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日本のキャンピングカー事情


キャンピングカーが売れている
キャンピングカーという名前から、多くの人はキャンプするためのクルマ、というイメージが強いかもしれない。実際、キャンピングカーでオートキャンプ場に行き、バーベキューキャンプを楽しむファミリーも多い。しかし、最近、定年退職した夫婦がキャンピングカーで全国を訪ねる旅が徐々に増えているそうだ。定年退職した方々には、ツアーで海外を旅行したり、高級旅館で温泉に入って、おいしいものを食べて、という従来の「旅行」もそれなりに人気があるが、キャンピングカーを購入して「旅」をするスタイルはここ数年増えているそうである。最近では、道の駅やパーキング施設が充実してきたことと、日本全国どこに行っても、コンビニや日帰り温泉が充実していることもその裏にはあるのだろう。

やはりキャンピングカーでの旅の魅力は、自由気ままな旅ができるということではないだろうか。ホテルや旅館の予約なしに、思いついたら出かけられるし、帰りたければいつでも帰れる。知らない場所を旅してても、キャンピングカーという完全にプライベートな空間である自分の部屋にいつでも戻れることにより、本当の意味で気が休まるのかもしれない。確かに旅館やホテルではいたせり尽くせりだが、何か常に「よそいき」な緊張感があり、家に帰るとどっと疲れが出ることも多いのではないだろうか。

欧米のキャンピングカー事情
ところで、欧米ではキャンピングカーとは言わない。モーターホームという言い方が一般的である。すなわち、欧米では「ホーム」なのである。特に欧州では普段でもよくモーターホームを見かけるし、バカンスの時期になると本当に良く見かける。トラベルトレーラーを普通の乗用車で引っ張っている光景も非常に多い。彼らはキャンピングカーでキャンプ場に行ってキャンプするのではなく、モーターホームで長期滞在するのだ。別荘を引っ張って行くと考えたほうが分かりやすいかもしれない。別荘で長期滞在するわけなので、大きいに越したことはなく、ゆったりとしたリビングとベッドルーム、そしてキッチンが付いたトレーラーやキャンピングカーが一般的である。

日本で同じことをしようと思うと、道路事情、宿泊場所などの関係で、大きなキャンピングカーを乗り回すことは難しいが、それでも、キャンプ目的のキャンピングカーではなく、モーターホーム的な使い方をするユーザーが増えてきたのではないだろうか。定年退職をされてキャンピングカーで全国を気ままに訪ね歩くというスタイルは、まさに欧米のモーターホームの考え方に近くなってきたのではないだろうか。

日本のキャンピングカー事情
さて、日本のキャンピングカー事情である。日本のキャンピングカーは欧米とはかなり異なった発展をしているように思われる。その一つ目は、狭く、混んだ道路、クルマがひしめく観光地、十分とはいえない駐車スペースなどの道路事情から、クルマ自体が比較的小型なことである。おそらく軽キャンパーというのは日本独特のモデルである。日本で中心のハイエースベースのバンコンやカムロードベースのキャブコンでも、欧米モデルに比べると相当に小さい。全長6mに達するモデルや牽引免許が必要なトレーラーは、日本では主流ではない。

二つ目は、観光地、温泉、コンビニ、道の駅、公衆トイレなどが、少し走ればどこにでもあるという恵まれた環境により、キャンピングカーの装備が軽いことである。冷蔵庫は比較的小さくても問題なく、トイレを積んでいないユーザーも多いだろう。温水シャワーを装備しているユーザーとなると、かなり少数派となる。

そして、何より異なるのが、キャンピングカーの使い方である。欧米では目的地に着いたら、そこで長期間滞在するのが一般的である。比べて、日本のユーザーは動き回る。北海道を一周するなどといった使い方が多いのではないだろうか?

もちろん、どちらが良いという話ではない。環境が異なるので、要求されるモデル、装備が異なるということである。24時間開いていて、きれいなトイレも使わせていただけるコンビニや、特に大きな危険性も無く就寝できる道の駅や、温泉に入って地元料理を堪能できる観光施設が点在する日本という環境は、世界に類を見ない恵まれた環境であるといえる。このような環境があるからこそ、小型のキャンピングカーでもクルマ旅ができるのである。

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