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シチュエーション別キャンピングカー選び 第17回
乗用車ベースのキャンピングカー(その3)


今回は、乗用車ベースのキャンピングカー特集の最終回。
従来よりホンダステップワゴンを使用した乗用車ベースのキャンパーを提案してきたホワイトハウスのラインアップを紹介する。ミニバンキャンパーの草分け的なフリーデッキをはじめ、今回ピックアップした中で最も小型のフリースタイル、トヨタ ヴォクシーベースのヴォクシー デイズの3モデルを取り上げる。


フリースタイル(フリードスパイク) ホワイトハウス

ステップワゴンを使用したフリーデッキに加え、一回り小ぶりのフリードスパイクをベース車に追加されたモデル。
街中での更なる機動性と、キャンピング時の広さを追求している。

ホンダ フリードスパイクは、フリードが持つ3列目シートを無くし、ラゲッジルームの使い方を拡大。
2列目シートを畳んで、後部をフルフラットフロアにすることができるので、より車中泊に適したコンセプトとなっている。


これをベース車に、ホワイトハウスが更にキャンピングカーに近づけたのがフリースタイル。
フリースタイルのラインアップには、ポップアップルーフは装備しないが、サブバッテリーやFFヒーターを装備した「ホットパッケージ」、ベース車にポップアップルーフのみ架装した「ポップ」、そして、その両方を装備した「ポップウイークエンダー」がラインアップされる。

「ポップ」はポップアップルーフのみ欲しいユーザー向けで、サブバッテリーをはじめとする電装系やFFヒーターは、オプション設定もされていない。
「ホットパッケージ」はポップアップルーフは不要だが、車中泊はしたいユーザー、「ポップウイークエンダー」は広い車内で車中泊をしたいユーザー、あるいは3名以上のファミリーの車中泊向けと言ったところ。

シートはフリードスパイクのものがそのまま使用されており、5名が乗車可能。
2列目シートと後部フロアをフラットにして、その上にマットを敷くことにより、2名が就寝できるフロアベッドとなる。
ポップアップルーフがある場合は、更にルーフベッドで2名が就寝可能となり、トータル4名が就寝できる。


室内装備は、基本的にフリードスパイクのままで、ビルトインテーブルやボトルホルダーなどを活用している。

「ホットパッケージ」と「ポップウイークエンダー」の違いは、ポップアップルーフの有無とフラットベッド、テーブルが標準装備(ポップウイークエンダー)かオプション(ホットパッケージ)のみ。
その価格差は80万円だが、ポップアップルーフの解放感とフラットベッドでの寝心地が全く違うので、できれば装備したい。

ポップアップルーフを閉じたときは、一般のフリードスパイクと見た目が変わらないし、高さ制限のある駐車場にも駐車できる。


「ホットパッケージ」と「ポップウイークエンダー」には、サブバッテリーやFFヒーターが標準装備される。
また、テーブルとベッドマットは、「ポップウイークエンダー」に標準装備、「ホットパッケージ」にオプションとなる。
サブバッテリーへの充電は走行充電が標準装備、外部100V入力はオプション。
また、冷蔵庫は7リッターのものがオプション設定されている。


なお、ハイブリッドの選択も可能である。


フリーデッキ(ステップワゴン) ホワイトハウス
ホンダステップワゴンを使用し、同社が当初から発売している代表的モデル。
一般的なミニバンにポップアップルーフを架装してキャンピングカー仕様にした草分け的な存在で、キャンピングカーをより身近にしたモデルと言える。

ただ、ベース車のステップワゴンがフルモデルチェンジされたが、新型ステップワゴンのフリーデッキはまだ発表されていない。
現在同社のサイトに掲載されているのは、旧型ステップワゴンなので、これを参照する。


フリーデッキのラインアップは、大きく分けてポップアップルーフなしと、架装されたものに分かれる。
ポップアップルーフなしでは、「ホットパッケージG」、「ファミリーパッケージG」、「ウイークエンダーコンフォートS」の3種類、ポップアップルーフを架装したモデルでは、「フリーデッキG」、「フリーデッキホットパッケージG」、「ポップファミリーパッケージG」、「フリーデッキウイークエンダーコンフォートS」、「フリーデッキジョイ コンフォートS」の5種類がラインアップされている。


まず、特徴的なのは「ファミリーパッケージG」。
これは、最近同社がプロモートしている装備で、運転席、助手席が回転して後ろ向きにセットでき、2列目シートとで対座ダイネットが形成できる。
他のグレードにもオプション設定されているので、必要に応じてオーダーできる。


「コンフォートS」は2列目シートがスライド式で、倒せばフルフラットベッドになる。(写真下左)
他のグレードでは、ステップワゴンの純正シートをそのまま使っているので、フラットにしても段差が残る。
そのため、簡易フラットクッションでできるだけフラットにしているが、完全なフラットにはならない。
更に、「コンフォートS」では2列目シートを後ろ向きにセットすると、3列目シートとで対座ダイネットとなる。(写真下右)


