も収納庫となる。ここにもシート下と同じくらいの収納スペースが生まれる。カップルで使用する場合は、バンクベッドも収納スペースとして使用できるので、長期旅行でも対応可能であろう。
ギャレー上部(車両右側)のオーバーヘッドコンソール 下にギャレー用照明がある
2人掛けシート上部(車両左側)のオーバーヘッドコンソール 右側はバンクベッド
収納庫(車両後部から) 2人掛けシート下の収納庫(拡大) 前方まで貫通している
なお、ギャレー上部の窓は埋め込まれており、少しであるが張り出している。この部分に小物収納庫とその扉の裏側に鏡が付いている。ちょっとしたことだが、女性の使い勝手を考えたセンスの良い装備である。また、ギャレーユニットの側面には多数のポケットが付いており、これも小物の収納、分類に役に立つだろう。
埋め込みで張り出しを加えたギャレー上部の窓と、そこに備え付けられた小物入れ(蓋の裏には鏡を装備)
HANAはライトエースの持つ可能性とターゲットユーザーをしっかり想定したキャンピングカーである。キャンピングカーを持つ全てのユーザーが長期旅行をするわけではなく、通常使用でも十分軽快に使用でき、キャンピングカーとしての使用では「ちょい旅」として使用するユーザーも結構多くなるであろう。一点だけ注意すべきところを上げるとすれば、車高である。HANAの車高は2,250mmあるので、立体駐車場などで2.1mの高さ制限のところは入れない。フットワークが良いので、ついつい車高があることを忘れてしまいがちである。運転席の目立つところに「車高注意」の注意書きを貼っておくと良いかもしれない。
問い合わせ
有限会社 タコス
〒190-0034 東京都立川市西砂町3-29-6
TEL 042-531-0108
装備一覧
車名 | HANA | |
ベース車 | ライトエース・バン | |
ルーフ架装 | ● | |
窓張出し | ● | |
FFヒーター | ▲ | |
サイドオーニング | ▲ | 2.5m |
サブバッテリー | ● | |
走行充電システム | ● | |
バッテリーチャージャー | ▲ | 30A |
サブバッテリー過放電防止装置 | × | |
バッテリー増設 | × | |
インバーター | ▲ | 350W |
外部AC入力 | ● | |
外部AC入力/インバーター切り替え | ● | |
ルーフベンチレーター | ▲ | |
テレビアンテナ | ▲ | 自動追尾型 |
ガスコンロ | ||
シンク | ● | |
レンジフード | × | |
冷蔵庫 | ||
給水タンク | ● | 10リッター |
排水タンク | ● | 10リッター |
電子レンジ | ▲ | 100V用 |
常設ベッド | × | |
二段ベッド | ● | |
バンクベッド | ● | 子供用 |
上部収納庫 | ● | |
クローゼット | × | |
多用途ルーム | × | |
シューズボックス | × | |
シャワールーム | × | |
シャワーヘッド | × | |
トイレ | × | |
カーテン | ▲ | |
ソーラーパネル | × | |
サンルーフ | × | |
追加エアコン | × | |
ボイラー | × | |
発電機 | × | |
断熱加工 | ||
価格(税込:円) | \3,255,000 | ガソリン 2WD 4AT |
2009年8月現在 |
ホーム|新着情報|キャンピングカーリスト|メーカー/販売店|関連書籍|基礎知識
道の駅|イベントスケジュール|ユーザーレポート|お問い合わせ|掲示板|サイトマップ