ポップアップルーフ付きの、「フリーデッキウイークエンダーコンフォートS」と「フリーデッキジョイ コンフォートS」の違いは、ジョイはギャレーを持つこと。(写真下)
ギャレーにはコンパクトな丸型シンクとフォーセットがあり、ポータブルカセットガスコンロも置けるので、ちょっとした調理ができる。
各10リッターの給排水タンクも収納される。
そして電子レンジと、それに対応した1500Wインバーターも装備。
ただ、ギャレーコンソールの分、ベッド幅が狭くなるので、4名で就寝するなら「フリーデッキウイークエンダーコンフォートS」のほうがゆったり就寝できる。


なお、サブバッテリーと走行充電、そしてFFヒーターが全車種標準装備される。
残念ながら外部100Vからの充電とインバーターは最上級の「フリーデッキジョイ コンフォートS」にのみ標準装備され、他のグレードには装着不可。
できればオプション設定が欲しいところである。


ヴォクシーデイズ(ヴォクシー) ホワイトハウス
同社で初のホンダ車以外のミニバンを使ったキャンピングカーである。
ベース車はトヨタヴォクシーで、これにポップアップルーフを架装する。
ポップアップルーフ無しのグレードも選択可能。


ポップアップルーフなし、ありのそれぞれに、「ホットパッケージ」、「ウイークエンダー」、「ジョイ」があり、「ジョイ」にはギャレーと電子レンジ、そして外部100V入力と1500Wのインバーターが標準装備される。
(外部電源入力とインバーターは、他のグレードにもオプション設定されている。)

ギャレーには、丸型シンク、電子レンジがビルトインされ、テーブルが引き出し式になっており、コンパクトながら機能性は高い。
ただ、残念ながら冷蔵庫のオプション設定が無い。

ギャレーコンソールの張り出しは最小限に留めてあるので、ベッドスペースの犠牲は最小限に抑えてある。(写真下)


また、フロント回転シートとセカンドバタフライシートが、「ウイークエンダー」と「ジョイ」に標準装備される。
フロント回転シートは運転席、助手席が後ろ向きになり、2列目シートと対座できる機能。(写真下左)

セカンドバタフライシートは、倒すとフルフラットになるシート。
「ホットパッケージ」にはオプション設定されていないので、純正のシートがそのまま使われるが、フルフラットにはならない。
そのため、段差を埋めるクッションを使用する。(写真下右)


ヴォクシーデイズはフロントシートの回転機構やフルフラットシートの採用など、スペース効率を最大限に高め、更にポップアップルーフで広い室内を創り出しており、気軽にクルマ旅に出かけられる優れたパッケージングと言える。
グレードが細かく分かれていて分かり難いかもしれないが、やはりポップアップルーフを装備し、フラットベッドが付いたグレード、即ち、ポップアップの「ウイークエンダー」か「ジョイ」が狙い目だろう。


まとめ
ミニバンキャンパーのベース車は、やはりヴォクシー、ノア、ステップワゴン、セレナが良く使われている。
価格が手ごろで室内も広いのが、支持されている理由であろう。
また、ハイブリッドモデルが選べるのも、ミニバンキャンパーのアドバンテージである。

さて、ミニバンキャンパーを選ぶには、大きく分けてポップアップルーフ付きか、無しか、が大きなポイントになる。
ポップアップルーフの価格は高額なので、車両本体価格に大きく影響する。
しかし、ポップアップルーフの爽快感と室内の解放感は素晴らしいし、何よりも3名以上のファミリーなら就寝人数の点でポップアップルーフは必須となる。



ビルダー M.Y.Sミスティック 東海特装車 日産ピーズフィールドクラフト バンテック新潟 ホワイトハウス
車名 デルフィノ ときめき セレナP-SV MR ヴォクシーデイズ
ポップアップルーフ - - - ○(選択可)
乗車人数 5 4 8 7(Joyは5)
就寝人数 2 2 4 2(POPなし)
4(POP付き)
ベース車 セレナ・ヴォクシー・ステップワゴン ノア・ヴォクシー・エスクァイア セレナ ノア・ヴォクシー・エスクァイア ヴォクシー
サブバッテリー ○(80Ah) ○(105Ah) ○(42Ah/Joyは100Ah)
バッテリー増設 OP - - - -
走行充電システム -
外部100V入力 OP - - ○(JOY以外はOP)
インバーター - ○(300W) - - ○(1500W:JOY以外はOP)
高電力インバーター - OP(1500W) - ○(1800W) ○(1500W:JOY以外はOP)
ルーフベンチレーター OP - - - -
ソーラーシステム OP(30W) - - - OP(100W)
シンク OP OP - ○(JOY以外は不可)
冷蔵庫 - OP -
電子レンジ - - - ○(JOY以外は不可)
カーテン - - -
FFヒーター OP - OP
サイドオーニング - - OP - OP(電動)
全長(mm) 4683 4695 4680 4695 4695
全幅(mm) 1695 1695 1695 1695 1695
全高(mm) 1865 1825 1980 1825 1825
価格(税別:万円) 352(ヴォクシー) 301(税込) 355 362(Joy POPなし)
432(Joy POP付き)

 2015年現在。
 価格は○(標準装備)が付き、オプションを含まないで、最低価格のもの
 装備によっては、オプション設定されていない場合でも可能な場合があります。
 







2015.07.29








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